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アメリカ型企業経済は、日本には向かないのだろうとKは前から主張している。
日本人には「組織依存体質」が骨身にまで染み込んでいる。自分の命より「お家の方が大切」というのが日本人の基本思想である。
「忠臣蔵」は、殿様の敵を討った後に全員切腹するという欧米では信じられないような愚かしい物語なのだろうが、多くの日本人は感動し、自分もこのように生きたい。と思うのだろう。そうでなければ「忠臣蔵」の人気は説明ができない。
下記のような記事が社会板に投稿されている。
過労認定の5人に1人が管理職 成果主義が影響か (asahi.com) 彗星
http://asyura2.com/0510/social2/msg/854.html
【東京都内で過労による労災認定者を出した企業のうち、労働基準監督署が昨年度、監督に入った48件(被災者48人、うち25人が過労死)を分析した。37人は一般の労働者だったが、2割超にあたる11人が管理職で、このうち5人が過労死で亡くなっていた。】
これは、氷山の一角であり、しかも東京だけの事である。全国の実数と言うことになれば、相当な数が過密長時間労働に健康を蝕まれているだろう。
記事の中では
【同局は「成果主義が進む中、激しい競争が長時間労働を招いている。管理職であっても、労働時間と健康の管理は企業側の責任。長時間労働や健康診断での異変を放置している例が目立ち、意識改革が必要だ」としている。】
とし、表題でも「成果主義」に原因を求めているが、Kは違うと思う。
Kの考えでは「企業への忠誠心」が主な要因だと思っている。
アメリカ人は元々が「契約主義」であり「企業に対する忠誠心」などという意識は少ないが、日本では全く状況が違うのである。アメリカ型の企業経済を導入したら、日本人は働きすぎてしまうのである。
同じ長時間過密労働でも「アメリカ人は、高所得を得るために無理をする」が「日本人は、責任感から無理をする」
もちろん例外はあるだろうが、日本においては成果主義によって「自分のために無理をする」という比率は大幅に低いという気がする。
また、下記のような記事が、ニュースを賑わせている。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060512NT000Y87112052006.html
【郵政公社、長岡郵便局の不正値引きで職員処分】
と言う記事である。
これは、一寸勘違いしてしまいそうだが、一般の国民には「実質的損害は無い」、郵政公社は独立採算性で税金の補填は行われていないので、公社が損をしても税金には影響がないのである。
ただ、公務員は全ての国民を公平・平等に扱うべきなのだから、問題はある。
しかし、今は公務員にも「営業利益の追求が求められる時代」であり「小泉政策は、それを求めたのである」から、郵政公社だって上得意様には「出来るだけの便宜をする」という流れとしてあって当然というのが「今回の事件」であろう。
多分だが、この事件の関係者で処分された34人は「自分らでは何の利益も得てはいない」だろうと思う。多分だが、これだけの量の郵便を裁くのだから、タダ働きで頑張ったくらいだろうと思う。
仮に利益らしき物あっても、上役か全体的に「季節の挨拶のお菓子」などが届けられたくらいだろう。
全ては「企業利益のために、疑問を感じながら行った」のだろうとKは思う。
多分だが、通常業務で手一杯なのだろうから、通数を数えるなんてことは物理的に不可能である。「サービス残業で、郵便物を無くす」のが精一杯だったのだろうと思う。
これは、視点を変えるなら、処分された者こそ「小泉政策の被害者」だと言うことである。
公務員に成果主義など入れるというのが、このような結果を招くのである。
意識改革と言っても、企業への忠誠心とかになると、日本人の習性にまで染みついてしまっているので、これは簡単には変わらないだろう。
と、すれば、別の部分を意識改革しなければならないが、多分であるが、日本人の9割くらいの人は「内部告発も、上司からの指示への道徳上の問題点も指摘出来ないで、黙って命令に従う」のだろう。
この場合は、過労死で死ぬのも、不正が発覚して処分されるのも「不幸な交通事故」と同じになるのだろうと思う。単に運が無かったのである。
多分、日本人には組織を裏切る形での意識改革はできない。と、すれば、労働時間・労働基本権から縛りを掛け、外部調査を徹底するしかない。
管理者であっても、週40時間以上もサービス残業をしているなら、従業員が一人足りないと言うことである。ここを指摘すれば「間違いなく、一人の労働者の椅子が確保出来る」はずである。
過労死は避けられ、失業者が減るのだから、その方が良いに決まっている。
そこを、考えていかないと、次に過労死するのは「あなたになる」のかもしれない。
過労死と言えば、本人が悪いみたいだが、殺されたのと同じである。
その責任は「政府と、企業の要員算出部門」にある。
更に加えるなら「調査をしなかった責任」というのもあるだろう。
普段、全くリスクを負うことなく隠れている「人殺し」がいるのである。