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この秋最大の注目作「コードギアス 反逆のルルーシュ」=サンライズ提供
http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/manga/manganews/news/20061006org00m200106000c.html
特集:「コードギアス」 反逆のヒロイズム
機動戦士ガンダムなど数々のロボットアニメを生んだサンライズ制作のテレビアニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」(MBS・TBS系)がこの秋スタートする。スタッフも、星雲賞を受賞したアニメ「プラネテス」の谷口悟朗監督の下、劇場版アニメ「ブレイブストーリー」の大河内一楼さんがシリーズ構成、メカニック原案はゲーム「ストリートファイター3」の安田朗さん。そして、「xxxHOLiC」「ツバサ」のCLAMPがキャラクター原案という超豪華メンバーが、「ピカレスク(悪漢)ロマン×ロボットアクション×青春群像劇」をテーマに送り出す新作だ。「コードギアス」とは、どんな作品なのか。
■名作「プラネテス」のスタッフが再結集
物語の舞台は近未来。世界の3分の1のは超大国「神聖ブリタニア帝国」によって支配されていた。帝国の圧倒的な軍事力に屈服した日本は、属領「エリア11」となり、日本人は「イレブン」と呼ばれ、自由と権利、そして名前が奪われた。
それから7年、復興した首都トウキョウで、宮廷内の陰謀により母を殺された帝国の第八皇子・ルルーシュは、身分を隠し、妹ナナリーとともにひっそりと学園生活を送っていた。幼なじみで、帝国軍のテストパイロットでもあるスザクと共にある日、少女CC(シーツー)を救い、その代わりに「ギアス」と呼ばれる一定時間人を操ることができる能力を与えられる。ルルーシュは、帝国への復しゅうと妹と平和に暮らせる理想社会をつくるため、反帝国のテロ活動組織を率いる仮面の指導者「ゼロ」となり、孤独な反逆の道を歩み始める……。
「コードギアス」の制作を指揮するサンライズの河口佳高プロデューサーは03年、コードギアスと同じ谷口、大河内、そして千羽由利子作画監督のトリオと、宇宙ゴミを回収する宇宙飛行士たちの生活を描いた幸村誠さんのSFマンガ「プラネテス」をアニメ化。丁寧なドラマ作りや映像表現など完成度の高さが人気を集め、NHK-BS2というやや地味な展開にもかかわらず、「鋼の錬金術師」や「イノセンス」などのヒット作を抑えて日本のSFファンが選ぶ第36回星雲賞メディア部門を受賞している。
河口さんは「『プラネテス』は原作も魅力的で、いろいろハードルの高い作品でしたが、チャレンジし、クリアすることが出来た。次は原作無しのオリジナルをやろう!と意気投合して企画が始まった」と振り返る。
コードギアスのテーマは「反逆」だ。ロボットアニメの主人公はヒーローだが、河口さんらは現代の視聴者が求めるヒーロー象を考え続けたという。
「主人公のルルーシュは体制側と戦う人間です。現代のヒーロー像は正義の味方であるのは当然ですが、手段を問わず目的を成し遂げようとするやや悪役めいた部分にも人気がある。ルルーシュもそういう人間になります」と河口さんは説明する。
さらに、「新しいロボットアニメを作ること」が合言葉になった。ガンダムをはじめ多くのロボットアニメを生み出してきたサンライズの中で、「ガンダムに並ぶオリジナルのロボットアニメづくり」という老舗や名作という権威に対する“反逆”と言えるコンセプトだ。
■キャラクターはCLAMP
