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(回答先: 石原知事の海外出張、突出して豪華=夫人同行にも公費−共産都議団発表 [時事通信] 投稿者 white 日時 2006 年 11 月 15 日 22:12:05)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-11-17/2006111704_04_0.html から転載。
2006年11月17日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党東京都議団
「石原知事の超豪華海外出張の浪費の実態について」(上)
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日本共産党東京都議団が十五日発表した「石原知事の超豪華海外出張の浪費の実態について」全文を上下で紹介します。
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知事の公費を使っての海外出張は、ほんらい、都民の納得を得られる目的と費用でおこなわれる必要があります。ところが、石原知事の海外出張の多くは、目的の点でも費用の点でも、とうてい都民の理解を得られるものではありません。
日本共産党都議団は、かねてから都民の批判のつよい石原知事の海外出張について、関係文書など(うち、七回は情報開示請求に基づく資料)から調べました。その結果、都民の税金の浪費ともいうべき実態が明らかになりました。ここにその内容を、都民のみなさんに報告するものです。
一、石原知事の海外出張のほとんどは、莫大な税金を使ってやる意味はないもの
石原知事は就任以来、十九回の海外出張をおこないました。公表された出張の目的は、調査・視察、会議出席、会談、講演などです。共通していることは、ほとんどは各局で事前に積み上げられたものではなく、知事の個人的関心にもとづいてトップダウンで計画されたものです。このことは、十九回の出張中実に六回が、石原知事の思い入れの深い台湾であることが端的に示しています。台湾出張の理由は、総統就任式出席が二回、観光資源視察が一回、政府・自治体関係者との会談が一回、地震被災地調査が一回、アジア大都市ネットワーク21出席が一回です。この間、スマトラの津波被害など、世界各地で地震やハリケーンなどによる大被害がたくさん発生していますが、台湾以外に行ったことは一度もありません。
また調査・視察は、自治体本来の役割である福祉や教育の充実を目的としたものは皆無であり、オリンピック、マラソン、観光などにかたよっています。全体として、事前調査(相手方への調査依頼、文献調査、インターネット検索)などで足りるものが多く、わざわざ知事が莫大(ばくだい)な費用をかけていく必要性は、きわめて乏しいものです。
アメリカやヨーロッパ出張では、毎回のように「文化施設視察」をおこなっています。しかし、これらの視察は、当初の出張目的にも入っていなかったものも多いうえ、都の施策にこう反映するという報告もなく、知事自身の個人的観光だと言われてもしかたないものです。
「会談」「会議」の多くは非公開で、報告書や資料がないため成果を検証するすべがありません。「講演」については、石原知事に対する依頼だとされていますが、都知事としての講演なのか、石原氏個人としての講演なのかを明らかにして、費用負担を厳正にすべきです。たとえば、二〇〇一年九月にハドソン研究所に夫妻が招かれて講演をおこないました。しかし、そのときの知事の講演の内容は、開示資料で見る限り、特定の国の批判に終始しており、とうてい東京都を代表しての講演とはいえないものです。以下の四つの事例で見るといったい、こうした海外出張をくりかえしていいのかどうか、答えが明白にでてきます。
ガラパゴス視察は、典型的観光旅行にすぎない
〇一年六月のガラパゴスへの十泊十一日の視察は、公式には「エコ・ツーリズム」などの視察が「目的」とされましたが、典型的なツアー観光旅行コースを楽しんだにすぎないといっても過言ではありません。この視察で石原知事は、エクアドル政府主催の昼食会や日本大使主催の夕食会などに出たほかは、三十八万円かけて小型クルーザーを一日借り切ってのクルージングを楽しみ、二百六万円かけてホテル並みの施設を備えた大型クルーザーで、四日間のクルージングと諸島見物をおこなったのです。大型クルーザーで知事が宿泊したバルコニー付き最高級の部屋の料金は、五十二万四千円。特別秘書二人の部屋代も八十七万二千円もかかりました。
エコツーリズムについていえば、環境局は、以前から国内外の調査・検討をおこなってきたものです。この出張についての報告書を読んでも、この域を出ておらず、わざわざ莫大な費用をかけて知事が行く必要があったとは到底いえません。なにしろ、知事自身、「(都議選の応援が)面倒くさいからガラパゴスに行っていた」(「朝日」〇五年二月四日付)と告白しているのです。
