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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061007-00000068-mai-int
<パキスタン地震>復興、地域間で格差 印との対話も停滞
発生から1年たったパキスタン大地震。復興は各地で進むが地域間で格差が出るなどの問題点も浮かび上がっている。カシミール地方の領有をめぐって長年対立した隣国インドとの対話は、地震発生直後は進んだものの現在は停滞している。
この地震でパキスタンでは家屋60万軒が破壊され、約350万人が家を失った。学校7000校、8000カ所の医療機関も被害を受けた。
政府の地震復興担当組織「ERRA」のサラーム議長は「政府はトタン板などを住民に配布し住居の再建に取り組んでいる。すでに27%の住民が住宅再建に着手しており、医療・教育機関は仮設施設で活動を再開した」と復興ぶりを強調する。
しかし復興に差がみられる。支援が集中したカシミール州の州都ムザファラバードや北西辺境州のバラコットはがれきの片付けが始まっているが、山間部の村では崩れ落ちた住居が放置され、遺体の回収にも手が付かない。
失業率も高い。避難キャンプから山間部の村へ戻った男性は「わき水が止まり家畜の飼育ができなくなった。収入がなく、政府の自宅再建用の補助金は生活費に使ってしまった」と話す。
「約束された補助金が満額届かない」との声もある。国際的な民間援助機関「オックスファム」は今月4日に発表した報告書で、現場の政府職員の汚職を指摘した。
政府は復興費用を海外からの援助でまかなう方針だ。世界銀行や米国、日本など60以上の国、機関から67億ドル(約8000億円)の援助提供の申し出があったが、実際に支払われたのはわずか17億ドル。ムシャラフ大統領は5日「復興費は36億ドルから44億ドルに膨らむ」と早期の支援を訴えた。
地震はインドとパキスタンが領有を争うカシミール地方を直撃した。比較的被害が少なかったインドはパキスタンに支援物資の提供を申し出て、両国は事実上の国境である実効支配線(LOC)上の5カ所の国境検問所を開放した。
しかし昨年10月末にはインドの首都ニューデリーで連続爆破テロ、今年7月にはムンバイで列車同時爆破テロが発生。インドはいずれも「ラシュカレトイバ」などパキスタン側カシミールを拠点にインド側カシミールの分離独立を求めるイスラム過激派の犯行だと非難して、両国の関係改善は停滞している。【イスラマバード西尾英之】
(毎日新聞) - 10月7日18時44分更新