テーマが決定し、大河内さんによるストーリー作りが始まり、河口さんは、キャラクターデザインについてはあっと驚く大物を起用したいと考え、マンガ創作集団CLAMPにオファーを出そうと決めた。スタッフの間からも「まず無理」「受けてくれるわけが無い」などの意見が出たが、「男女問わず受け入れられていてメジャー感のある人という狙いで、どうしてもCLAMPは外せなかい」と河口さんはCLAMPに手紙を書いた。CLAMPが自分の原作ではないアニメにスタッフとして参加するのはこれが初めだが、「一度はこうした仕事をしてみたかった」と気合十分でキャラクター原案を引き受けた。
次いで、ロボットアニメにおいて重要な役割を占めるメカニックデザインにゲーム「ストリートファイター3」のキャラクターデザイナーの安田朗さんを指名。河口さんも参加したアニメ「オーバーマンキングゲイナー」(冨野由悠季監督)で、曲線と丸みを帯びた独特のフォルムを持つロボットをデザインした安田さんなら、これまでにない主役メカを描いてくれるはずと期待を込めて依頼した。プラモデルなどへの商品化も視野に入れてとのオーダーに対しては、安田さんは「これまでやったことがない」と言いながら、ヒーローらしいすらりとしたプロモーションを持ちながらも、安田さん独特の曲線を中心としたパーツがミックスされた「ガンダムとは一味違う」(河口さん)メカデザインが上がってきたという。
■最大の敵は同級生
スタッフが決定し、制作方針が固まった05年春、河口さんは「土曜夕方6時、いわゆる“土6”はアニメのゴールデンタイム。これだけの大作なら一番いい時間帯でやらないと」とMBSにこの企画を持ち込んだ。ところが、既に次の土6枠は、作品が決定しており、深夜枠での放送を余儀なくされた。
しかも、「機動戦士ガンダムSEED」や「鋼の錬金術師」など土6のヒット作を次々と手掛けたMBSの竹田チーフプロデューサーから、米ソ対立をモデルとした世界観の企画書について、「冷戦構造なんて古すぎるし、時代に合っていない。そんなことで『反逆』が本当に描けるのか」と厳しい“ダメ出し”を受けてしまった。
ここから、「ほとんど白紙に戻す勢い」で企画の練り直しが始まった。「土6」から深夜帯に放送時間が変わり、視聴者の対象年齢もハイティーンを中心に大人までがターゲットとなる。物語に深みを加えるため、「ピカレスクロマン」の面を強調。単なるルルーシュの親友の設定だったスザクを、帝国側の兵士にした。CLAMPにもキャラクターのデザイン変更を依頼。長いマントを羽織り、仮面をつけて帝国の皇子であることを隠しながら、イレブンのテロリストを率いるルルーシュ。日本の名家に生まれながら、テロリズムによる革命を否定し、帝国軍に身を投じて新型実験兵器「ランスロット」に乗ってテロと戦うスザクが生まれた。普段は親友として学園生活を送る二人は、互いのもう一つの顔を知らず、ルルーシュは仲間にも正体を隠し、スザクは同胞のイレブンから「裏切り者」と見られながら、互いの理想の社会を目指した戦いを繰り広げるという緊張感のある設定が決まった。
「これで反逆だけでなく、黒(ルルーシュ)と白(スザク)の対立というもう一つのテーマが出来上がった。お互いがお互いをいつ、どうやって認識するのかというサスペンスも生まれて、ドラマ性が深まった」と河口さんは言う。
■深夜からの“反逆”
「コードギアス 反逆のルルーシュ」は10月5日のMBS(毎週木曜日深夜1時25分から)を初めとして、6日のTBS(毎週金曜日深夜1時55分から)など全国10局ネットで放送される。声優もルルーシュ役にアニメ「巌窟王」のアルベール役でブレークした福山潤さん、スザク役に「金色のガッシュベル!!」などで人気実力ともにトップクラスの櫻井孝宏さんをキャスティング。バンダイグループ傘下のサンライズらしく、ニンテンドーDSやPSP、Wii(ウィー)でゲーム化され、プラモデルも発売される予定だ。
河口さんは「谷口悟朗、大河内一楼、CLAMP、安田朗とこれだけのビッグネームがそろうアニメはもう二度と無いかもしれない。このメンバーで深夜枠で土6に勝つ。それが僕らの“反逆”です」と意気込む。深夜になって深みを増した物語がどう展開されるか、秋の夜長の楽しみが一つ増えそうだ。
特集はコードギアス。まんたんブロード最新号、配布中
2006年10月6日