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http://news.livedoor.com/article/detail/3031938/ から転載。
きょう神戸空港開港1周年。利用率低迷で、箱物行政のつけは誰に
写真は、神戸空港。(撮影:渡辺直子、10日)
【PJ 2007年02月16日】− 神戸空港が開港されて16日で1年を迎えた。神戸空港建設においては、計画段階の1998年ごろから、その是非が問われ、作家・田中康夫氏(新党日本代表)は1998年、「神戸市営空港建設の是非を考えましょう」と神戸市民らに呼びかけ、精力的に署名活動をされたそうだ。田中氏は自書「日本を」MINIMA JAPONIA (ミニア・ヤポニア)(講談社:06年6月14日発行)で、神戸空港建設反対理由をつぎのように語っている。
田中康夫氏の空港建設反対の理由
「六甲山の裏側の山陽道や中国道との分岐点近くには、広大な未利用地があります。200歩譲って、『どうしても空港がほしい』というのであれば、その場所に造れば、10分の1以下の300億〜400億円で建設できます。しかもそれは机上の理論としてですが、高速道路と直結するカーゴ空港を目指すこともできるのです。にもかかわらず、神戸港の沖合を埋め立てる。それはすなわち、返せなくなった3兆円もの巨額の借金を返済するための自転車操業的な発想だ。それは被災地・神戸にとどまらず、箱モノ行政が続く日本全体の問題であると、私は考えたのです。私が空港建設反対を叫び、そして、空港建設の是非を問うための住民投票条例を求める署名活動に主体的に関わったのは、ごく自然の流れでした」
「結果、署名の数は35万2755件にも脹らみました。人口およそ150万人、有権者数が110万人の神戸の街で、これだけの人々が自分の氏名を書き、住所を書き、生年月日を書いたうえに、印鑑か拇印までついて空港建設の是非を住民投票で問うべきだと意思表示をしてくれた。その前年に、笹山幸俊・神戸市長が市長選で獲得した27万票を大きく上回る署名です。それだけ多くの神戸市民が、自分の名前を名乗って、市当局の政策にノーの意志表示をしたのです。ところが、驚くなかれ、神戸市長も神戸市議会も、この住民の声を無視し、住民投票条例案は否決され、空港建設という既定路線を変えようとしませんでした」
田中氏の空港建設反対理由を裏付ける、神戸空港の実情が、開港10カ月後に神戸市議会で示された
田中氏は10年前から、神戸空港建設はいわゆる「箱モノ行政」である点を強調されていたのだ。当時の田中康夫氏の訴えを証明づけるかのように、06年11月30日(開港10カ月後)に開かれた神戸市議会において、神戸市議・段野太一議員が、神戸市長に次のように質疑した。
段野太一議員の神戸市長に対する質疑
「わたしは、日本共産党議員団を代表して市長に質疑いたします。神戸空港が2月16日に開港され、10カ月が経過しました。2月から10月までの空港利用状況をみますと、平均乗客数は一日あたり7533人、従って年間にすると270万人にしかならず、開港時の需要予測319万人を50万人も下回ることが予測されます。この結果、神戸空港利用者が、大阪や和歌山にも及ぶなどとした『需要予測』が、多くの市民が指摘したとおり、過剰であり、破綻したことを証明しています」。
「また、貨物量も一日平均62トン。年換算すると2万2800トンにしかならず、目標とされた年間4万1300トンの55.2%という状況であります。ちなみに、この年間4万1000トンという目標も、当初計画の7−8万トンを大幅に引き下げたものです。その上、7月に開港した海上アクセス『ベイ・シャトル』の不振が重なり、市民から『一体、誰が責任をとるのか』と厳しい批判が寄せられるものも当然であります。さらに、市をあげての大宣伝にもかかわらず、空港用地売却の見通しもたたないという現状は、努力すれば何とかなるという限界をもう超えています。早い段階で、市民の意見を聞き、赤字が累積しない間に、神戸空港のストップに向け、検討すべきと考えますが、市長の見解を伺います」
神戸市の発表(2007年2月6日付)
神戸市みなと総局は6日、06年2月16日の開港日から07年1月31日までの神戸空港利用状況を発表した。発表によると、1日の平均指定座席数1万2064席に対して旅客数は7393人で、座席利用率は61.3%であったとしている。
昨年2月16日の開港日から1月31日までの一日平均旅客数は、昨年10月までの平均旅客数(7533人)よりも、さらに減少した7393人であった。この先、さらに旅客数が減少して需要が減るようであれば、神戸市民への影響も少なからずでてくるだろう。田中氏が10年前に指摘した「神戸空港建設は箱モノ行政」の行方が心配だ。【了】
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