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この20年間に思想的に見るべきものは特になかった
アナーキズムも社会民主主義もレーニン主義も明治時代に入ってきた思想だ。ニューディーラーというのは戦時中に活躍した人々であって、皮肉にも日本で戦後の民主化が完成した頃には弾圧される側に回っていた。そして、日本国憲法公布の段階で民主派左派陣営は「憲法を守れ」という思想的に守りの段階に入っていった。トロツキーは終戦直前にはすでに死んでいる。
80年代前半にはもう大概の右翼・左翼・中国論・ユダヤ・メーソン陰謀論は出尽くしたといえる。後は固有名詞というか、事実を報道するしかないのである。
古典を馬鹿にしてはいけないと思う。むしろ現在の抽象的な思想(思考)回路の7割は戦前に出来上がっているからだ。江戸時代にすでに頭の中だけはモロッコまで行っている人がいる。18世紀、19世紀とか江戸時代と言っても別にそんなに考えていること自体が現代人より遅れている訳ではない。18世紀や19世紀の古典を読んでいるとよく「最近は」という言葉が目につく。18世紀の人にとっては18世紀が現在なのだ。むしろ、江戸時代の人の方が発想が柔軟な人もおり、現在の細木・石原・安部のガチガチの保守思想を批判する可能性はある。江戸時代は単なる女大学の時代ではなく、弾圧は受けても現実批判の哲学が発達し、活発な議論が行なわれた時代でもある。江戸時代の儒学者が生きていたら、戦後民主主義を批判する現在の哲学者を更に批判する人が出てくる気がするのだ。今の産経・文春系列の保守派が江戸時代に生きていたら弾圧を受けるだろうか?
日本中心主義の立場のトンデモ本ですら江戸時代に出たものは新刊のものより更に面白いものはあるだろう。
「シオンの議定書」は20世紀初頭に出たものだが、預言書のようなものでもある。しかも、その文書というのは更に50年前に出た本の内容の剽窃であったという。そこでは「ユダヤ」の固有名詞すらないそうだから、19世紀半ばからすでに見えるものは見えていた訳だ。日本で20世紀初頭に出た「20世紀の予言」も「自動車社会の到来」や「テレビ電話の登場」など大概のことは予言されている。
20世紀の予言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/20%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AE%E4%BA%88%E8%A8%80
高度情報化社会と言っても、抽象論については江戸時代の学者ですら言っているようなことをまた議論しているようなものは多いのだろう。戦後民主主義や戦後60年間というのは、ある意味敗戦までに出来た思想的財産を食い潰してきたことといえるかも知れない。保守派が巻き返した所で旧憲法と教育勅語の時代に戻るだけなら、江戸時代の長屋の住人にだって笑われるのではないか。「シオンの議定書」や「カナンの呪い」を江戸時代の人に見せたらおもろいコメントを言いそうだ。
はっきり言って自民党の総裁選を見るよりは江戸時代の儒学者の議論を聞く方がまだましだと思う。女占い師に次の自民党総裁を尋ねる。これが21世紀の思想である。現代日本人のオカルトぶりには戦国時代の日本人ですらあきれるだろうね。文明が進みすぎてかえって江戸時代どころか戦国時代より頭が現実離れにしているようだ。平安時代の公家じゃないんだから細木の言うことを鵜呑みにしちゃダメだ(平安時代の公家の吉凶へのこだわりは凄かったようだ)。それじゃ戦後60年何考えてきたんだよって話になるわな。テレビ局の人も今の神がかり的な状況が悔しくないのだろうか?