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(回答先: “丸腰国家論”=究極的な抵抗の理念 投稿者 如往 日時 2006 年 4 月 11 日 16:08:48)
良心党・愚考さん、レスが遅くなって申し訳ありませんでした。
(そしてレスありがとうございます、如往さんも)
皆さんの意見を遅まきながら今日少しじっくりめに読みました。
そして、某氏の意見はツッコミどころ満載であることに気付きました(笑)
見かけの説得力に惑わされていたようです。データっぽいものに弱いということもあるようです。
軍事的知識がない、ということの先入観に自分で負けてしまっていたようです。
良心党・愚考さんご指摘のように、それらしい「現実」論にすっかり騙されてしまっていたようでもあります。
で、まあ、ここで某氏を批判するのもどうかと思うので(某氏が阿修羅に投稿してくれるなら別ですが)、某氏の論とは直接関係のない点について、改めて思ったことを書かせていただきます。
一つは、国連のことです。たまたま家に「国連の活動と世界」という国連紹介本があったので、ちょっと読んでみたのですが、安全保障理事会のあり方が大いに問題だなと思いました。良心党・愚考さんが、世界の丸腰国家化への実現過程のうち国連が関わる部分について、まずは総会で決議をして、その後で安全保障理事会に決議を求めていく、という二段階を踏む、という主張を展開されているのは、まさに現実を踏まえたご意見だなと思いました。
というのは、
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<国連:総会と安全保障理事会の対比>
総会は、「全加盟国の代表から構成され、すべての国に1票」が与えられていて、「平和と安全保障に関する勧告」の表決については「出席し投票した加盟国の3分の2の多数決が必要」。
安全保障理事会は、常任理事国5カ国(アメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシア)と、10カ国の非常任理事国から構成される。理事国がそれぞれ1票の投票権を持つ。
手続き事項以外の決定には、全常任理事国5カ国の同意票を含む9票が必要。常任理事国が「拒否権」(反対投票)を行使すれば、9カ国の賛成投票があっても、決議案もしくは提議は否決される。
憲章に基づき、すべての国連加盟国は安全保障理事会の決定を受け入れ、それを履行することに同意している。国連の他機関が各国政府に勧告を行うに留まるのに対し、安全保障理事会のみは決定を行使する権限をもつ。全加盟国は憲章に基づき、その決定を受け入れ履行する義務がある。
(参照文献:「国連の活動と世界」(財)日本国際連合協会著、三修社)
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ということなので、表決のしやすさということを考えると、あの戦争好きであちこちに戦争の種を蒔いて歩いているアメリカが拒否権を握っている安全保障理事会よりも、総会の方が、「『丸腰国家への武力行使禁止』決議を求める」場所としては適切なわけですよね。
ただ、良心党・愚考さんも認識しておられるとおり、決議を「実効あるもの」とするには、やはり安全保障理事会にもご登場願って、丸腰国家に対して武力を行使した国に対して「安保理の常任理事国が武力制裁を加えるという保障を求め」ていく必要がある、と。
今ごろ納得していてすみません(苦笑)。
それにしても、安保理のあり方、さらには国連のあり方、大いに問題ですね。
本来ならば、総会での決議こそ、強制力を持つべきなのに、安保理での少数の大国の我侭が強制力を持つような仕組みになってしまっているわけですから。
アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国が常任理事国であり続けることの妥当性の問題も大いにあると思います。
丸腰国家論についての話に戻すと、全世界の丸腰国家化を進めるためには、国連の存在(存続)は重要ですね。
それから、今気付きましたが、丸腰国家に武力行使をした国に対し「安保理の常任理事国が武力制裁を加えるという保障を求める」ということは、常任理事国は武力を保持し続けることを前提としてしまっていますね。
これは、「国連軍が武力制裁を加える」というふうに訂正した方がいいのでは。
この案のままでは、アメリカ含む常任理事国が特権的に軍事力を保持し続けるということを暗黙のうちに了承してしまっていることになりやしませんか?
