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"グーグル村上社長に聞く、「グーグル脅威論」は時代遅れ
グーグルをめぐる評価が揺れている。インターネットの新潮流「ウェブ2.0」の旗手として絶賛される一方、社会的、経済的な影響力の大きさから「グーグル脅威論」を唱える声や、逆に成長の限界を指摘する声も出始めた。一部のサイトが検索結果に表示されなくなっていることが明らかになった問題について、グーグル日本法人の村上憲郎社長は「(グーグルについて)面白おかしく書くメディアがある。特権を持って恣意的に削除しているというのは誤解だ」と反論した。IT PLUSが村上社長に課題への認識をインタビューした。
――グーグルの検索結果表示の削除ルールが「恣意的だ」「わかりにくい」との意見がある
検索機能の利便性をさまたげるような行為に対しては異議を申し立てると我々のホームページ上でも明記している。どういう基準で削除しているかは、かなりつまびらかに公開しているつもりだ。「不当に削除された」という人がいるが、中立公正に処理している。一部の事例を取り上げて面白おかしく書かれていることがある。もっと冷静に事実を伝えてほしい。
削除の基準や手法をあまり詳細に公表し過ぎるのも問題だ。検索結果を意図的に操作しようとする人は残念ながら技術力が高く、仕組みを明かすとすぐに対抗策を取られてしまう。一定以上の情報開示ができない理由も分かってほしい。
――米国企業であるグーグルに、ネットの根幹部分を支配されることを心配する人もいる
企業の国籍で物を考えるという、そういう発想自体が時代遅れだ。確かにグーグルは米国に本社があるが、もはやグローバル企業だ。企業の国籍は本社所在地なのか、株主の国籍なのか、売上高の多い国なのか――。この種の議論は実情に合わなくなってきている。
――マスメディアなどコンテンツ業界はグーグルによる「無料化」を恐れている
検索対象が画像、ニュース、動画、本などと拡大してきただけ。グーグルが自らコンテンツを抱えることはない。ポータルサイトと違って、コンテンツに対する「目次」の機能すらない。「ロングテールによる広告収入で、すべての機能を無料で提供する」という、「グーグルモデル」としか言いようのないビジネスだけに、誤解されることも多いが、既存メディアとは共存するビジネスだ。
「世界中の情報を組織化して検索しやすくする」という思想は、1995年に米スタンフォード大でグーグルが生まれたときから一貫して変わらない。広告ビジネスについても、日本ではまだ全広告市場の4―5%程度のネット広告のうち、ほんの一部を頂戴しているに過ぎない。
――収入のほぼすべてを検索連動型広告に頼っていることに対して「いずれ成長の限界が来る」との見方がグーグルの株価急落につながった
グーグルの幹部がいろいろ発言した中で「いずれ成長が鈍化する」という一部だけを切り取って報じられたために誤解が生じた。グーグルの株式公開(IPO)の目論見書の中にも「グーグルは長期的利益を目指すので、短期的利益を狙う人は株を買わないでほしい」という趣旨のことが明記されている。瞬間風速で株価が上下することはあるとはっきり宣言しているのだ。
従来型のテキストコンテンツに対する検索連動型広告はもちろん重要だが、今後は動画や書籍といった、違うメディアへの取り組みを強化する。映像コンテンツに対して関連性の高い広告をリアルタイムに抽出して表示するといった新たな広告手法も可能になる。従来のメディアを切り崩すのではなく、メディアのお手伝いをしながら全体のパイを広げていきたい。
――米国では動画配信の試験サービスを始めた
日本でも一刻も早く始めたい。既に日本からのコンテンツも数多く登録されているが、日本語で検索できるようにしていきたい。ただ、日本では著作権処理などの関係で地上波の放送番組を配信することがまだ難しい。政府で進めている、通信と放送の融合に関する議論に期待しているが、しばらく時間がかかりそうだ。
――検索サービスのシェアは米国でトップだが、日本ではヤフーの背中が遠く「万年2位」に甘んじている。将来日本でヤフーを超えることはあるのか
ヤフーの日本での取り組みはすばらしいものがある。難しいとは思うが、ひたすら負けないように魅力的なサービスを出していきたい。
同じグーグルでも、英語でしか提供していないサービスも多い。日本での品揃えを充実させていきたい。今のところ、「ヤフーで間に合う」と言われてしまうのが正直なところだ。検索の精度という根本的な品質を追求することはもちろん、ヤフーでは提供できないような、ユニークなサービスを手がけていきたい。
(2006年5月17日/IT PLUS 重森泰平)"
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMITbe000016052006
コメント:
今頃になって6年くらい前に終わった脅威論を持ってきてる人もいますがね、何を今更……気づくの遅すぎって感じ。もうその話、終わったんですけど。。
『削除の基準や手法をあまり詳細に公表し過ぎるのも問題だ。検索結果を意図的に操作しようとする人は残念ながら技術力が高く、仕組みを明かすとすぐに対抗策を取られてしまう。一定以上の情報開示ができない理由も分かってほしい。』
まったく同感ですね。グーグルを素朴に責めても仕方ない。「じゃあこうしろ」と代替を提示しないと意味ないし。
日本に「ネットの中立性」の概念が登場するまで解決しないかも。