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唐風の服を着た女性とみられる絵が描かれた板絵の赤外線写真
http://www.asahi.com/culture/news_culture/OSK200610040057.html
うっすら「唐風女性」、奈良〜平安期の板絵発見 島根
2006年10月05日
唐風の衣装を着た女性を墨で描いた奈良から平安時代の板絵が、島根県出雲市の山持(ざんもち)遺跡で見つかった。県埋蔵文化財調査センターが4日、発表した。平安初期以前の女性の全身像の出土は、高松塚古墳壁画以外に例が少なく、同センターは「仏教の地方への浸透ぶりや当時の風俗を知る貴重な発見」としている。
板絵は4点で、一緒に出土した土器の年代などから、いずれも8世紀から9世紀初頭のものと見られる。うち、長さ65.5センチ、幅8.5センチ、厚さ1.4センチの板には、髪を頭上でまげのように結い、両肩上に垂らした姿が描かれていた。服は詰め襟仕立てで袖は長く、すそは足首まである。
これよりも短い長さ46センチ、幅8センチ、厚さ0.5センチの板には、頭の後ろに頭光(ずこう)と言われる円形の光のある女性が描かれており、聖武天皇が普及に努めた仏教の「金光明最勝王経(こんこうみょうさいしょうおうきょう)」に出てくる「吉祥(きちじょう)天女(てんにょ)」とみられる。ともに目や鼻、口はない。
残る1点は、板の上下が欠けて、腰付近の絵しか残っておらず、もう1点は髪と顔の一部のみが描かれていた。
奈良大学の東野治之教授(日本古代文化史)は「女性の風俗を伝える像の出土例は少なく興味深い。女性は上流階級とみられる。頭光のある絵が吉祥天女だとすれば、地方にまで吉祥天女への信仰が伝わっていたことを示す貴重な資料だ。何かの祈りに使ったとも考えられる」と話している。
板絵は8日午前10時〜正午、現地の発掘調査事務所で公開される。