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Kimの韓国最新PCゲーム事情#592
CYKAN記者懇談会後の会談で,元Gravity会長が爆弾発言(2006/8/31)
Text by Kim Dong Wook特派員
先日,元Gravity会長の金正律(キム・ジョンリュル)氏が設立したCYKAN Entertainment(サイカン・エンターテインメント)の記者懇談会の模様をお伝えしたが,その記事中でも触れているように,懇談会後,ゲーム関連メディアを対象とする会談も行われた。そこでは,記者懇談会では語られなかった,金氏とGravityに関する秘話も飛び出したのである。
金氏によるGravity経営時代に,ハリウッドから「Ragnarok Online」(邦題 ラグナロクオンライン)の映画化提案を受けたことや,「Paper Man」の版権をGravityから5億ウォン(約6072万円)で再購入したことなど,ゲーマーからすれば実に興味深い話が聞けた。
また,Gravity売却に関係するところでは,「最初にソフトバンク系列企業から売却の提案を受けたとき,私が提示した金額は1兆ウォン(約1215億円)だった。その頃,ガンホー・オンライン・エンターテイメントの売上の99.8%はRagnarok Onlineによるものだったから,1兆ウォンという提示額は妥当だったと思う」と,具体的な金額について言及していた。
2時間程度の金氏との会談において,最もショッキングな内容だったのは,「Gravity売却にかかわる陰謀」に関する話だ。この話題は,韓国メディアを非常に緊張させる内容であった。
金氏は,自分が刑事告発されたことは,Gravityの現経営体制による陰謀だと主張したのだ。彼は,「刑事告発の原因となった60億ウォン(約7億 2900万円)の横領疑惑は,Gravity売却以前から,ソフトバンク系列企業も認知していた事実」と述べた。売却前にその事実を知らせたし,それに関する責任を後に問わないことを要求したという。
Ragnarok Onlineについては,「三星電子とYNK KOREAから投資を誘致したときの条件が,収益の50%を支払うことだった。同作の海外輸出から得た収益を両社に支払っていたので,Gravityの経営資金がかなり不足していた。その対応として別途の資金を置いたことが横領として扱われたのだ。もし私が横領をしようとしていたのなら,どうして2002 年と2003年にだけ,資金を別にしたことを漏らしたというのか」と主張した。なお,金氏は横領の噂が流れてから,60億ウォンに利子を加えた78億ウォン(約8億7500万円)の税金を納付している。
また金氏は,Gravityから刑事告発を受けた件について,非常に悔しい思いをさせられたと訴えた。刑事告発そのものについては,「疑いがない」ということで両者が合意したが,最近,Gravity側で当時の事件について再調査要請の動きがあるという。その噂に対し,金氏は「最悪の場合,隠していた“最後のカード”を公開することになる」と,穏やかでないコメントを発している。
なお,今回の金氏の発言についてGravity側に話を聞いてみたところ,柳日栄代表は同社広報チームを通じ,「現状私からは,あまり言いたいことはありません。Gravityとしては,いつかその時期がくれば,正式な発表をすることになりますが,今回の発言に合わせて対応するのは,不毛な消耗戦を招くだけだと思っています」とコメントした。
会談そのものは,CYKANの公式発表に関するものだったのだが,結果的には,金氏と Gravityに関わる遺恨を語る場になってしまった感がある。今回の金氏の「爆弾発言」により,両者の争いが再燃する可能性もあるだろう。今後の動向を注意深く見守っていきたいところだ。