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岩橋千塚古墳群から出土した、前後に顔がある人物埴輪。後方は鏡に映ったもう一つの顔=1日午後、和歌山県庁で
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200612010078.html
2006年12月01日
和歌山県教委は1日、和歌山市岩橋の特別史跡「岩橋(いわせ)千塚古墳群」の大日山35号墳(6世紀前半、前方後円墳)から、一つの頭の前後に顔が二つある人物埴輪(はにわ)が見つかったと発表した。顔が二つある埴輪の出土は全国初。同じ古墳から翼を広げた鳥形埴輪が出土しており、同県教委は「埴輪を並べ、儀礼が行われていたのではないか」とみている。
05年度の発掘作業で、素焼きの破片を多数発見し、うち十数点をはり合わせて復元した。頭部のみで、首を含めた高さは約19センチ。顔立ちはともに鼻が高く、一方は目尻が上がり険しい表情。上唇の中央で縦に切り込みがある。もう一方は目尻が下がり、口をわずかに開けて穏やかな表情をしている。いずれの顔にも、ほおと額に葉や矢印などの形の入れ墨らしい線が彫られ、下げ美豆良(みずら)という男性の髪形。
奈良県立橿原考古学研究所付属博物館の千賀久主幹は「極めて特異な埴輪だ。近畿の中心だった大阪や奈良から離れた和歌山の埴輪の制作者が独自の表現をしたのではないか」と話す。
岩橋千塚古墳群には約700基の古墳があり、大日山35号墳は有力豪族・紀氏の首長の墓とみられている。24日まで同市岩橋の県立紀伊風土記の丘で展示される(月曜休館)。