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日本人あるいは日本企業の中にも日本より北米の方で主に利益を上げるものがあるだろう。その中には大本営がもはやワシントンにあろうが、東京にあろうが、沖縄にあろうが、さして意味はない者がいるだろう。ペンタゴンは戦後合衆国の総司令部だけでなく、日本軍と欧州軍の総司令部にもなった。イスラエルの国旗のように三極の上に立つ軍なのだ。
もちろん、中国、ロシア、北朝鮮、韓国、台湾、イスラエル、イスラム圏、日本国内のみに利益を上げる基盤を持つ者もいるだろうが、米国基盤派が日本国内最大のグループな訳だ。
左翼への右翼の「外国の手先」というレッテル張りが本当にレッテル張りでしかないなら、弾圧しても特に反撃は少ないといえる。国内の労働運動や学生運動にしか基盤がないなら、勢力としては極小であるといえる。ただ、ほんまにあるグループや個人が外国の手先なら、弾圧の必要性がある場合に権力側も少し考えるだろう。報復がデカい場合があるからだ。
日本の場合、近所に人間のユダヤ人がいるということがほとんどない。ということはナチスのようなユダヤ人迫害をやろうにもやりようがない。そうなると、ユダヤと言った場合に個人としてのユダヤ人ではなく、ユダヤ財閥あるいはユダヤ系多国籍企業をイメージするしかない。戦後の日本にも日米両方に基盤を持つ者が前面に出てきたので、近所のおっさんやおばはんを襲撃するようなネオナチの安い排外主義に陥ることなく、ユダヤ問題を理解しやすいのではないか。この点では近所にユダヤ人のおっさんや爺さんがいる欧米や中東より有利であるといえるだろう。
なまじどの一神教からも遠く、アフリカ史を見直すにしてもアフリカ人そのものではない。白人でも黒人でもなく、キリスト教でもイスラム教でもなく、あらゆる意味でニュートラルで抽象的な概念によって物をとらえることが可能なので、100円陰謀論に流されにくい立場にある。この国でヘゲモニーを取るには、本当に論理の積み上げで相手陣営に勝つしかないのである。この国では、外国人に対してもネオナチのようにただ闇雲に暴力を振るう者は極めて少ない。ドイツではネオナチが左翼を襲撃することが繰り返されたのに対し、日本では左右のユダヤ理解がかなり近く、一定のコンセンサスが得られている。左右の陣営が議論になる訳だ。ひょっとしたら欧米以上にユダヤ問題が正しく理解している者が多いかも知れない。日本では立場が反対であっても、対立よりもコンセンサスで議論を煮詰めて、より核心に迫っていくことが重視されるようだ。日本というのは基本的に欧米や中韓のような対立排除型社会ではなく、合意形成型社会あるいは議論煮詰め型社会なのかも知れない。逆に日本の場合、対立がなくなりすぎて、自分の原点や立場を忘れる心配をした方が良さそうだ。
戦時中のことを考えると少し心配な気もするが、その教訓はしっかりと現在の日本人に受け継がれていると思う。日本人は戦前以上に合理的な民族になった。しかし、日米に両方に基盤を持つ人間にとって今後は益々、米国の非合理な利害貫徹と日本国内の合理的利害防衛に矛盾が生じて苦悩することが増大するだろう。それが極限に達した時、彼らは脱落するか、それとも米国と共に破滅するのか、どうなるのかである。