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お粗末極まれり! 都議会のオール与党化 2007/06/22
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議会は行政をチェックするためにある―などと学校の教科書のようなことを言うつもりはない。だが、共産党をのぞく全ての主要政党がここまで知事ベッタリだと「大政翼賛会」のようでそら恐ろしくなる。東京都議会のことである。
21日、経済・港湾委員会で築地市場の豊洲への移転問題が審議された。東京都の計画によれば、豊洲へ移転した築地市場の跡地は「2016年東京オリンピック」のプレスセンターとなり、その後は民間に売却される。銀座に隣り合う1等地は約2兆円の値がつくものと見られている。
ところが東京ガスの都市ガス製造工場があった豊洲の土壌には、環境基準を大幅に上回る毒性が含まれていることが明らかになっており、4月の東京都知事選挙でも大きな争点になった。移転反対の声は石原支持の都民の間にも多い。
石原慎太郎都知事の「夢」のためにも難航する移転問題に早くケリをつけたい。21日の経済・港湾委員会では、都議会の与党議員たちの思惑が露骨に表れた。与党とは自民・公明・民主である。
口火を切ったのは鈴木章浩委員(自民)だった。豊洲の用地取得、護岸工事などで多額の費用を投じたのだから早く移転すべきだ、と述べた。
次に質問した門脇ふみよし委員会理事(民主)は、専門家会議がなおざりであることの批判から話し始めた。専門家会議とは豊洲の環境問題を考える学識経験者の会議のことである。5月19日の第1回会議ではメンバー4人のうち1人が欠席、さらに1人が早退というお粗末さだった。
御用会議とも指摘されており、筆者は「いい所を突くじゃないか」と思った。だが期待は数分も経たないうちに裏切られた。門脇理事(民主)は、オリンピックを持ち出して移転を促したのだ。民主党はオリンピック誘致に賛成しているので別段驚きもしなかったが、ここまであからさまに石原知事の妄想に乗っかるのか、と呆れ返った。この人は本気で2016年に東京にオリンピックを誘致できると思っているのだろうか?
あげくに行政側から豊洲移転の「強い決意表明」まで引き出した。これには恐れ入った。「よっ門脇先生っ、いい質問してくれるね〜」自民・公明議員から称賛の声が飛んだ。
遠藤守委員(公明)は、豊洲移転は石原知事のトップダウンと批判する向きがあるがそうではない、と述べた。「自民党以上に石原寄り」と言われる都議会公明党の姿があった。
唯一、都民の立場に立っていたのは小竹ひろ子委員(共産)だった。東京ガスの地質調査のズサンさをデータを挙げながら丁寧に質問し、再調査の実施を迫った。
行政側は「法律にのっとって進めており……」などと官僚答弁を繰り返すだけだった。
「都議会のオール与党化」は言われ始めて久しい。だが日本中の食卓に影響がある築地市場の移転問題を扱っているのだ。それにしては、あまりにもお粗末な議論だった。
国会は注目されるが、地方議会はあまり注目されない。その陰で緊張感のない議論を繰り広げられたのでは、納税者はたまったものではない。
(田中龍作)
JANJAN
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