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村上世彰容疑者、委任状争奪戦も狙う
村上ファンドのインサイダー取引事件で、前代表村上世彰容疑者（４６）が０４年後半、ライブドア（ＬＤ）などにニッポン放送株の買い付けを勧めたのは、翌年の株主総会で議決権の過半数を握る「委任状争奪戦」（プロキシファイト）に備える目的もあったことが１１日、関係者の話で分かった。
プロキシファイトで経営陣を揺さぶり、有利な条件で保有株を買い取らせようと考えていたが、ＬＤが大量取得に動いたため便乗して買い進め、大量取得公表後の急騰時に利益を優先して売り抜けたとみられる。
関係者によると、村上ファンドは０１年ごろからニッポン放送株の買い付けを開始。０４年６月の株主総会で取締役選任を提案しようとしたが失敗したため、翌年の総会までに議決権の過半数を取り、力で提案を通すとともに、保有株をニッポン放送側に高値で買い取らせようと計画した。
０４年秋ごろから同放送株の買い付けを加速させるとともに、議決権を委任してくれそうな外資系株主と交渉。さらに、村上容疑者がＬＤや楽天など数社に「一緒にやろう」などと応援買いを要請した。
ＬＤは勧誘を受けた同年９月１５日に買い付けを決定。村上ファンド側に「２００億円調達のめどが立ちそうだ」とメールで連絡したほか、１１月８日には大量取得の意思を村上容疑者に伝えたとされる。
東京地検特捜部は同日以降の村上ファンド側の買い付けをインサイダー取引に当たるとして、逮捕容疑とした。
これに対し、村上容疑者側は買い付けた事実は認めるものの、当時のＬＤには２０億円程度の企業買収の実績しかなく、１００億〜１０００億円単位の資金調達が必要な同放送株の大量取得が可能とは信じられなかったなどとして「犯罪の意図はない」と主張している。
［2006年6月11日21時26分］
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20060611-44735.html
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