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1990年代半ばまで右翼=反ソ・北方領土返還というイメージしかなかった。
私が北方領土以外にも竹島という係争地があるのは中学生の時はじめて知った。90年代半ばに他に尖閣諸島という係争地もあるということは、石原センセイや西村センセイのおかげである。
地元の右翼の機関紙など10年以上前からほとんど見なくなったが、今思うと一応北方領土返還や原発の正しさを説いても、論語やお寺の案内のようなまるであまりにも当たり障りのないことばかり書いていたように思う。学校の先生でも言いそうな論張が強く、原発問題くらいしか反発することがなかったといえるかも知れない。
ネット右翼は違う。何から何までが私とは正反対である。彼らの快は私の不快であり、彼らの快は私の不快であり、戦後のあらゆるものを朝鮮人の仕業として根こそぎぶっ壊そうとする点で、彼らが朝鮮人と見なす街宣新米右翼とは明らかに違うのだ。
かつて私が見た右翼の機関紙に出てくる単語は「皇室」「ソ連」「北方領土」「原発」「郷土」が多かったと思う。これに対して、ネット右翼は完全に「朝鮮人」が圧倒的に多い。ネット右翼の世界観は「諸悪の根源は朝鮮人である」ということであり、これが反共反ソの論理を完全に圧倒するほど、彼らの徹底ぶりは凄まじい。冷戦時代の親米右派など執念深い現在のネット右翼に比べれば右派に入らない。ただの平和主義者だろう。
不可思議なのは、昨今の韓流ブームである。SAPIOなどの雑誌や「テレビタックル」のようなテレビ番組が韓国叩きをやり始めた辺りから同じマスコミによって煽られている気がする。ハマコー先生のような自民党の「闘士」に「韓国けしからん」と言わせた後、チェ・ジウをスタジオに呼んで、「いやあ、綺麗だねえ」と言わせるかのようなテレビの雰囲気だ。実際、小泉は韓国と最も対立した首相かも知れないが、韓国スターと初めて会った首相でもあるのではないか。まあいや、現在の我々は嫌韓流の漫画見た後、来日した韓国スターを見に行ったりパチンコ冬のソナタをやりに行くがごとく、四六時中良くも悪くも韓国のことを考えるように仕向けられている感じがする。
アジアは韓国だけでなく、香港や台湾もある。私が小学生の頃は香港スターしか知らなかった。80年代末には台湾のキョンシーが流行った。
韓流ブームでアジアといえば韓国しかないように思い、あるいはネット右翼のせいで人類には日本人と朝鮮人しかないように思わされている気がする。
北アイルランドやルワンダ、コソボ、ボスニア、ギリシャとトルコ、アルメニアとアゼルバイジャン、オセチアとチェチェンもネット右翼と似たような心理状況の人がいるかも知れない。
とにかく今私が感じることは極左テロと石油ショックの70年代、急速な右傾化と不況の90年代にはさまれた80年代は温泉のような時代であったということだ。あの当時の日本が丁度良い按配だった気がする。あまり現在のアイドルほど痩せていない80年代のアイドルのボヤーンとした表情を見て、つくづく懐かしく思うのであった。