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http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20060805dde007030044000c.html
【北京・西岡省二】北朝鮮各地で先月中旬以来降り続いた豪雨により、大規模な水害が発生している。韓国の民間団体が「死者・行方不明者は1万人に達する」との見解を示す一方、中国の関係筋には「2万人を超える」との情報も伝えられている。インフラがまひして復旧作業は進まないうえ、伝染病の懸念もあり、被害はさらに拡大するおそれも出ている。
韓国の対北朝鮮人権団体「良き友達」の報告によると、北朝鮮全域での死亡・行方不明は1万人に達し、被災者は130万〜150万人に上ると推算される。また、黄海南道(ファンヘナムド)海州(ヘジュ)だけで200人以上の遺体が見つかった▽咸鏡南道(ハムギョンナムド)耀徳(ヨドク)郡のある地域では学校と住宅の2棟を除くすべてが砂利のようになった−−などの断片的な惨状も伝えられている。
また、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)機関紙「朝鮮新報」(電子版)は、平安南道(ピョンアンナムド)成川(ソンチョン)郡では先月14〜16日で285・3ミリの降雨量を記録して50人が死亡・行方不明になり、全世帯の13%に当たる1973戸の民家が被害と報じた。だが、北朝鮮での被害の全体像は依然はっきりしない。
先月下旬に黄海南道を訪れた中国政府関係者によると、同地域では下水道施設が不十分で、少量の雨でも3日程度降り続けばすぐに洪水になる。豪雨は現地で「水の爆弾」と呼ばれ、いったん洪水になると交通網が断絶され、食糧供給がストップする。この関係者は朝鮮労働党筋から「被害規模は死者1万人、行方不明者1万人以上」と伝えられたことを明らかにしたうえで「最大の問題点は適切な復旧手段が見当たらないこと。重機などはなく人手に頼っており、作業は非常に遅い。伝染病がまん延する恐れもある」と指摘した。
これらの情報が事実とすれば、緊急の人道支援が必要な状況だが、北朝鮮は国際社会に要請しないどころか、世界食糧計画(WFP)や韓国赤十字社による支援申し出も拒否している。
北京の西側外交筋は「ミサイル問題で国際社会との対立を深めている中で人道支援を受け入れれば国家の体面が傷つく。一方、金正日(キムジョンイル)総書記は表舞台から姿を消しており、指揮系統がまひしている可能性がある。いずれにせよ、置き去りにされた一般市民が気の毒だ」と話している。
毎日新聞 2006年8月5日 東京夕刊