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堀江容疑者ら起訴
ライブドア 中枢“融解”
ライブドアが十三日、証券取引法違反の罪で法人としても起訴された。ライブドアの子会社・関連会社で上場している六社のうち、五社はすでにライブドアグループからの離脱を辞さない構え。ライブドアの平松庚三社長は同日、就任時に否定していた本体の身売りや社名変更の可能性にさえ言及を始め、“ホリエモン王国”は経営の中枢からも崩れだした。 （経済部・桐山純平、吉田通夫）
■加速
「就任直後には考えていなかったが…」。この日起訴を受けて記者会見した平松社長は、ライブドア本体の身売りの可能性を否定した三週間前の社長就任会見を軌道修正した。
ライブドアの象徴だった前社長の堀江貴文被告の逮捕を機に、グループ企業の離脱は加速した。離脱の先陣を切ったデータセンター運営の子会社、メディアエクスチェンジの吉村伸社長は「（事件で）信用力は最低」と憤る。事件の舞台となったライブドアマーケティングでさえ「ライブドアに経営を依存しすぎていた。反省している」（穂谷野智社長）と言いだすありさまだ。
さらに、証取法違反で法人のライブドアが罰金刑を受ければ、１００％を保有するライブドア証券の株式売却など、金融庁の是正措置を受ける可能性もある。金融事業を中核に置くという再建策も危うくなりつつある。
■不全
関係会社の離反について、平松社長は「事業のマイナスが出ていると報告は受けている。より良い道を探りたい」と述べるにとどまった。グループ企業の切り売りを否定していた就任当初に比べると、ここでもまたトーンダウンした。
前向きな経営戦略を打ち出せない背景に、信用失墜以外に業務の決定と監督を行う取締役会の機能不全がある。平松社長は社長といえど、株主総会で選任されていないため取締役ではない。堀江被告や宮内亮治被告ら三取締役が辞任したため、同社の取締役は商法上必要最低限の三人しかいない。
この日の会見に臨んだのも平松社長と清水幸裕副社長のみで、熊谷史人代表取締役ら取締役三人の姿はなかった。熊谷氏は会見時、地検特捜部で事情聴取を受けていたという。今後、さらに取締役が一人でも欠ければ、取締役会が開けず、経営が完全にまひする恐れもある。
新任の取締役を選ぶため、ライブドアでは臨時株主総会の開催も検討中。ただ、株主が約二十二万人おり「手続きで開催まで三カ月ぐらいかかる」（証券系シンクタンク）と時間的な余裕もない。
■逆風
平松社長はすでに、堀江被告ら起訴された四人のライブドア復帰がないことを明言している。しかも、堀江被告に逆風なのは、今年五月に施行予定の「会社法」で、法令違反による株式会社の取締役の資格制限に証取法違反が加わり、法的にも取締役復帰が遠のく可能性が出てきた。
商法の「会社」の部分を抜き出して関連法と一本化した会社法では、証取法違反を犯して実刑が確定した場合、刑の執行が終わってからさらに二年間、取締役に就く資格を失う。執行猶予付きの判決を受けた場合は、猶予期間が満了するまではその資格がない。
今回の罪の量刑は最高で懲役五年、刑に処せられてからの二年間が加わると、堀江被告ら四被告は最長七年の間、取締役に就けない事態も予想される。
「自分は正しいと思っても見方や状況で解釈が違う」。平松社長は、依然、起訴事実を否認し続けているという堀江被告をこう評し、ライブドアの惨状を招いた張本人に対して恨み節をもらす。堀江被告は証券市場を冒涜（ぼうとく）したしっぺ返しを、まさに自らの王国と自分自身にくらった格好だ。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20060214/mng_____kakushin000.shtml
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