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渡辺淳一「愛の流刑地」という「世間ではとんでもない」という評価がおおい小
説があるらしい。（私は読んでません）
この小説、「どんなものかな？」と調べてみました。あらすじを読んだだけで
すが、この話が賛否否否否否両論といっても否が圧倒的だというのも分かる気
がします。私は読みたいとも思いませんが、突っ込みということではなく、そ
の設定の人間の行動について思うところを少し。
ユン・ソクホ監督が描く純愛物語とはまったく対極なんですね。私の好き嫌い
はこの際おいとくとして・・・。
男と女の結びつきというのは大きく分けて２種類あるということ、心で結ばれ
ることによる幸福感と、肉体的なつまりセックスを土台にする幸福感。
実際の世界ではこれほどの両極端は少なく、心で結ばれているわけでもなく、
セックスでの幸福感で惹かれあっているわけでもなく、若気の至りで結婚した
その状態をただそのまま惰性的に継続している。だから何か満たされない気持
ちで生きている。そこから踏み出そうとすると離婚か不倫かということになり
大半の人は思い留まる。そんなところが案外真実の姿ではないでしょうか？
もっとも赤い糸で結ばれた相手ではなくても、結婚生活を数十年つづけて培わ
れる情の「愛」もある。それはそれで「まあこんなものか」程度の幸福感は有る
には有るでしょうけど。
で、話を両極端に戻してみる
赤い糸で結ばれている、魂が通い合う二人、これが一つの理想形として物語で
描かれる。それを観たり読んだりすると、大半の人は自分の生き方が「コレと
は違う」ことに気が付く。そこで、「こんなのは夢物語」と思い込むことで自
分を慰めたりする。
でも、確かにこの世には赤い糸で結ばれたような心の(魂の）通い合う相手は居
るもので、実際にそういう相手に出会うと、もう人生の目的を果たしたような
充実感を味わえるし、月日とか年月、時間の長短にかかわらず、「出会えた喜
び」は何にも代えがたいものなんだろうと私は思う。そういう夫婦を私は知っ
ているが、見詰め合っているその眼差しが愛に満ち溢れている。こうして本当
の相手に出会うこと、これこそがこの世に生まれてきた本当の意味なんだろう
と思ったりもする。
また逆に、肉体的「性的」に相性ぴったりの相手というのもまた存在することは
確か。皆さんの性的な経験の広さ狭さは当然知りませんが、「まぁ可もなく不
可もなく」という相手というのが大半の夫婦の姿なんだろう。でも、何らかの
きっかけで（それが不倫だろうとなんだろうと）肉体的相性がぴったりの相手
に出会ったとしたら、そして至福の喜びを感じたとしたら、その人にとっては
不倫とか道徳とか世間体とかは大して重要ではない、相性ぴったりの相手と共
に肌を合わせていられれば幸せなのだから。
と、心と肉体の両極端ではあるだろうけど「相性ぴったりで幸せに感じる」出会
いが自分自身の身に起こればブレーキなどは掛からないでしょう。とにかく「至
福」なんだから。
この「相性ぴったりの相手」というのは、最初の結婚で見つかる可能性はかなり
低いのも確かなこと、家柄だ経済力だ、容姿だなんだかんだと熟慮すればする
ほど大抵は「相性ぴったりの相手」とはかけ離れていたりする。
この世で「共に生きたい」と思う相手をどう見つけるか？の判断の物差しが３
種類あるんだろうと私は思う。
その１：心の相性がどうか？ を心で判断
その２：体の相性がどうか？ を身体で判断
その３：家柄、経済力、容姿、学歴などを総合判断する つまり頭で判断
どうでしょう？
３というのは客観性がある程度あるので、判断しやすい、ある意味無難。だけ
ど赤い糸で結ばれた相手に遭遇できる可能性はゼロに近い。無難、安泰こそ最
良と思う人はこれを目指すだろうと、これで悔い無しと思って生きるだろうか
ら、それはそれでよいのだろうけど、実は心の目や身体の感覚の鈍感な人なん
だろうということが言えそう。
本当の理想の相手は、「その１」で結ばれた相手なのは言うまでもない、また
本当に心で結ばれた相手となら身体での喜びもあるはずだし、もし無くてもた
いしたことは無いと思えるはず。
心や身体の鈍感な人であれば、「この人と共に生きたい」と湧き上がるような
情熱を持たないだろうからいいのだけれど、問題は鈍感だった人が、何かのき
っかけで心、あるいは身体の相性ぴったりの相手に出会った場合だ。大抵は相
手は他人の夫だったり妻だったりする、ある意味手遅れ。ここで諦めるか、
「本当に出会うべき相手同士が結ばれるべき」と思い、不倫だ離婚だ駆け落ち
だと正面突破をするかのいずれかになる。さて、もしあなたが「目覚めた」段
階で出会った相性ぴったりの相手が誰かの夫や妻であったらどうしますか？
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