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「2.5GHzイス取りゲーム」が白熱・最後に笑うのは?【IT−PLUS】
総務省が5月15日に発表した2.5GHz帯の周波数割り当て案を受け、通信業界が一気に慌ただしくなってきた。与えられる枠は2つ。しかも、「3G携帯電話事業者や、3G携帯電話事業者が3分の1以上の議決権を保有するグループ会社は対象外」という条件が付けられたことにより、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、イー・モバイルの1社単独参入が事実上、困難になってしまったからだ。(石川温のケータイ業界事情)
この条件でもっとも有力とされているのは、ADSLのアッカ・ネットワークスと、PHSのウィルコムの2社。このままではこの2社に割り当てられる可能性が高いだけに、3G携帯電話事業者各社は、参入の枠組みを早急に編み出さなくてはならない。
■参入の道探るドコモ・KDDI
NTTドコモは6月19日の株主総会において、「(総務省方針への)パブリックコメントで『参加する機会を与えて欲しい』と表明している。3分の1まで出資は可能なので、参加できる道はあると考えている」(伊東則昭取締役執行役員)とコメントしている。
一方、「単独で事業を展開すべく準備を進めていただけに残念」と、正直な感想を漏らすのはKDDIの小野寺正社長だ。
KDDIは、高速無線通信規格「WiMAX」の普及を推進する世界的な団体である「WiMAXフォーラム」のボードメンバーを務めるなど、WiMAXには社運をかけてきたところがある。すでに、大阪でWiMAXとCDMA2000網とのハンドオーバー実験を成功させるなど準備を着々と進めていただけに、総務省の方針には暗澹たる思いがあるだろう。
KDDIは、総務省が6月15日まで募集していたパブリックコメントで反対の声を上げ、単独で参入できることに最後の望みをかけている。しかし、最終的に3分の1以下の条件が突きつけられたときに備えて、合弁会社などの設立準備も進めているようだ。
小野寺社長は「KDDIはWiMAXに関して高い技術開発力を持ち、経験もある。たとえ出資比率が3分の1になろうとも、KDDIが主導権をとってやっていけるはず」と話す。具体策は明かされなかったが、小野寺社長の心中には何かしらの秘策があるようだ。
KDDIには、トヨタ自動車、京セラ、東京電力といった近しい関係の会社も多いだけに、それらと組む可能性も考えられるだろう。
■手を組んだソフトバンクとイー・アクセス
一方、イー・アクセスが仲間として引っ張ってきたのがソフトバンクだ。両社は21日午後に記者会見し、WiMAXを実現するための検討を共同で進めることを明らかにした。事業化および、免許取得のために「フィジビリティスタディー(採算性、事業可能性の調査)」を行っていくという。
「すでに技術的に確立している3Gとは違い、WiMAXはまだまだこれからの技術。可能性がある半面、リスクも大きい。単独で取り組むのは困難でもあるので、ソフトバンクと組むことにした。孫ちゃんとはいつか一緒に何かをやりたいと話していた。どちらからというわけでもなく今回の話がまとまった」と千本倖生イー・アクセス会長。
21日の会見の終盤には、ソフトバンクモバイルの宮川潤一取締役専務執行役員CTOがサプライズゲストとして登場。ライバル同士が笑顔で写真撮影に応じるという異例の会見となった。
とはいえ、この2社の関係はまだ始まったばかり。イー・モバイルのエリック・ガン社長も「途中で別居する可能性もあるが、まずは同居してみましょう、という考え」と、話す。千本会長は、ソフトバンクだけでなく「他のキャリアが来ても歓迎する」とコメントし、仮にNTTが来ても受け入れる構えを見せている(現実的ではない話であるが)。
一方のソフトバンクモバイルも、「当社はWiMAXについて他事業者との連携も含め様々な戦略を検討している。今回のイー・アクセスとのフィジビリティスタディーもその一環である」という公式コメントを発表。ソフトバンクにとって、イー・モバイルは「One of them」「親友のうちのひとり」に過ぎないというスタンスのようだ。
http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=MMIT0f000022062007