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http://www.asahi.com/culture/update/1022/003.html
豊橋発「ええじゃないか」、時代変化の兆し?
2006年10月22日03時03分
幕末に起きた謎の民衆騒動「ええじゃないか」。その発祥地とされる愛知県豊橋市の市民らが21日、豊橋まつりで「ええじゃないか」と叫び、踊り出した。時代の転換期に地元から全国に広がったという動きを、140年後の地域おこしの起爆剤にするのが狙いだ。景気が回復基調へ転じた今、遊園地では、「ええじゃないか」という名のジェットコースターが人気を呼ぶ。大衆演劇スターはCD「ええじゃないか」を売り出し、「今の世の中、何とかせい」と叫ぶ。この動き、果たして時代の変わり目の予兆なのか、単なるプチ・ブームなのか。
豊橋市は、今年の市制施行100周年を機に「ええじゃないか」を町おこしのキーワードにした。市中心部の街頭にPR用の旗800本を立て、豊橋駅では、「ええじゃないか」を取り入れた市制作の映画「早咲きの花」(菅原浩志監督)の映像を流している。
22日までの豊橋まつりでは、市出身の俳優、「マツケン」こと松平健さんが豊橋限定販売の新曲「マツケンのええじゃないか」を披露。市民パレードは、マツケンを先頭に沿道の観客も巻き込み、跳んだり、はねたりの乱舞が繰り広げられる。
歴史上の「ええじゃないか」の目的は、倒幕運動とも、庶民の信仰とも、非日常を求めた娯楽とも言われ、謎は多い。だが、市商業観光課は「明日に夢を求める民衆のエネルギーを紡ぎだし、市の活力にしたい」と話す。
「ええじゃないか商戦」も、にぎわう。市が作った「ええじゃないかTシャツ」は半年で約2000枚も売れた。伊勢神宮などのお札を見つけたのがきっかけとされる民衆騒動の由来にちなみ、市商工会議所も今夏、三重県伊勢神宮へお札をまきながら歩くツアーを企画。60人が参加した。
昨年「ええじゃないか 17歳のチャレンジ」(角川文庫)を出版した作家宗田理さん(78)は「今は、物質的に豊かになろうという時代から、精神的な豊かさを感じられるスローライフの時代への変革期。ええじゃないかは、大勢の人を巻き込んで時代に大きなうねりを起こす仕掛けになるはず」と話す。
山梨県の富士急ハイランドには7月、新型のジェットコースター「ええじゃないか」がお目見え。足が中ぶらりんの状態で、乗客は座席ごとぐるぐる回りながら、滑走する。富士急行企画部は「ワーっとみんなで楽しんでもらえれば」と話し、「見た目は怖そうだが、乗ったら『ええじゃないか』と思ってもらえる」と命名の由来を明かす。
「ええじゃないか、ええじゃないか」と連呼し、「なんとかせ この暮らし!」と歌い出したのは、大衆演劇スターの松井誠さん。「世の中を応援したい」と5月、CD「ええじゃないか」を発売した。
「ええじゃないか」を研究する愛知大学経済学部の渡辺和敏教授は「ええじゃないかの前年は凶作だったが、豊作への兆しが見えた時に始まり、実際に豊作になった。景気が上昇気流になった転換期に起こり、大勢で一気に盛り上がるという点で、現代と共通しているのではないか」と話している。