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(回答先: 「おーる」さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます 【40代の私にとっての最新情報・重要ニュース】 投稿者 愚民党 日時 2006 年 4 月 02 日 15:56:13)
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3月24日(金) 晴れ、夕方より曇る。日中は暖、甲府で桜、開花宣言。
昨晩、いつものようにネットサーフィンで「きっこの日記」を開いたら、「追悼、おーるさん1」という見出しが目に飛び込んだ。
何だろうと思いつつ読み進むうちに軽い衝撃を受けた。それは、私が毎晩必ずチェックしている「はてなアンテナ、tamaokaのアンテナ」に、アップされている「新じねん」ブログの管理者おーる氏が、21日の朝亡くなったとのこと。
「新じねん」は、”きっこさん”も毎日みていたそうだ。そして、おーる氏の友人から、こんなメールが届いた、そうだ。
『お名前:●●●●
E-mail:xxxxx@xxxxx.or.jp
コメント:きっこさん、はじめまして。既にご承知かもしれませんが「新じねん」の管理者おーる氏が、去る21日午前10時55分に亡くなりました。近くのスーパーへ重病をおして自転車で行き、駐車場で膝を折るようにしゃがみ込んで倒れて、亡くなりました。想像を絶する赤貧生活の中、10年間に及ぶ赤裸々な日記を世間に晒すことによって、自己の巨悪への闘志を駆り立て、命をちぢめて戦い続けた彼の生き様は、緊張感を持たない堕落した精神で安易に日常に埋没する我々に、一筋の神の光のように天空より降り注がれます。どうかお願いです。彼の存在を日記で取り上げてやってください。●●●に行って、在りし日の彼の生活の名残を目の当たりにし、絶句するばかりです。どうぞどうぞよろしくお願い申し上げます。』
(※『 』内は、きっこの日記よりコピーさせていただきました。“きっこ”さんは無断引用を厳しく禁じられていますが、この部分はきっこさんの文章ではないので、お許し願えるかと勝手に判断させていただきました。)
このような経緯で、おーるさんの死を、きっこさんが多くの読者に“お知らせ役”をすることになったのだ。
早速、「新じねん」のページに跳んだ。
『昨日←06/03/21(火)→翌日 [私的めもらんだむ]
○1時
急に眼がおかしくなってる。ヤバイな… 冠婚葬祭はもっと質素に、自然体で出来ないものかといつも思う。日頃の不摂生が寿命を縮めるのだと戒めて、明日から、いや今から眠ることにしたい。
○9時
今日は7時に起床。喉カラカラ、スーパーでいつもの「K酢で元気チルド」270円を買う予定。紙パックの黒酢で一番安い。それとブルガリアヨーグルト、これが昼食だ。それより猫の食事が先だな。…で、今も後頭部が首筋付近に違和感あり、血圧が上がっている証拠。熟睡できなかったようだ。
ヤフーのブログを設定した。でもどう使うか迷ってる。とりあえず楽天のブログ名「新じねん追記」と同じにしておいた。』
これが絶筆であった。
ヤフーのブログページにも跳んでみた。枠だけで何も記されてなかった。おーる氏は他にもブログページを開いていた。「れいんぼう」の名で。
ここまで辿ったのは初めてだ。そこで目に付いた記事を拾い読みした。
「貧乏克服日記―わが青春の残像を求めて」(04/02/04)
これによると、おーる氏が中学生の頃、町工場の実家が丸焼けになり危うく焼死しかけたこと、以来、工場再建、不況と生活苦に陥った経過が綴られていた。
そして、救いは、04/05/08(土)付け「五月の堤防に菜の花の咲く」の題の下に美しい写真と詩が掲載されていた。
「新じねん」の魅力は、情報量や、記事はもちろん、それ以上に事件の中身を読み解いた複雑な関係を分かりやすく図解した見た目も美しいチャートや3Dグラフィックスを駆使した写真・動画にあった。直近のライブドア関係のものなんかも素晴らしい出来栄えであった。
その後に、「私的めもらんだむ」の見出しの下に時間を追っての、ご自身の厳しい生活のありようがつつみ隠さず書かれていた。愛猫たちへの思いが溢れていた。
私は、その貧乏生活ぶりを読者へのいささかの誇張と思って読んでいた。何故かというとこれだけ凝ったブログのページを日々アップするためには、とても半端な手間隙では済まないと、思ったからだ。
時間とお金が無くては、とてもできることではないと想像したのだ。今、上記の友人の方からの手紙を拝見して大変申し訳ないことをしてしまったと恥じ入る。
まさに、おーる氏は、命懸けでブログと取り組んでこられたのである。そこには、無責任な政治への怒り、真面目に働く人々の膏血を騙し取る巨悪への憤怒、その一方で癌を病む妹さんを案じ、野良猫を愛し、音楽を愛する詩人でもあったのだ。
ブログでは残念ながら、その顔も見えず、声も聞けない。だが私の脳裏には、ある一人の優しく繊細な心情を秘めた純粋無垢な好漢のイメージが深く焼きついている。
そして、氏は、ブログという新しい媒体を駆使した平成の最初の「私小説作家」ではなかったのかと思うのだが。それは「暢気眼鏡」の尾崎一雄とか、昭和の一群の貧乏を恐れず自己の内心の葛藤と現実の生活、時代との葛藤を命を懸けて書き綴った作家たちのように。
末筆ながら改めて、心から「新じねん」おーる氏のご冥福をお祈りいたします。合掌。
ー追記ー
「新じねん」 http://cox.jp/~gabana/index.html
http://blog.goo.ne.jp/gayuuan239/e/d2122b62e9013a67d8f6ba203222977b
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