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http://www.yukan-fuji.com/archives/2006/09/post_6871.html
韓国では最近、朝の通勤風景が変わってきた。通勤電車の中で新聞をざっとながめ、会社に到着したらインターネットのニュースサイトで気になる記事をじっくり読む、というのが一般的なサラリーマンの朝だったが、最近は電車内でPDA(携帯情報端末)やPMP(ポータブル・マルチメディア・プレーヤー)をのぞき込む人の割合がかなり増えてきた。
地下鉄やバスで移動しながらでも高速無線LANが利用できる「Wibro」や、携帯電話から定額で高速通信を利用できる「HSDPA」が商用化されたため、通信費を気にすることなくネットにアクセスできるようになったのがその理由だ。また、DMB(モバイル放送)に加入すれば、携帯電話でもさまざまなジャンルの動画が閲覧できる。
こうした風潮を新聞社も無視することはできず、さまざまな機器から閲覧できる動画ニュースの配信に力を入れている。
新聞社で初めて動画ニュースを提供したのは朝鮮日報だ。2004年8月に「朝鮮ドットコムTV」を開設し、記者が専用スタジオからニュースをアナウンスしている。総合ニュース、インタビュー、スポーツ、芸能など900件以上の動画ニュースが、自社サイトだけでなく衛星放送や地下鉄車両内のモニター向けにも配信されており、予想を超える人気を博している。そのため現在、スタジオの拡大工事に取り組んでいるという。
同社は、希望する記者全員にビデオカメラを支給。記者は新聞取材のかたわら動画も撮影し、署名記事の下に必ずアドレスが表記される記者ブログの更新も行っている。文字通り休む間もない忙しさだ。
中央日報も今年7月、動画ニュース「JoinsTV」
をオープンした。朝鮮日報と同じく、記者が撮影した動画ニュースを配信している。またAP通信とも契約し、海外の動画ニュースをほぼリアルタイムで提供している。さらに、DMB向けのサービスも配信している
朝鮮日報の関係者は「新聞記事がすべて動画になるというわけではないが、ユーザーが動画を望んでいるのは間違いない。3大紙と言われる朝鮮日報、中央日報、東亜日報はいずれも専用スタジオを作り、動画ニュースに力を入れている。その3紙よりもシェアが低い国民日報も、動画ニュースがヒットしたおかげでインターネット新聞としてはパワーがある」と語っている。
米国でも、ワシントン・ポスト紙が記者にビデオカメラを支給し、動画ニュース制作に取り組んでいるという。テレビニュースよりも詳細でわかりやすい解説をしてくれる新聞社の動画ニュースは若者だけでなく、小さい文字が読みづらくなった高齢者にも人気がある。将来的には、テキスト版のニュースサイトよりも“動画新聞”のほうが人気になるかもしれない。
(2006.08.29紙面掲載)