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ウラ情報の流通事情 【東京新聞】
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投稿者 愚民党 日時 2006 年 2 月 25 日 08:09:00: ogcGl0q1DMbpk
 

ウラ情報の流通事情

 「堀江メール」問題では、追及に立った民主党の永田寿康衆院議員が雲隠れし、同党の責任先送りの姿勢に批判が集中している。発端は一通のメールだが、さまざまな疑惑に関するこうした玉石混交の「情報」は、永田町やメディア周辺などに飛び交う。時に“巨悪”を暴く端緒にもなりうるが、今回のケースのように、もろ刃の剣にもなる。「情報」流通の事情とは−。

 「あれっ、これおれが作ったヤツじゃあ…」

 十年前、当時警視庁クラブ詰めだったある記者は、知人の通信社記者から「これ知ってますか」とあるチャートを見せられた。作ったのは数日前。ゼネコンをめぐる経済事件で、捜査当局や関係者への取材を通して分かった資金の流れや人的関係を書き込んだものだった。

 「ある調査会社の知人に一枚だけ渡したものが、なぜ」と思っていると、今度は同僚記者が「兜町を回っていたら、こんなチャートが手に入ったんだが」とまったく同じものを持ってきた。さらに後日、経済誌が「捜査当局が作ったチャート」として掲載した。

 「さすがに笑うしかなかった」と振り返る。

 事件や疑惑を追う取材者なら、チャートや内部告発文のたぐいが関係者の間を飛び回っていることは、日々、実感している。

 有力週刊誌の記者は「霞が関や官邸筋の役人の間で出回っている文書というのもよく手に入るが、逆に言えばそれは出回っていて特ダネ性がない。ある意味ではそういう怪文書のたぐいが入手できることは前提として、その上でどれが信頼でき、面白い情報なのかを選ぶことになる」という。

 民主党国会議員の元政策秘書によれば、野党には政府や自民党の不正や疑惑に関する情報が多数寄せられる。封書やファクス、メールなど方法は多様だが、筋のいい情報はなかなかない。

 「信頼できるのは実名で情報を送ってきて、会って話せる人の情報だ。それでも数年間秘書をやって、議員の国会質問に生かせたものは一、二本。ただ、匿名の出所不明の情報にもすごい内容のものもある」

■実動部隊の秘書 問われる判断力

 むしろ問題は、調査の実動部隊となる秘書に取材能力や真贋(しんがん)を判定する能力がないことだという。

 「永田氏は裏取りの手足がないのに『すごい情報だ』って喜んじゃって、質問したんじゃないか」

 先の週刊誌記者も「巷間(こうかん)言われている元フリー記者がネタもとだとすれば、はっきり言って業界でいい評判はない。この情報に乗っていいのかどうか、そんな相談ができる記者が永田氏の周囲にいなかったのだろうか」と首をかしげた。

 一方で、「怪文書なんていくらでも作れる。選挙でどんなビラが飛び交うか見てみなよ」とうそぶくのは、九州選出の自民党国会議員の地元秘書だ。

 「あのメールは要するに武部勤幹事長に対する警告なんだろう。それらしい事実はつかんだが、肝心のブツ(物証)がない。じゃあメールを作るかって作られたんだろう。本来、委員会質問で振りかざすたぐいのものじゃなく、内々で攻撃材料にするような話」とうがった見方を披露した。

 「メール」をめぐる情報提供が国会質問に結びついた例は、最近もあった。

 今月一日、参院予算委員会で井上哲士議員(共産)が取り上げた米軍再編問題の質疑が、それだ。

 井上氏は「昨年十二月に防衛施設庁の地元調整本部事務局総括班長という方が関係者に出したメールのコピーがある」とした上で、こう追及した。

 「『米軍再編に関し地元議会が反対意見書を議決しそうな動きがあるか否か常にウオッチし、速やかに本庁担当窓口にお知らせ願いたい』『地元の小さな動きに対しても敏感に対応してほしいとの御指導もございます』と書いてある。御指導というのは防衛庁長官じゃないのか」

 質問の端緒について、井上氏は自らのメールマガジンで、「昨年十二月、“本庁地元調整本部総括班長”とされる人物O氏から肩書抜きの十五人あてメールのコピーが、手紙を添えて党に郵送されてきた」と説明。「関係者しか書けない文面だが、謀略の場合もある。偽物を使って質問したら、ひんしゅくを買い、攻撃の口実を与えることになる」と心境をつづった上で、「調査の結果、O氏は現職の本庁の課長で、十五人のうち十二人が現役の防衛庁幹部であることが確認できた」と書いている。

 さらに、その後も調査を続け、ようやく質問に立ったことを明かしている。

 長年、政官界の疑惑調査に携わっている政党職員の一人も、提供される情報は神経質に精査しないと国会質問できないと話す。

■知名度上がると頼まずとも届く

 こうした情報から質問実現にたどりつく“打率”は「せいぜい二、三割」という。「問題化させ、役所や企業の内部抗争に利用する情報提供者もいる。石橋をたたいてたたいて、壊す寸前まで調査しないと怖い」

 今回のメールをプロはどうみたのか。

 自民党の故中島洋次郎衆院議員=受託収賄・政党助成法違反の罪などに問われ一、二審で有罪、上告中に自殺=摘発の発端となる報道を手がけたフリーライター・田口芳孝氏はこう話す。「記者の場合、たとえ情報提供を受けても、疑惑の大本となる資料を入手するか、当事者や当事者に限りなく近い人物の証言を得なければ報道しない。今回の質疑には、そういう“におい”がしなかった」

 一方で、元公安調査庁職員でフリージャーナリストの野田敬生氏は「自分の体験では、知名度がある一定の臨界点を超えると、頼まなくてもさまざまな情報が入ってくる」と、情報集積の実態について説明する。

 「私もいわゆるブラックジャーナリストとか暴力団に近い人から話を聞くこともある。巻き添えが怖いから極めて慎重にならざるを得ないが、それでも非常に内容の濃い情報を含む場合があるから無視できない。持ってきた人間が怪しいから、とネタを捨てていたら本当に重要な情報を見落とすことだってある」

 インターネットの発達で「ウラ情報」のたぐいに一般市民が触れることも多くなった。耐震強度偽装問題やライブドア事件の裏情報を次々に掲載し、関係者さえ驚く内容として評価された「きっこのブログ」は代表例だ。ただし、野田氏はネット上の情報を過信することには警鐘を鳴らす。

■正体不明なのにネットは信用?

 「『きっこ』の正体とは何かと思い取材を始めたら、なぜか批判が多くなった。情報は正しいのだから、正体探しはおかしいというものだ。情報を出す側がどんな人物か調べるのは当然なのに、なぜ正体不明の人物の話を一般市民が真実と信じるのか不思議だ」

 今回の問題では、耐震強度偽装、米国産牛肉、ライブドアなど「四点セット」の追及が、トーンダウンすることも懸念される。

 前出の政党職員は「誤報を連発してしまうと議員や政党の品位にかかわる。そこは非常に怖いところだ。でも、及び腰になりすぎると、逆に国民から信頼されなくなる」と打ち明ける。

 メール問題については「武部さんの事案であるようで、武部さんの息子の事案でもあり、息子は一般市民だ。そこは悩ましい部分」とした上で、「だからといって、立証責任を追及する側に求める風潮を招いてはいけない。民主党にはこれで腰砕けになってもらいたくない」と話した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060225/mng_____tokuho__000.shtml

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