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(回答先: 天皇に成る爲の極めて重要な行法。祝(はふり)の神事 投稿者 石工の都仙臺市 日時 2006 年 11 月 05 日 07:20:37)
「息吹永世の傳」
明治維新まで凡そ800年、31代に亙つて、宮中祭祀を取り仕切つてきた貴族の家系、伯家（
白川家）に繼承されてきた神道が伯家神道である。伯家は、花山天皇（第65代、在位984～
986）の皇子清仁親王の子、延信王が寛徳3（1046）年に神祇伯に任ぜられたのがはじまりとさ
れる。
伯家神道には、「息吹永世の傳」と呼ばれる獨特の呼吸法による修行（花谷幸比古、菅田正
昭共著『古神道の氣』コスモ・テン・パブリケーション、1991年、123～124頁）や、「究の
字」と呼ばれる神事占法がある。
菅田正昭氏は、「息吹永世の傳」の方法を次のやうに解説してゐる。
「正坐をし、手をきちんと膝の上におき、目を半眼にして1メートルぐらゐ前方の牀に視線を
おとすやうにして、まづ口から息を靜かに吐く。そして吐き切つたところで口をむすび、こんど
は鼻からゆつくりと吸ふ」。
其の際、なるべく腹を動かさないやうにして丹田呼吸法をする（菅田正昭『古神道は甦る』
橘出版、1994年、268～269頁）。
また、伯家神道には、「十種神寶御法の行」と云ふ修行がある。此れは、十種神寶を10個の
徳目にみたて、自分の魂を磨くことによつて、其の階梯を一歩づつのぼつていくための修行で
ある。
「まづ正坐をし、拍手を打つてから、右手の指が左手の指より前へくるやうに手を組み、兩
手の人差指だけはアンテナのやうに直立させ、目をとぢ、あとは永世をし乍ら、八方からあが
る獨特の節囘しの、お祓の聲をただ默つて聽いて」いると云ふ方法である（『古神道は蘇
る』287頁）。
祓詞は、三種祓、禊祓、ひふみの祓の3つである。三種祓は、「吐菩加美(とほかみ) 依身
多女(えみため)」を3囘繰り返し「祓ひ給へ 清め給ふ」と奏上する（『古神道は蘇る』292
頁）。
『伯家部類』
此れら伯家の記録・傳承を後代に傳へ、伯家神道として獨自の神道説を形成する上で重要な
役割を果たしたのが、寛永20（1643）年に神祇伯に就いた雅喬王である（久保田收「伯家に於
る神道の形成」『皇學館大學紀要』15號、1977年3月、276頁）。彼は延寶7（1679）年に神祇
伯を退き、翌延寶8（1680）年に伯家の記録を『家説略記』としてまとめてゐる。更に、享保
10（1725）年に神祇伯に就いた雅富王は、白川家の文書・記録の整理を命じたと云ふ（『伯家
神道』7頁）。
『家説略記』に増補を加へて編纂されたものが『伯家部類』である。此處には、「神祇官之
事」、「内侍所之事竝渡御之事」など25項目に分類して資料が集成されてゐる。 例へ
ば、「神事傳授之事」には、樣々な神事の作法に關する資料が收録されてゐる。大祓(おおはら
え)作法も、圖とともに説明されてゐる。大祓は、知らず知らずにあやまち犯した罪穢れを祓ひ
清めるための神事で、毎年6月と12月の晦日に行はれる。6月は名越(なごし)の祓、12月は年越
の祓とも云ふ。
伯家の「大祓作法」は次のやうに説明されてゐる。
「先進二神前一揖、次着坐、一揖、次二拜、次安坐、次唱二九神ノ神號一、拍手二、次中臣祓、
口傳ニ云、天津清麻於本末苅斷天、八破仁取刺天ト云所ニテ、切麻ヲ兩手ニテ取リサキテ、背(ウシロ)ノ左右ニ捨ルナリ、朝夕乃風乃吹拂布ト云所ニテ、人形ヲ取リ、襟ヲナデ、息ヲフキカケテヲクナリ、大船乃舳艫乃綱於解幾ト云所ニテ、解繩(トキナワ)ヲ左手ニテ解キ、背ノ方ヘ捨ルナリ、祓清牟留ト云所ニテ、洗米ヲ三度マクニリ、
次拍手二、次二拜、次退出、
右
九神神號 八十枉津日神・大直日神・神直日神・底津(ソコツ)少童命(ワダヅミ)命・底筒男命・中津少童命・中筒男命・表津少童命・表筒男命」
伯家神道
http://park5.wakwak.com/~asia/japan/hakuke.htm
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