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http://www.nishinippon.co.jp/nnp/science/20060628/20060628_002.shtml
熊本県を中心に26日、猛烈な雨を降らせたのは、梅雨前線の南側で湿った空気がぶつかり合って形成される「テーパリングクラウド」(ニンジン形の雲)といわれる雲だったことが、日本気象協会九州支社の解析で分かった。上空から見ると、ニンジン形の細長い三角形をしていることから命名された。三角形となる原因や詳しい発生メカニズムは分かっていないが、激しい雨を降らせ、出現予測が難しいことから「謎の積乱雲」とも呼ばれる。
同協会は、梅雨前線が停滞する今後1週間は、ニンジン形の雲が発生する可能性が高いとみて警戒を呼び掛けている。
同協会などによると、「テーパリングクラウド」は「だんだん細くなる雲」の意味で、ニンジン形のことを指す。発達した積乱雲の集まりで、集中豪雨や突風、雷を引き起こす。九州では2003年7月、福岡県太宰府市で土砂崩れによる死者1人を出し、福岡市の博多駅周辺が冠水した集中豪雨の原因となった。
今回の大雨で、熊本県山都(やまと)町で死者が出るなど最大の被害が出た26日。ニンジン形の雲は午前中、南北の湿った空気が衝突した東シナ海から内陸に向けて広がる形で現れ、熊本県北部や福岡県南部に1時間雨量が最大100ミリを超える猛烈な雨をもたらした。午後にかけ熊本県南部に移動した。「居座っていたらもっと被害が拡大した」(同協会)という。
今年は、南海上の太平洋高気圧の勢力が一定を保っているため、梅雨前線が例年になく九州に停滞し続けている。年間雨量の3分の1近く雨の降った地点もあり、土砂災害の起きる危険は高まっている。同協会は「前線の南側に当たる地域は、ニンジン形の雲に警戒を」と呼び掛けている。
=2006/06/28付 西日本新聞朝刊=
2006年06月28日06時32分