アメリカのレッドウッド、グランドキャニオン国立公園視察も観光。夕食会、昼食会、レセプションなどのオンパレード
〇四年六―七月のアメリカの国立公園への出張は、「知事自らが自然資源の保護の徹底、充実した来園者サービス施設、利用者からの寄付等の現状を現地調査することが必要不可欠」としておこなわれたものです。これに知事夫人まで同行しました。しかし、やったことは、グランドキャニオンでは、二日間、車で回り、レンジャー養成学校を見学し、公園長主催レセプションに出席したこと、レッドウッド国立公園でも、二日間、車で回り、公園長主催昼食会に出席した程度にすぎません。実際、この出張の報告書は、現地に行かなくてもインターネットや文献調査で調べがつくことが大半であり、知事出張の一番の目的であったパークレンジャー制度も、出張時にはすでに都として制度化されていたものです。
サンフランシスコ、ロサンゼルスにも行きましたが、そこでの行動は、総領事の夕食会やテレビ放送局との昼食会、現地日系企業団体との懇談会への出席、美術館の見学などです。地元日本語テレビ局での講演もおこなったとされていますが、その内容も明らかにされていません。知事が税金を使って出張した以上、せめてその内容を明らかにすることは、都民にたいする最低限の責務です。
ロンドンでのオリンピック調査は、実質たった1時間半程度
〇六年五―六月におこなわれたロンドン・マン島の出張の目的は、オリンピック招致方策等調査・視察、マン島観光施策調査・視察等とされています。しかし、オリンピック調査で、知事がおこなったことは、オリンピック準備庁との会談が四十七分と、八十八万円かけたヘリコプターによる視察三十分程度です。知事自身がロンドンのオリンピック計画を調査したとは、到底いえません。
東京都の島しょ地域におけるオートバイレース開催のための調査であるマン島視察も、開催するのは島の自治体です。しかも、島でのオートバイレースがうまくいくかどうかのマーケティング調査もおこなっていない段階で、知事がなぜマン島にまで行く必要があるのか疑問です。この出張は、全体で四千万円近いお金を使って行く意義があったとは思えません。
収穫について聞かれ、「パーティーが大盛況」と答えたスイスのダボス、フランスのパリ出張
〇四年一月におこなわれたダボス・パリ出張の目的は、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)出席と、パリの文化事業視察です。ダボス会議出席の目的は「『千客万来の世界都市・東京』の実現に向け、知事自ら各国政府、地方自治体、経済界、学会などの世界のトップリーダーと率直な意見交換をおこなう」とされています。しかし開示請求資料で見る限り、正式に招待されたかどうかは明らかではありません。記者から収穫について聞かれると、〇一年の同会議でも「つまらない」と答えた石原知事は、今回も、三百四十万円かけて開いた「トウキョウナイト」というパーティーが「大盛況だったことくらいだ」(「朝日」〇四年、二月三日付)というありさまです。パリで一日かけての騎馬劇団見学も、当初目的になかったもので、知事の個人的な興味のためのものという疑問が残ります。
(つづく)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-11-18/2006111804_05_0.html から転載。
2006年11月18日(土)「しんぶん赤旗」
日本共産党東京都議団
「石原知事の超豪華海外出張の浪費の実態について」
〈下〉
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二、石原知事の海外出張は、他府県の知事に比べても、飛び抜けて高額
しかも、こうした海外出張に使った税金の額はすさまじいものです。
資料が入手できた十五回の海外出張の随員や通訳などを含めた総経費(SPを除く)は、二億四千四百万円にのぼります。平均で一回あたり千六百万円、招待した側からの一部負担があった四回を除くと、一回の出張で二千万円前後の税金を使っていることになります。最も経費がかかったのは、今年五月のイギリスのロンドン・マン島への出張で、約三千六百万円もかかりました。ガラパゴス視察は千四百五十万円、レッドウッド・グランドキャニオンなどの視察は二千百万円、ダボス・パリ出張は二千八百万円もかかりました。
近県の知事の海外出張と比べても、けたが違います。たとえば、神奈川、千葉、埼玉の知事の海外出張では、随員分などを含めて一回あたり、二百万円余から八百万円程度です。神奈川県知事が二〇〇四年にドイツ、イギリス、フランスに出張したときの費用は、三百三十五万円です。
私たちは、〇一年六月のガラパゴス視察、〇一年九月のアメリカワシントン出張、〇二年十一月のインド出張、〇四年一月のスイスダボス・フランスパリ出張、〇四年六月―七月のアメリカレッドウッド、グランドキャニオン出張、〇五年十一月のアメリカワシントン、ニューヨーク出張、〇六年五―六月のロンドン・マン島視察の七つの出張については、その詳細について情報開示請求をおこない、分析しました。
