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この歳(?)になると、会社や社会の馬鹿馬鹿しい成立ちに一種の諦観すら覚えるのだが、例えば、どんな優良企業にも不条理が存在することを思うと、殺人が正当化される戦争において、平和な社会にすら存在する不条理が増幅され、おぞましい出来事として出現するのは、ある意味、当然のことのように思われる。
ベトナム帰還兵が、多かれ少なかれ何らかの恐ろしい話を持っているのと同様に、攻撃された本土の民間人(日本、ドイツ)にも大きな声では云えない話(例えば、B-29の搭乗員の殺害とか)や悲惨な体験(爆撃による肉親の死からソビエト兵による強姦に至るまで)がある。
昔、「スロータ−ハウス5」という映画を観た。自分の人生を死も含めて自由に行き来できるという1種のSF小説の映画化だが、ドイツ系米国人の作者が捕虜としてドレスデン爆撃を体験した衝撃的な記憶が主題になっている。(おそらく教師出身の;「戦場のピアニスト」を助けたドイツ将校も高校教師だったとか)老ドイツ人将校と少年兵による監視のもとで過した美しい街ドレスデンでの捕虜生活(「スロータ−ハウス」というのは、屠殺場と云う意味だが、そこが捕虜の宿舎に当てられていた)。ソビエト軍の進撃を逃れて来たドイツ人難民であふれかえるドレスデンの街。空襲警報で防空壕へ逃れた捕虜とドイツ少年兵が翌朝、見たのは全くの廃墟と化したドレスデン。狂乱する少年兵。主人公は、いつもドレスデンと捕虜の時代に戻ってしまう。