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「mixiを抜く」と孫社長 MySpace日本版の武器は「音楽」
「eBayのように、海外から日本に来たサービスで成功しなかった例もある」という記者の指摘に対して孫社長は「成功したものは、ソフトバンクと提携したもの。eBayはソフトバンクでなかった」と笑った 写真:ITmedia
「SNSでも一番を目指す」――ソフトバンクの孫社長は11月7日、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の世界最大手「MySpace」の日本版展開に関する記者会見でこう宣言した。高いカスタマイズ性と充実した音楽コンテンツを武器に、mixi一人勝ちが続く日本のSNS市場に殴り込みをかける。
MySpaceは2003年7月に米国でオープンした世界最大のSNSで、約1億2500万人が登録しており、現在も1日30万人のペースでユーザーが増え続けている。招待制のmixiと異なり、誰でも自由に参加可能。米国、ドイツ、日本など7カ国、4言語で展開中だ。
サイトデザインを比較的自由にカスタマイズできるほか、動画や音楽などリッチコンテンツを手軽に公開できるのが特徴。米国では、マドンナやU2、ビヨンセなど有名アーティストが多数参加して楽曲を公開しており、登録アーティストの数は約300万。これがユーザー拡大のドライブになっている。
国内では、MySpaceを保有するNews Corp.グループとソフトバンクが折半出資して新会社「マイスペース株式会社」を11月中旬に資本金約5億9000万円(資本準備金も同額)で設立し、日本語版の運営にあたる。社長にはソフトバンク・ヒューマンキャピタル代表取締役の香山誠氏が就任する。
日本版は、日本のユーザーのニーズに合わせたローカライズを行っていく。収益は広告からあげる予定。米国では、商品やキャラクターなどにユーザープロフィールやブログを持たせ、ファンに「フレンド登録」してもらってプロモーションするといった手法や、動画を口コミで広めてもらう手法などが定着しつつある。
●mixi対抗戦略は
孫社長は「日本のインターネットが始まって10年経った。これからはWeb2.0。新しいインターネットが始まろうとしている。MySpaceは日本で新しいインターネットを広める起爆剤になるのでは」と期待を込める。
ここ数年、国内ではSNS参入が相次いでいる。韓国最大のSNS「Cyworld」や、ヤフーの「Yahoo!Days」など大手も次々参入してきたが軒並み苦戦しており、最大手のmixiの地位は揺るがない。ミクシィの笠原健治社長が話す通り、SNSはネットワーク外部性が顕著に働くサービス。参加者が増えるほど利用価値が高まるため、高機能な新しいSNSができても、ユーザーは容易には乗り換えない、という特性がある。
孫社長は、mixiとの差として、機能とオープン性を強調する。「mixiを含む日本のSNSは、クローズドで定型フォーマット。だがMySpaceはオープンでワールドワイド。デザインも自由に変えられる。マルチメディアを利用でき、1回使うと良さを感じてもらえ、使ってみて感動したユーザーが口コミで広めてくれるだろう」(孫社長)
米国同様、アーティストを集めてユーザーを惹き付ける作戦だ。すでに中島美嘉さんが参加しているほか、MySpaceユーザー限定のシークレットライブ第1弾として、オアシスのノエル・ギャラガーとゲムによるシークレットライブを11月15日に都内で開き、ユーザーを600人限定で招待する。日本のアーティストのイベントやシークレットライブも行う予定だ。
米国版では、アーティストが自身の楽曲をストリーミング配信するサービスを行っているが、日本版でも同様なサービスを展開する予定。著作権管理団体やプロダクションなどと話し合い、適法に楽曲配信していくという。
●SBモバイルやヤフーとの関係は
携帯電話はキャリアを問わず対応していきたいとしているが、「実は、2年前から携帯用SNSを開発してきている」(孫社長)といい、開発済みのサービスをベースに、ひと足早くソフトバンクモバイル向けに携帯サービスを展開する可能性があるとした。「KDDIさんがSNS『EZ GREE』を発表しているが、当社も携帯対応は積極的にやっていきたい」(孫社長)
ソフトバンクグループのヤフーが展開するSNS「Yahoo! Days」とは直接のライバルになるが、提携などについての話し合いはまだ行っていないという。「さまざまな可能性がある。今後、ソフトバンクを間に挟んでwin-winの関係が築ければ」(孫社長)。ポータルとしてのヤフーとの競合の可能性については「ヤフーは総合デパートだが、MySpaceはSNSとして伸ばす」と語った。
●セキュリティ対策は
米国MySpaceは“出会い系”のように使われて子どもが犯罪被害にあうケースが報告されているほか、mixiでは個人情報を安易に公表し、ユーザーが問題に巻き込まれる事件も起きている。MySpace日本版は米国版と同様、参加は14歳以上に限定するほか、セキュリティ担当者を配置するなどし、ユーザーの安全を守る方針だ。
「ネットサービスは、年齢などで制限をかけている場の方が少ない。まずは制限をかけることが第一歩。その後、テクノロジーなどを活用して対策していく」(孫社長)
来日したNews Corp.のルパート・マードック会長兼CEOは「孫さんは世界有数のビジネスプレーヤー。日本は、ネットマーケットもネット広告市場も米に次いで2位。MySpaceの大きなユーザーベースになる。成功を確信している」などと期待を語った。
MySpace共同創業者のクリス・デウォルフCEOは「今年の課題は、国際展開しているすべての国でナンバーワンにすることだった。5カ月前までは日本の展開をどうすべきか分からなかったが、日本のユーザーを巻き込むためにすばらしい提携ができた」とコメント。News Corp.のピーター・チャーニンCOOは「日本の文化を尊重したローカライズを行っていきたい」と方向性を示した。
http://www.itmedia.co.jp/news/
(ITmediaニュース) - 11月8日11時36分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061108-00000041-zdn_n-sci