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【暴かれたヒルズ資本主義】幻の小説 主人公?自演 村上代表の原点
金もうけ最も面白いゲーム
その小説で主人公の口癖は、こんなセリフだった。
「金もうけは勝ち負けがはっきり額になって現れる最も面白いゲームや」
証券取引法違反(インサイダー取引)容疑で逮捕された「村上ファンド」の村上世彰(よしあき)(46)が通産官僚時代に書いた未発表の小説『滅びゆく日本』。
そこには、投資スタンスや社会に対する考え方など、現在の村上につながる行動原理が数多くちりばめられている。
小説の主人公は暴漢に襲われて命を落とし、その後、日本は経済破綻(はたん)に向かうのだが…。
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平成元年夏。入省7年目だった村上は、10日間の夏休みを利用して、小説の執筆に取り組んだ。物語は、翌2年の衆院選で戦後初の革新政権が誕生するところから始まる。現実の日本でも、リクルート事件をきっかけに元年の参院選で社会党が大躍進し、5年には連立与党が政権を奪取する。
その革新政権で官房長官を務めるのが、主人公の上村彰、46歳。≪小柄で端正な顔立ちをしており、特にその眼光は鋭い。またどぎつい大阪弁でしゃべるため、下品に聞こえるが、結構インテリでもある≫と紹介されている。名前、容姿、経歴ともに村上と似ている。
政治家・上村のもう一つの特徴が≪金もうけの特異な才能≫だ。上村は、学生時代からの友人で資産家の福田智一と二人三脚で金もうけをしてきた。
政権奪取のための資金提供を上村に求められた福田は、ある会社の株を買い進めていると明かし、こんな計画を語る。
その会社は、事業面の将来性がないものの、莫大(ばくだい)な土地・有価証券の資産を持っていた。50%以上の株を取得し、メーンバンクや関連会社が高値での買い取りを拒否した場合は、≪「株主権を行使して会社を解散させ、土地を売り払えばよい。いずれにせよ、近々この株で300億円の利益が出るからね」≫
福田はさらに言う。
≪「この会社以外にも莫大な土地資産を持ち株価が不当に低いものが多数ある。今後とももうけ口はいくらでもあるよ」≫
阪神電鉄株の大量取得も、同社が大阪・梅田周辺に抱える不動産に目をつけたものだった。総資産に比べて時価総額が低い会社をターゲットにする村上ファンドの投資スタンスの原型ともいえる。
福田はこうも言う。
≪「会社内部者からの詳細な情報提供を受けるとともに、大蔵省で有価証券報告書の確認もしている」≫
インサイダー取引の容認ととれなくもない下りだ。
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不動産と株による資金に支えられ、上村が事実上のオーナーとなった革新政権は順風満帆に見えた。だが、そんな上村に同僚の女性議員とのスキャンダルが降りかかる。
釈明の記者会見後、マスコミへの反発心をのぞかせる。
≪「最近のマスコミは枝葉末節なことばかり取り上げ、本筋が見えとらん。これが『社会の木鐸(ぼくたく)』のやることか」。上村は自分の失敗よりもマスコミの軽薄さにつくづく嫌気がさした≫
記者会見の翌日、テレビの討論番組で宗教団体を批判した上村は、狂信的な信者に襲われ、命を落とす。
友人の福田は上村の死後、アメリカに移住し、投資家として成功を収める。真意はともかく、ライブドア前社長、堀江貴文(33)の逮捕後、シンガポールにファンドの拠点を移した村上と重なる。
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現役官僚の村上が、痛烈な官僚批判の言葉を主人公に言わせていた。
≪「既存の体制にとらわれることが嫌いなだけや」「官僚はおうおうにして固定観念にとらわれがちなところがある。何時も斬新なアイデアを持ってどんどん新しいことをやってほしいんや」≫
村上はこの小説を実名で出版することを望んだが、通産省幹部の半ば強制的な説得を受け、やむなく断念した。「甘かった」。後日、同期入省の同僚にこう漏らしたという。
この一件が、官僚の地位を捨て、村上ファンド設立に走らせるきっかけの一つになったといわれている。
「お金をもうけることはいけないことですか。私が嫌われるのはもうけすぎたからでしょう」。逮捕直前の記者会見で、村上は訴えた。「日本はチャレンジャーに優しい国でしょうか」。最後に報道陣に投げかけたこの言葉は、本音だったに違いない。
=呼称略
(村上ファンド取材班)
http://www.sankei.co.jp/news/morning/08iti003.htm
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