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能登半島地震で被災した石川県能登地方で、少なくとも600の寺社が本堂が全壊するなどの被害を受けたことがわかった。
県指定文化財の白山神社(輪島市)の石造りの「五重塔」が崩れ、松尾神社(志賀町)の拝殿が傾いたほか、再建のめどが立たない寺社も多い。祭事も軒並み延期となり、住民生活の中心として存在してきた寺社の復旧が急がれる。
能登地方は、室町時代に蓮如の布教で浄土真宗が広まった歴史もあり、多くの寺社が建立され、寺社は信仰だけでなく祭事を通じて住民同士の結びつきを強める役割も担ってきた。しかし、復旧の支えとなる檀家(だんか)や氏子も被災し、寺社関係者は「とても協力をお願いできない」と頭を抱える。
門前町地区の曹洞宗・興禅寺。全壊した本堂は、36軒の檀家だけでなく、地域住民が集会場所に利用し、時には選挙事務所にもなってきた。がれきの山となった本堂は撤去され、残ったのは山門だけだ。近所の主婦小川昭子さん(66)は「お寺は公民館のような存在。これからは、町の人が集まりづらくなる」と残念がる。
鳥居が崩れ拝殿も傾いた同地区の櫛比(くしひ)神社は14日の祭りを延期。毎年7月、みこしを数百メートル離れた曹洞宗の元大本山「総持寺」まで運ぶ地区最大の「門前祭り」の開催にも影響が出そうだ。四柳一麿(よつやなぎ・かずまろ)宮司(59)は「氏子の助けを借りられる状況じゃない。人が住むところを何とかしなければ」という。
建物に被害が出た輪島市河井町の重蔵(じゅうぞう)神社や住吉神社でも、被災者感情を考慮し、4月上旬に行う「曳山祭」を延期している。
読売新聞の調べでは、能登地方に370の寺がある真宗大谷派(京都市)は、約300の寺で鐘楼倒壊などの被害があり、曹洞宗では約70寺のうち約60、真宗本願寺派(京都市)は40寺で被害が出た。神社も約200社が被災した。
(2007年4月15日3時8分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070415i501.htm