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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070222-00000019-rbb-sci
国内の有力ブログと契約し、日本初のブログネットワーク企業として設立準備を進めてきたアジャイルメディア・ネットワーク(以下、AMN)が、今月13日に法人として正式に活動を開始した。それに伴い、22日に設立記者発表会が開催された。
会見には、代表取締役社長の坂和敏氏、取締役の御手洗大祐氏、取締役の竹田茂氏、取締役の織田浩一氏が出席。また、スタート時点からAMNに協力する12のブログのひとつである「ワークスタイル・メモ」の責任者である徳力基彦氏もプレゼンを行った(ちなみに出席した取締役のひとりである織田浩一氏も、協力12ブログのうちのひとつ「Ad Innovator」の編集長)。
最初に、アメリカのシアトル在住で、自身もデジタルメディアストラテジーズ社の代表を務め、「Ad Innovator」の編集長でもある織田氏が、アメリカにおいて金銭的にブロガーをサポートする広告ネットワークビジネスについて現状を報告した。日本ではブログというと、日記というのが圧倒的多数を占めるが、アメリカでは情報発信の場やメディアとして日本以上に重視されており、広告媒体としても活用されているとのこと。中には「Federated Media Publishing」のように、年間売上高1,000万ドルを達成しているブログネットワークビジネス企業もあり、日本もそうした環境が徐々に育ちつつあり、業界に影響を与えているブログが多数増えてきた、というわけである。そこで、AMNはビジネスにフォーカスした広告ネットワークを提供するため、代表的な12のブログと契約し、設立するに至ったとの説明であった。
続いて、代表取締役社長の坂和氏がAMNの事業概要を説明。同社のビジョンとしては、ブロガー、読者、企業の三者がそれぞれに利益を得られる形を成り立たせ、日本のブログをより面白いものにしたいと考えているとのこと。具体的には、ブロガーのエージェントとして、運営面、収入面で支援していくことで、ブロガーが読者に対する情報発信に集中できる体制を作るとしている。結果、広告を打つ企業にとっても、より費用効果が高くなるというわけである。実際の広告サービスとして現在考えられているのは、おなじみのラージバナー広告はもちろんのこと、「ブログ・オン・ブログ広告」がある。これは、協力関係を結んだブログのサイドバーに、ブログの件名および記事タイトルとバナーを組み合わせるものだ。
その後、ブログ・オン・ブログ広告については、「ワークスタイル・メモ」の責任者である徳力氏がプレゼンを実施。要する、ブログ・オン・ブログ広告とは、AMNのパートナーブログを通じて、企業のビジネスブログをブログ読者に紹介するというサービスである。もう少し具体的に説明すると、ブログ・オン・ブログ広告は、上側にビジネスブログエリアがあって、企業のビジネスブログの新着フィードおよびバナーがローテーションで自動的に表示される。下側はブログクリッピングエリアとなっており、パートナーブログの新着フィードおよびアイコンがローテーションで自動的に表示されるという具合だ。これにより、「ビジネスブログファン」を作ろうという狙いである。
しかし、結局のところ、ブログネットワークビジネスは、まだ日本では早いような気がしてしまうのは、気のせいだろうか。ブログは、個人が自分のペースで好きなように発信していくからブログだと思うのだが、AMNのパートナーブログになるということは、プロのメディアになる(を目指す)ということである。広告が入ることで、そのブログの信頼性が読者から失われる可能性はないか。また、ブログの運営活動で収入を得られることになった場合、どれだけそのブロガーがクォリティーやモチベーションを維持していけるのか。個人でブログを運営している場合、病気などで運営が不可能になった場合、契約的にはどうするのか。ほかが手を出さないうちに先鞭を付けておきたいということは十分理解できるが、正直、時期尚早、現段階ではかなり難しそうに思えてしまった。
とはいうものの、ネットビジネスに関わるものとして、がんばってほしいと思う。ブログの運営で生活していきたい人は、ぜひとも注目してほしいニュービジネスなのである。