その結果、旅費、通訳、現地交通費、レセプションなど、知事自身に関わる費用は、〇四年一月のダボス、パリ出張の九百四十六万円を最高に、〇六年五月のロンドン・マン島出張の八百三十九万円などと、異常に高額なものになることがわかりました。この二回の出張は、側近の特別秘書の分も合わせると、一回で千百万円以上かかっています。
だいたい、出張をおこなうときは、同じ条件で何社かに見積もりを出させて、少しでも安い費用に見積もった旅行会社を選ぶべきなのに、それすらされていません。驚くべき「超豪華海外出張」の詳細は、以下の通りです。
いつも条例の規定の数倍のホテル代を払う。一泊なんと二十六万三千円も
地方自治体の職員のホテル代は、役職と宿泊地ごとの上限額が条例で定められており、もちろん知事も同じです。どこの知事も基本的に条例の規定を守っています。私たちの調べた範囲でも、たとえば埼玉県の知事が〇四年八月に、カナダのトロントに泊まった時のホテル代は、条例の規定の範囲内の一泊一万七千四百七十円です。
ところが石原知事の場合、いつも条例の規定の二倍から三倍、ときには四倍以上という高額なホテル代を平気で払っています。大体、一泊五―十万円の部屋に宿泊します。極めつけは、〇一年九月にワシントンに行ったときで、条例上は一泊四万二百円しか出ないのに、一泊十三万千五百円のホテルに五日間宿泊。そのうち一日目は、オンシーズンを理由に一泊で二十六万三千円と、条例規定の六・六倍ものホテル代を払っています。このときは、石原知事夫人も出張に同行、知事と同額のホテル代を公費で払っています。また、知事側近の特別秘書も条例規定二万五千七百円の三・八倍、九万七千七百円(一日目は十九万五千四百円)を払いました。
このときは、都民から石原知事に対し、増額分を返還するよう訴えがだされました。東京地裁は、条例の規定額を上回るホテル代を払う手続きすら怠ったことをとらえ、九十八万円返還の判決を下しました。石原知事は、この判決の感想を求められて「条例で規定する料金が安すぎるのだ」などと言い放ったのです。庶民から見たら、驚くべき感覚です。まるで、税金で払うから、いくら高くても自分たちは痛くも痒(かゆ)くもないといわんばかりです。
航空運賃はファーストクラス。リムジンなど高級車の利用で現地交通費だけで百数十万円
航空運賃は、常にファーストクラスで優雅に行きますから、南北アメリカの場合往復で百万円―百四十万円前後、ヨーロッパの場合往復百五十―百七十万円前後もかかります。
現地交通費も高級車を借りるため、欧米の場合一回の出張で、百万円―百八十万円もかけています。リムジンを利用したときは、それだけで六日間で百二十六万円以上も払っています。
常に特定の通訳を使うため、通訳料は一回二百万円もかかる
通訳は、常に特定の会社の特定の人にこだわり、わざわざ日本から随行するために、一回二百万円前後の高額料金です。その理由はとんでもないものです。「知事自身が発言を無意識に省略あるいは割愛した場合に、必要に応じて都政の現状や知事の従前の発言をふまえて適宜補足するという高度な技術が不可欠」(「特命理由書」より)というのです。
自分が言えなかったことまで通訳に補足させなければならないとは、なんとも情けないことです。外国に行って、正確に都の立場を話せないので、通訳に自分の代弁をさせるというのでは、東京都を代表して外国に出かける資格があるでしょうか。
特別秘書など側近も、条例の規定を数倍上回るデラックスルームに泊まり、航空運賃もファーストクラス。夫人の費用も二百万円以上
知事の海外出張には、常に側近の特別秘書が同行しますが、航空運賃は、条例上はビジネス料金なのに「知事と打ち合わせが必要」と、ビジネスクラスの倍近い料金のファーストクラスに変更するケースが多いのが特徴です。ホテル代も条例規定の二倍―七倍もの上乗せをしています。
知事夫人が四回も同行していることも、近県では例がないことです。私たちは過去五年間の例について調査しましたが、神奈川、千葉、埼玉の知事は、公費での夫人同伴はしていません。
〇四年八月に埼玉県知事がメキシコ親善訪問とカナダトロント視察をおこなったとき、メキシコでのレセプションと州知事への表敬訪問に知事夫人が同席したことがあります。しかし、このときの知事夫人は、私費負担での参加でした。
石原知事夫人の航空運賃は、ファーストクラスが多く、ホテル代も、知事や特別秘書と遜色(そんしょく)のない高額なもので、出張費用は、一回あたり二百万円前後かかっているのです。
知事としての調査・視察・会談・会議・講演などのための出張に、レセプションなどに夫人も招待されたなどという理由だけで、税金を使ってみだりに同行させるべきではありません。夫人の費用を全額私費負担とした埼玉県知事夫妻を、少しは見習うべきです。
石原知事が、都財政が苦しいからといって福祉やくらしを切り捨てる一方、自分は税金を使った超豪華海外出張をくりかえしていることは許されません。私たちは、知事の超豪華海外出張をきびしく告発するとともに、ひきつづきこうした税金の浪費を追及していくものです。(おわり)