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台風13号 竜巻列車横転など爪あと 住民恐怖語る 宮崎
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竜巻とみられる突風で折れた電柱や壊れた車=宮崎県延岡市別府町で17日午後5時45分、関谷俊介写す
17日午後2時過ぎ、宮崎県延岡市緑ケ丘周辺で、竜巻が発生、屋根が吹き飛ぶなどして住宅多数が全半壊した。倒れた棚の下敷きになるなどして3人が死亡した他、約100人が負傷した。この竜巻による突風で同2時5分ごろ、JR日豊線南延岡駅付近で、別府発宮崎空港駅行き下り特急「にちりん9号」(5両編成)の先頭部2両が脱線し、横転した。乗客約30人のうち、5人が軽傷を負ったほか、運転士も軽いけが。延岡市災害対策本部によると、竜巻は市南部から市街地を北へ縦断、幅30〜50メートル、長さ7〜8キロにわたって被害が出ているという。
「にちりん9号」が脱線横転したのは、同市別府(びゅう)町の日豊線南延岡駅ホームの手前約400メートル地点。JR九州によると、午後1時31分、事故現場から約2キロ離れた地点の風速計が風速20.5メートルを記録したため、運転士に時速25キロ以下での徐行運転を指示した。同25メートルを超えると運行停止する規則という。同地点では事故当時、風速38〜40メートルを観測していた。
宮崎地方気象台によると、同市では当時発達した積乱雲が上空1万2000〜1万4000メートルにかかり、上昇気流や下降気流による空気の回転運動が起こり、竜巻が発生しやすい状況にあった。
同県延岡市を襲った竜巻被害では、台風襲来に備えていた住民にとっても、暴風の威力は予想をはるかに超えた。
空を舞う鉄板、砕け散るガラス、裏返る車。竜巻被害を目の当たりにした住民は、口々に恐怖を語った。
延岡市立南中の男性教諭(50)は、校舎1階の窓から一部始終を目撃していた。「突然、海の方から強い風とともに巨大な竜巻が現れ、東から西へ移動していった。50メートルほど離れた体育館のはるか上を、木切れや鉄板が舞っていた」。暴風は1分半ほどでやみ、急いで竜巻の方向にあった自宅に向かった。向かいのアパートは屋根が飛び、けが人が救急車で運ばれていた。「道端には瓦や木片が散乱し、見慣れた景色が変わっていた」
同校から約200メートル南西の市立緑ケ丘小は、体育館や渡り廊下の屋根が壊れ、校舎の窓ガラス数十枚が割れるなどした。近くのコンビニエンスストアの女性従業員は「店が大きく揺れて、地震かと思った。外へ出たら、目の前で駐車中の乗用車が風で1回転した」と話す。花岡道義校長は「夜には風雨が強くなるようなので、応急処置しかできない。19日までには何とか児童を受け入れられる状態にしたいのだが」と顔を曇らせた。
竜巻は同市の海沿いで発生し、脱線事故が起きたJR南延岡駅がある北西方向に移動したらしい。駅から約500メートル南にある自動車販売店は、風でショーウインドーのガラスが砕け、店が全壊した。従業員の黒地守さん(50)は、竜巻が瓦などを巻き上げながら向かってくるのを見て同僚2人を呼んで事務所のドアを閉めた瞬間、大音量とともにガラスが割れる音を聞いた。破片の一部は壁に突き刺さり「逃げるのが遅れたら危なかった。九死に一生を得た」。
南延岡駅の久永幹雄助役(54)は駅舎2階の事務室にいた。すさまじい風の音で竜巻の発生を知った。「窓の外を見ると、雨の中、ビニールや板きれが巻き上げられ、回転しながら空に上っていた。直後に博多の指令から脱線、横転の連絡が入った」と話す。
車内から負傷者を救出し、救急車の出動を消防に依頼。しかし、「(竜巻の)けが人で出払っている」と言われ、負傷した乗客はJR社員のマイカーや警察車両で病院に運んだという。
市内の病院には負傷した住民や乗客が次々と運び込まれた。しかし、停電で医療機器が使えなくなるなど一時混乱。けが人が県立延岡病院などに集中したり、CT(コンピューター断層撮影)などの医療機器がなく、転院せざるを得ない患者が相次いだ。
5人ほどが運び込まれた市医師会病院は午後2時ごろから停電に。すぐに自家発電に切り替えたが、レントゲン撮影ができないなどの支障が出た。
(毎日新聞) - 9月18日10時54分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060918-00000001-maip-soci