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少し経済通の人と意見の交換をしてみた。
経済にかけては、間違いなくKより知識と実績を持つ人である。仮称をHさんとしておく
以下はKとHさんの会話の流れである。(言葉は要旨であり、実際の会話とは多少違っている)
「都会の方では、景気は回復していると言いますが、本当でしょうか?」(K)
「一部の企業の利益が伸びているというのは本当です。しかし、悪いところは依然として悪く、全体的な売り上げが伸びていると言うことはありません。」(H)
「売り上げが伸びていないと言うことは、デフレは脱却していないし、依然として不景気である。と言うことでしょうか?」(K)
「一部の場所で地価が上がっているし、確かに一部の人たちの購入能力は強くなっています。しかし、格差社会の勝った者の購入能力が伸びたと言って、全体的な景気が良くなっているわけではありません。一般的生活者の購入能力は低下傾向ですし、僕とするとまだまだ不景気の中だと思っています。確かに一時の「どん底」に比べると多少良くなった。と言う部分はあることは、あります。マスコミはその一部のデータを誇張することによって、心理的な誘導をしている部分があります。しかし、それは必ずしも悪いことではないでしょう。不安感がやわらぐことで、景気は多少は良くなります。」(H)
「小泉総理の構造改革は成功していますか?」(K)
「僕は小泉氏のメッセージそのものは、意味があったのだろうと思っています。しかし、日本の経営陣には、メッセージを正確に受け取れる人材が少なかったので、結局は成功しなかった。と、見ています。」(H)
「どういう事でしょう?」(K)
「企業には、寿命があります。それは人生に比べれば短い物です。当初、成功した企業でも、常に変化する状況に対応して創意・工夫をしなければ、たちまちの内に寿命は尽きてしまいます。小泉氏は「変わらなければいけない」というメッセージを出しました。しかし、多くの企業は「人件費節減・リストラ」による安売り競争に走ったのです。僕に言わせれば、人材を犠牲にしたコスト削減は改革なんてものではなく、縮小再生産策であり、企業を駄目にする事だろうと思っています。中国の労働コストは日本進出後2.5倍にはね上がりました。残る労働市場はインドだけというのが、業界の認識です。ここに来て、一部の企業は生産拠点を海外から日本に引き揚げはじめました。やっと、生産コストに頼った安売り競争では、根本的な問題の解決にはならないと気づきはじめたと言うことです。」(H)
「その意見にはKも賛成するところがありますが、では、常に変化する状況にどう対応するのが良いのでしょう?」(K)
「例えば、コンビニを作ったとします。当初はかなりの収益があったとして、近くに新しいコンビニが出来れば、利用は減ります。それなのに「今まで売れたのだから、これからも同じにやれば売れる」と思うのなら、やがて倒産するのが当たり前でしょう。市場の購買能力は多少の変化があっても、それほど急激には変化しません。購買能力が100の市場で、当初出来たコンビニは100の購買を受ける可能性までありますが、同じようなコンビニが近くに出来た時点で、予想購買は50程度になるのが、当たり前ですが、今の日本に多いのは、この時「今まで良かったのだから、頑張っていれば、いずれ、また良くなる」という考えの人と「採算が減ったから、従業員の給与を減らそう」という考え方の人が多いのです。どちらも間違っています。頑張っていて良くなるとしたら、近くのコンビニと五分の勝負をしているのなら、購買能力が200程度になった時ですが、これはほぼ永遠に来ないでしょう。待っているのは倒産閉店です。給与を減らした場合は、職員の質の低下に繋がります。場合によっては能力のある職員は辞め、損得勘定もできない職員だけが残ります。その場合、ライバル店とのサービスの質に差ができ、顧客がライバル店に利用を変更すれば、結果的には倒産閉店でしょう。つまり、この場合の対策は、創意工夫をして、ライバル店より良いサービスを展開するか、取り扱い商品を増やし、購買能力を大きくする。しかないわけです。付加価値を付けて顧客を引きつけるか、今まで以上の顧客をターゲットにした。商品を加える事業拡大策です。」(H)
「確かに、そうですが、今は、安いことこそ最大のサービスという市場でもあると思いますが」(K)
「もちろん、コストの低下は最大限の努力が必要です。しかし、それをリストラ等に頼ってはいけないのです。労働条件が悪ければ優秀な人材は集まりません。企業は生命体のような物です。良い細胞を育てるには良い栄養が必要なように、次の世代というのを考えた時には、従業員は大切にしなければいけません。ガン細胞のような従業員が出来てしまえば企業の寿命は尽きてしまいます。」(H)
「分かります。KもそのようなことをインターネットのHPなどで主張しています。でも、今は海外資本も日本に進出してきて、グローバリズムなどとも言われていますが、労働者のコストを犠牲にして迎え撃たなければ、生き残れないと言う人もいます。」(K)
「日本の技術力は、未だに世界TOPレベルです。創意・工夫をすれば、諸外国に引けを取ることはありません。なにより、日本人の方が日本のことは分かっています。日本人と欧米人では文化が違うのですから、日本人が本当に必要とする物が日本人より外人の方が分かるという事はないでしょう。」(H)
「そのような部分もあるでしょうが、現に外国資本に押し込まれている部分は多いとも思います。」(K)
「郷土のために出来るだけ郷土で商品を買うという考え方があります。日本の将来のためには出来るだけ日本で商品を購入するべきでしょう。少々割高でも、それによって、将来の年金制度などの支えになるのなら、それを選択する人も多いでしょう。日本人が日本製の商品を買うということは、日本企業の倒産を少なくし、失業率の悪化を防ぎ、ニートやフリーター対策にもなり、景気回復にも繋がり、財政改革と年金制度などにも良い効果になるのです。」(H)
「今、売っている商品の値段という目先の利益に囚われず、長期的視点に立った、商品購入をするべきということですね」(K)
「僕に言わせれば、政府の失政ではなく、企業経営者が何も分かっていないことが、最大の問題点だろうと思います。企業は寿命のある生命体として考え、何か問題があれば、それは病状と考えて、早期に適切な治療をすべきですが、それをしない経営者が多すぎるのです。」(H)
まあ、日頃のKの主張とダブル部分は多いけど、Kとは違う視点という物もあり、参考になる意見だと思ったので、引用させていただきました。文中では、Kの解釈による解説の意味合いの「翻訳的変換」もしています。
まあ、分かっている人は分かっているのだと感じたKでした。