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http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000004612
あの2ちゃんねる(2Ch)が閉鎖されるのか? 先週12日のZAKZAKの報道(債権者である東京都会社員が2Ch管理人の全財産仮差し押さえを申し立てた)と、今週16日の夕刊フジの報道(埼玉県会社員が2Chの第三者破産を申し立てた)によって、日本を駆けめぐったこのニュースは、ねらー(2ちゃんねらーの略)はもちろん、ネット界全体を震撼(しんかん)させました。
今現在もさまざまな憶測が飛び交っていますが、実際に2Chは閉鎖されてしまうのでしょうか?
J−CASTニュースは、ITに詳しい壇俊光弁護士の「100パーセント無理とは言えないが、今回はあまりにも多くのハードルがある」と2Ch封鎖に否定的なコメントを紹介しています。閉鎖などされない、というわけです(「『2ちゃんねる』閉鎖これはギャグなのか」)。
http://www.j-cast.com/2007/01/15004882.html
また、ITメディアでは、南山大学法科大学院の町村泰貴教授も同様の論調で次のように答えています。
「まず(2Chのドメインを管理しているという)VeriSignはアメリカの会社ですから、日本の裁判所に強制執行の管轄権があるかどうかが怪しいです。仮に日本の裁判所に管轄権があったとしても、VeriSignに差し押さえ命令を送達しなければなりませんから、これは困難で長時間を要します」(「2Chドメイン差し押さえ『現実的でない』と専門家、過去に例もなし」)
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0701/15/news094.html
しかしながら、2Ch草創期にひろゆき氏(2Ch管理者の西村博之氏)をNHKに紹介したり、2Ch運営について各種アイデアを提供したといわれる御堂岡啓昭氏は、ドメインネームの紛争処理に関する次のような見解を mixi の日記に示しています。
「ドメインネーム紛争は意外とよく起きるので、各機関が連携して、各国の判例に応じた対応もしています。あくまでガイドラインですが、ドメインネームは土地登記簿のような法的にきっちりとしたものでもないため、一定日数以内に、片方が裁判所からの証拠を提出して、相手側からの抗弁や裁判所などからの公的証拠が無い場合には、あっさりと移転させられてしまいます。以前、ヤフーオークションでドメインネームをオークションする人たちが消えたのはそのせいです」
「サーバーはもちろん差し押さえが不可能です。壇弁護士はその辺りを勘違いしておられるようです。2Chによく壇弁護士のリンクが張られていて、間違った解釈がされていますね」
御堂岡氏はその後、本件と関係のある2Ch関係諸氏の勢力図を描いた後、次のように続けています。
「差し押さえた男性は、サーバーなどは差し押さえ出来ない事は当然知ってると考えられ、2Chのドメイン紛争に勝利して、その移転後に意見広告を打つのではないでしょうか? このラインで行くならば、雑誌の謝罪広告と同じで非常に正当な方法だと考えます。さらに、意見広告の下にページビューあたりの広告でも、アフィリエイトでも設置すれば財産価値も出るでしょうし、1年もたたないうちにペイする可能性もありますね」(以上、同氏日記から、同氏の同意を得たうえで引用)
つまり御堂岡氏によれば、2ChのURLが変わる可能性は確かにあり、現行のサーバー群はほかのドメインを使わざるを得なくなるということのようです。
御堂岡氏はまた、別の日記で町村教授の法解釈に疑問を呈しています。
「『ドメイン名の使用差し止めを命じる仮処分なら、外国では例があります』との事ですが、これも、明確に裁判の決定があったから、すなわちドメインネーム停止になった訳でもありません。その国での法廷での判例が提示され、互いの証拠を提出しヒアリングの結果、停止になったのです。つまり、インターネットの国際的な分野では、『確からしい公的な証拠』を出せる方が圧倒的に有利になります」
「英文訳を付けて、会社員サイドが申し立てを海外に書類送付すれば、(2Ch運営側に)ヒアリングや書類送付の請求があり、それで(2Ch運営側は)証拠が出せませんから、ドメイン所有が会社員に移転してしまうことでしょう」
では一体、2Chは今後どうなるのか。ソーシャルネットワークサービス(SNS)を通じて知り合った御堂岡氏にメールで少しお聞きしてみました。
* * * * * *
――2Chはこれまでもドメインの変更やサーバーの移転を経験してきましたが、今回はそのすべてのURLが変わる可能性があるということですか?
「草創期もaisnetというプロバイダーからohayou.comへ移り、2ch.netに移りましたが、それと同じ事をするだけではないでしょうか。会社員側に対しては謝罪広告に近い意見広告を載せられる事と、これまでのページビューのある程度を保持出来るメリットがありそうです。2Chは、草創期のようなURL変更という事になるのではないでしょうか」
――サーバーの移転はうまくできるんでしょうか? ねらーはうまく移動すると思われますか?
「サーバーの移転は難しくないですよ。ただ、携帯ユーザーが激増している昨今、PCビューアーのない携帯ユーザーはどこに移ってしまったのか、数日とまどうとは思われます」
――この機会に、例えば維持することによって法的に不利になるような板(掲示板のスレッドのこと)などが閉鎖されるという観測もありますが?
「法的に不利になる板と言っても、日本のコンビニで売っている政治家や芸能人の中傷を書き連ねている本や雑誌よりひどい物はほとんど無く、あっても1パーセント程度です。ただ、一般人を攻撃するスレッドはこの際に落とした方が良いとは考えられます。これを機に、公人と私人の区別をしっかり付けるというのも良いのかなと思いますよ」
――運営に飽きたとも報じられているひろゆき氏が、この機会に2Chを見捨てる可能性はどうでしょうか?
「僕は2Ch草創期に、広告代理店の設置と各種メディアによるパブリシティーを提案しました。現在では、マリオネットコーポレーションなどが大きく広告を取って成長しています。万が一、ひろゆき氏が2Chを見捨てても、みこしに乗る人を誰か別に設定して、2Ch周辺ビジネスの生き残りをはかることが考えられます」
――今回の訴えを起こした会社員は並々ならぬ執念を持っているように思うのですが、ねらー全員といわゆる“ひろゆき軍団”を相手にして、勝ち目はあるのでしょうか?
「生き残りを賭けなければいけないのは2Ch周辺ビジネスですよね。現在はmixiもヤフー掲示板など、多くのコミュニティーサイトが有りますから、2Chユーザーはともかく楽しい所に行くのではないでしょうか? 何か和解案のウルトラCが出る事を祈っています」
――2Ch内でも閉鎖反対運動が起きているようですが、あれは一体誰に対して何をしてほしいということなんでしょうか?
「何の意味も無いですし、止めて欲しい。それよりは一般社会にもっと受け入れられるように、例えば一般人を攻撃しないような削除基準を策定すべきでしょう。車に乗ると人格が変わると言われるように、仕組みは人格を変えてしまう事が多々あります。2Chも、草創期は画期的な削除基準があったのですが、今では古びてきました。時代の空気とともに仕組みを変えていく事が必要です。何かに反対ということよりは、新しい基準作りを考慮する時期にあると考えています」
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ZAKZAKによれば、対2Ch側のDデーは、早ければ1月22日−26日の週とのことです。最終的に、何がどうなるのか、どこが落としどころなのか。日本最大の掲示板の混迷を、わたしたちは見守っています。