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http://www.yukan-fuji.com/archives/2006/10/post_7221.html
■レスラー今昔物語
「最近はワイフと毎週、ゴルフを楽しんでいるよ。112ポンド(約50キロ)しかない彼女のほうがうまいんだけどね」
かつて“人間風車”ビル・ロビンソン、ジャンボ鶴田らと名勝負を繰り広げた元AWA世界王者のニック・ボックウィンクル(71)は国際電話の取材に、「オレは心底幸せな生活を送っている」と陽気に話してくれた。
プロレスラーは健康面などで悲惨な晩年を送るケースも少なくない。だが、ニックは今も日米のマットで健在である。
今年8月には、ボルティモアで「ファンの集い」に参加したほか、「WWEがAWAのビデオライブラリーを買ったので、DVD用に歴史の話や解説をした。撮影はホテルに8時間缶詰だった」と語るように、米マット界で存在感を保つ。
日本でも今年1月、現AWA王者がいるインディー団体「ゼロワンMAX」がコミッショナーとしてニックを招聘。その際、興奮し、元王者の大谷晋二郎にイス攻撃を見舞う役回りを演じた。
とはいえ、プロレスだけで生活しているわけではない。業界では人柄が良く、人脈が広いことから、以前から背広の似合う「紳士」の代名詞で通っていた。50代で現役を引退した後は、保険会社でスーツ姿のエージェントに転身した。
「顧客にライフプランやフィナンシャルプランを提案したりした」。自身のライフプランも完璧なようで、基本的に資産と年金などで悠々自適という。
現在は、「ハワイで知り合った(2人目の)ワイフの兄弟が3人もラスベガスにいたんで、98年にミネアポリスからベガスに引っ越した」と、ベガスで余裕の老後を過ごしている。
米国で引退レスラーの親睦会として有名な「カリフラワー(餃子耳)アレイクラブ」は、ニックが副会長職となってからベガス開催が定着、ホテルの手配など世話役を続ける。
最後に、なぜ、人気者でいられるのかを聞くと、「オレは父親の仕事を継いだ二世レスラーで15歳のときからこの業界にいた。なによりアイ・ラブ・マイ・ビジネスなのさ」と、受話器の向こうで笑った。
(格闘技ジャーナリスト、タダシ☆タナカ)
【メモ】本名=ウォーレン・ニコラス・ボックウィンクル。
1934年、ミズーリー州セントルイス生まれ。父は“職人”と呼ばれた名レスラーのウォーレン・ボックウィンクル。デビューは16歳、64年初来日。75年にAWA世界王者。以来、7年半にわたりトップの座を争い続ける。87年の日本ツアーを最後に引退。その後も、「オレは(業界の)生き字引だ」として、WCWコミッショナーやWWFのコメンテイターを務めた。