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□防災協定、阪神大震災時の7倍に 民間と連携の動き拡大 [朝日新聞]
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200609010048.html
防災協定、阪神大震災時の7倍に 民間と連携の動き拡大
2006年09月01日
コンビニからガソリンスタンド、不動産業者まで――。大災害の際、食料の確保や輸送などで民間の支援を求めるため、自治体が企業や業界団体と防災協定を結ぶ動きが加速している。朝日新聞が東海、東南海、南海地震にそなえる23都府県について集計したところ、様々な業種・内容で計581件の協定を締結。阪神大震災当時の7倍に増えていた。公共事業で有利になる協定も登場。民間協力の動きは今後も広がりそうだ。
東海地震の対策強化地域と東南海・南海地震の対策推進地域をかかえる東京都から宮崎県までの都府県の危機管理担当者に、協定の数や内容、締結時期などを尋ねた。
5年ごとの締結数をまとめたところ、80年代以降は10件台だったのが、阪神大震災後の95〜99年度に223件(全体の38%)と急増。00〜04年度も160件(28%)と多かった。さらに、05年度以降の1年余りで119件(20%)が新たに結ばれていた。
消防庁防災課の担当者は「04年に新潟県中越地震や台風23号被害などが相次ぎ、自治体がより危機意識を持った。昨年のJR宝塚線脱線事故での救助活動で、企業の社会貢献の機運も高まっている」と分析する。
最近、多いのがコンビニやガソリンスタンドによる帰宅困難者への支援だ。鉄道などの交通機関がまひした場合、歩いて家に帰る人たちに水道水やトイレなどを提供するよう求めている。東京都や愛知県、大阪府などの大都市圏の自治体が04年度以降、相次いでコンビニと協定を結んだ。
ローソンは98年以降、市区町村も含めて帰宅支援で22、物資供給で19の自治体と締結。中越地震の時には即席めんやカイロなどを市役所や県庁に運び込んだ。おにぎりは新潟市内の工場から、温度管理のできるトラックで1日3回に分けて配送したという。「まとめて運ぶと避難所に配るうちに傷んでしまう。各地に工場と輸送手段をもつコンビニだからできた」
京都府は昨年10月、災害時に道路や橋などの被災状況を調査し、応急復旧工事をしてもらう協定を府建設業協会と結んだ。調査費用は業者負担だが、あらかじめ緊急時の役割分担を引き受けた業者には公共工事の受注に必要な「経営事項審査」で加点されるメリットがある。
国土交通省が昨年12月、建設業法の規則を改正し、審査の対象に「防災活動への貢献」を追加したことを受けた措置。同省建設業課は「協定が普及してきたこともあり、審査項目に加えた」と説明する。
神奈川県は昨年11月、マンションやアパートの空き家情報を提供してもらう協定を県宅地建物取引業協会と締結した。民間の賃貸住宅は、災害時に自治体が借り上げて応急仮設住宅にすることができるからだ。仲介手数料や敷金の割引や免除をしてもらえないかも、協議中という。
消防庁は昨年9月、日本青年会議所の会員1927社を対象に防災協力の意識調査をした。94%の企業が災害時の救出、搬送に協力する意思を示し、72%が「地域の構成員として貢献したい」と理由を答えた。同庁は今年度、先進的な協定を結んでいる自治体に聞き取り調査し、全国にノウハウを伝える予定だ。
◇
■自治体が結んだ様々な防災協定の例
アマチュア無線で被災地の情報伝達(無線連盟支部)
漁船による物資輸送(漁協連合会)
競馬場を避難所などの災害拠点として提供(競馬場など)
ひつぎや葬祭用品の供給(冠婚葬祭互助会業界)
ミキサー車による消火用水の搬送(コンクリート業界)
道路の障害物の除去(JAF支部)
即席めんの提供(食品業界)
医薬品の供給(薬剤師会など)
医療救護班を被災地に派遣(病院など)