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2006年6月24日(土) 朝刊 24・25面
世代変わり遺族会解散/沖縄師範健児之塔
旧沖縄師範学校から鉄血勤皇師範隊として召集されて犠牲となった学徒の遺族でつくる「沖縄師範健児之塔遺族会」(山内昌範会長)は二十三日、会員の世代交代を理由に同日付で解散した。糸満市摩文仁の健児之塔前で開かれた慰霊祭に先立ち行われた総会で決定。現在、会員の顔触れは戦没者の甥姪らが中心で父母は一人もいないという。
山内会長は遺族会の世代交代が進み、年々運営が困難になっていると説明。「塔前には説明文があり、沖縄師範健児のことは伝えられる」と話した。遺族会は植栽などの周辺環境を整備した。来年からは慰霊祭ではなく、弁当を持ち寄り思い出話をするクラス会を開催し、希望する遺族にも参加を呼び掛ける。
◇ ◇ ◇
梯梧之塔前に新石碑を除幕/遺族ら60人集い焼香
昭和高等女学校の同窓者の慰霊塔「梯梧之塔」=糸満市米須=脇に、新たな石碑が建てられ、二十三日、除幕式があった。同女学校の「梯梧同窓会」は高齢化のため、会主催の慰霊祭を昨年で打ち切ったが、同窓生や遺族ら約六十人が集まり、例年と変わらぬ焼香が行われた。
建立されたのは、同校を創設した山梨県出身の教育者、八巻太一さん(一八七八―一九五二)の顕彰碑。また、同窓生故瑞慶覧道子さんが寄せた歌碑も、傷みが激しく新調した。ともに、太一さんの遺族や同窓生からの寄付で建立された。太一さんの孫の吉原久喜さん(70)=千葉県松戸市=は「教育の理想に燃えた祖父の歩みを形にしたかった」と話す。学徒隊の生き残りの一人、稲福マサさん(78)は「学びやも残っていない私たちにとって確かな心のよりどころが新しくできたのは大きな喜び」と話した。
空自訓練「特別な日配慮ない」/うるま市民ら批判の声
航空自衛隊那覇基地の那覇ヘリコプター空輸隊が二十三日、「慰霊の日」と認識しながら、うるま市の基地内で射撃訓練を実施したことに、地元や県民から「配慮がない」「戦争の反省をしていない」など批判の声が上がった。
糸満市で行われた沖縄全戦没者追悼式への参加後、訓練実施を聞いた知念恒男うるま市長は「慰霊の日は沖縄にとって忘れることのできない日。式典にも暑い中、多くの人が参列していた。こうした人々の気持ちを自衛隊側には分かってもらいたい」と苦言を呈した。
「平和の礎」で手を合わせていた米須朝興さん(79)=那覇市=は「年一回、全国から人が集まって慰霊する日に、そんな訓練があっていいのか。厳粛に受け止めてほしい」とあきれた様子だった。
糸満市の主婦、金城広子さん(56)は「特に戦争体験者にとって銃声は恐怖の音。県民の感情を逆なでする行為だ」と批判した。
同隊を指揮下に置く航空救難団司令部(埼玉県・入間基地)は「慰霊の日という認識はあったが計画の段階で詰めが甘かった。今後は配慮を欠くことがないよう気を付けたい」と話している。
問題となったのは、同日午前九時から勝連分屯地内の屋内射撃場で行われた短銃と小銃の射撃訓練。当初午後二時までの予定だったが、指摘を受けて午前十一時に中止した。
沖縄タイムス
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200606241300_04.html