★阿修羅♪ > ニュース情報3 > 140.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
□井上陽水 新作「LOVE COMPLEX」 [読売新聞]
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/music/news/20060622et05.htm?from=os1
井上陽水 新作「LOVE COMPLEX」
語感意識した作風健在
井上陽水が新作「LOVE COMPLEX」(フォーライフ)を28日に出す。オリジナルとして4年ぶりのアルバムは、希代のシンガー・ソングライターならではの世界が色濃く広がる。(大野宏)
◆「僕にはユーモアが大事」
2002年秋に自身の曲などをジャズ風に編曲したアルバムを出したが、オリジナルでは同年夏の「カシス」以来となる。新作のきっかけは、今年3月に洋酒のCMソングとしてシングルで発売し、新作にも収めた「新しい恋」だった。
「CMで曲が必要になって、久しぶりにレコーディングをやった。(ほかの)曲もないわけじゃないから、ついでにやっちゃおうということになって。もう一つの理由は、ここ5、6年随分ライブをやってきたんですが、新しい曲をぼちぼちステージでもやりたいなというのが大きかった」
ひょうひょうとした語り口は、ステージでもおなじみだ。
語感を意識した独特の歌詞で知られるが、その作風は新作でも健在。映画女優の名前が多数織り込まれた「サイケデリック・ラブレター」、語句の末尾の韻をきれいに踏んだ「ナビゲーション」など、興味深い楽曲が並ぶ。
「『サイケデリック―』は女優へのラブレターにしようかと思って。何せ、映画好きなもので。また韻を踏むのは好きですね。そこから言葉を探してくるっていうのもありますから」
よく考えると意味が分かりにくい表現だが、あの歌唱で歌われると立体的になるから不思議。そこからは切なさやつややかさだけでなく、ユーモアまでにじみ出る。
「そういえば、今の若い人の音楽ってまじめかもね。ユーモアを感じない。でも、僕にとって、ユーモアって大事なんですよ」
現在の芸名で再デビューしたのは1972年。翌年出した「氷の世界」がミリオンセラーとなり、地位を確立した。その後も「少年時代」などの名曲を次々と発表。市場の動向を意識したり、流行を追ったりはしないが、ほかの歌手の曲を歌い直すカバーブームの火付け役となるなど、今なお注目を浴びる珍しい存在だ。
「そうですね。市場とか流行は意識しませんね。今ツアーをやっているんですが、新作の発売はその終了直前なんですよ。普通はツアー前に出すものでしょうが、成り行きで」
肩の力を抜いた言葉が続く。そこはかとないユーモアを漂わせながら。しかし、時折浮かぶ不敵な微笑に、30年以上にわたって第一線に立ち続ける自信が感じられた。
(2006年6月22日読売新聞)
▽井上陽水が4年ぶりにアルバム 複雑な愛と恋漂う [朝日新聞]
http://www.asahi.com/culture/music/TKY200606200386.html
井上陽水が4年ぶりにアルバム 複雑な愛と恋漂う
2006年06月20日
井上陽水が4年ぶりのアルバム「LOVE COMPLEX」を28日に出す。昨今何かと話題の「団塊世代」の一員ながら、枯れることなく、「恋愛はポップスの王道」と妖(あや)しげなラブソングを振りまいている。
前作を出した02年以降も、ツアーをほぼ毎年こなし、その間に曲を書きためた。したがってレコーディングは速やかに終了。録音を終え、11曲を見渡した。「コンプレックスという言葉の『複雑な』という意味がこのごろ分かったんです。いろんな愛情、恋、そういうのが全曲にあって、なんか複雑だなあ、と」
そこで、このアルバム名である。意味深長で、不敵な世界観は相変わらず。最終曲のバラードのタイトルは「あなたにお金」。〈あなたにお金 金をあげたら帰ろう メロンを抱いて 星を見ながら帰ろう〉
「ギター持って鼻歌を歌っていたら、この詞でメロディーが浮かんだ。聴く人が聴けば不謹慎な歌詞かもしれない。あとから適当に考えたんですけど、ぼくは団塊世代の一員で、非常に人口の多い、2、3年もすれば定年退職する世代。家族を経済的に支えている、まあ、そういう男性がうちを出て、夜道を歩く気分にも聞こえるねえ」
48年生まれ。「団塊の世代として旗を振る気はないけど、自分の世代はすごく多いなと感じたのは、まず大学受験。倍率は45倍。45人受けて1人合格するんだと言われて、それは無理なんじゃないかと。ゆくゆくは、お墓も込み合うでしょうか。お墓も45倍なら、大変だなあ」
ウイスキーのCM曲になったシングル「新しい恋」は、そんな世代に染み入るナンバーだろう。11曲のうち、これだけは他者に詞を任せ、町田康が〈新しい恋をしたら 新しい人になろう〉などと書いた。リラックスした曲調だ。
星勝、佐藤準、鈴木茂らかつて仕事を共にした人をアレンジャーに起用。「ある種、同窓会的な面もあった。この10年くらいで年齢的にひと山超えたというか、特に大変な時を超えた感じ。それで集まろうと」
娘の依布サラサと初めて詞を共作した曲「長い猫」もある。意味ありげなタイトルを作ろうという話から、娘とスタッフに名詞と形容詞を挙げてもらった。「『長い』と『猫』って、変かもねえ、ということで、それから詞を書いて、半分は娘に任せました」
還暦も近づく年頃だが、「あがり」とは無縁な存在だ。「あの人は落ち着かないとか、危なっかしいとか、そう言われるとうれしく聞いてしまいますね」