安保理のあり方が今の常任理事国5カ国体制であり続けるなら、この五カ国は軍事力を保持し続けてしまうかもしれません。
それでは、「22世紀は軍備のない地球に」、とはならないのでは。
国連軍は存続し続けた方がいいかもしれませんが(国連軍をなくしても紛争が起きないなら国連軍もなくすに越したことはありませんが)。
まあ、この段階はだいぶ先のことにはなるでしょうが・・・
市民ができることとしては、やはり、「軍隊を持っているとはいいながら、その軍隊を隣接国とのいざこざ(本格的戦争など出来ない軍事力であるから)や国内治安部隊として活用している程度の国」に対して「軍隊を捨てて丸腰国家となって平和を保とうと呼び掛ける民間レベルの国際運動」でしょうね。
後、国連の改革(改革という言葉も誰かさんのせいで嫌な響きを持つ言葉になってしまいましたがこの場合はいい意味の改革)を呼びかける、と。
アメリカなんか除名するくらいの勢いが必要でしょう。
そこで、忘れるところでしたが二点目です。
先の本「国連の活動と世界」によると、
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国連は、70年代を第一次「軍縮の10年」、80年代を第二次「軍縮の10年」と指定し、1982年に国連本部で開かれた第二回軍縮特別総会では世界軍縮キャンペーンを発足。
この特別総会には、
18人の国家元首ないし政府首席、44人の外務大臣が出席。
全体で140カ国以上が参加し、軍縮、平和、安全保障の問題についてそれぞれの主張を述べ、これらの問題に関して進展が見られないことに懸念を表明。
世界47カ国の450の非政府組織からも3000人を超す代表が出席し、53の非政府組織並びに22の研究所の代表が発言した。
加えて、全世界の各種組織、団体、個人から、何百万人もの署名を添えた何千という書簡、請願、アピールが国連に寄せられた。
特別総会の期間中には、世界中で数多くの市民デモが行われた。
しかし、これらのことは、ほとんど何の実りももたらさなかった。数々の密度の濃い交渉が行われたにもかかわらず、特別総会においては軍縮の包括的な計画について、ないしは軍拡競争を停止させ方向転換させるための特定の行動については何ら合意に至らなかった。
特別総会は、核戦争の危険について深い懸念を表明し、加盟各国に対してできるだけ早く核戦争を避ける方策を審議するよう促した。
失望のうちに、特別総会は第一回軍縮特別総会の最終文書の有効性を再確認して幕を閉じた。
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とのことです。
冷戦中であったということも大きな要素ではあるかもしれませんから、今同じようなキャンペーンをすれば今度は成功するという可能性もあるとは思いますが、これと同じ轍を踏まないようにすることが必要だと思います。
そのためには、なぜ軍縮がこれだけ叫ばれ続けているにも関わらず軍はなくならず、戦争もなくならないのか、ということを考える必要もあると思います。
某氏の言うような軍事的知識(戦争をすることによる費用対効果を考える)はではなく、なぜ軍備がなくなる方向に行かないのか。より具体的には、なぜアメリカはあちこちに戦争の火をつけて回るのか。
軍産複合体を儲けさせるためだと言ってしまえばお終いかもしれませんが、それ以外にもいろいろ「奴ら」なりの戦略があるのでしょうし、そこを潰す必要もあるでしょう。
軍産複合体やそれに寄りかかっているアメリカ等の政府の仕組みを暴くことも必要でしょうね(私自身はまだ詳しくは知りませんが)。
なんか、結果的にワヤクチャさんの意見に近くなってしまったようです。
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アメリカが戦争を起こしているという暴露がもっと必要ではないでしょうか?
http://www.asyura2.com/0601/senkyo20/msg/818.html
投稿者 ワヤクチャ 日時 2006 年 4 月 02 日 21:26:26: YdRawkln5F9XQ
現実的でない気がします。
http://www.asyura2.com/0601/senkyo20/msg/844.html
投稿者 ワヤクチャ 日時 2006 年 4 月 03 日 22:42:40:
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私は、どっちを先にするという問題ではなく、両方同時並行でいくべきだと思いますけどね、つまり、「アメリカが戦争を起こしているという暴露」と、丸腰国家推進運動の両方を同時にやっていくべきだと。
もちろん、丸腰国家論が世界軍縮キャンペーンのような単なる軍縮呼びかけ運動(だと思うのですが;違ったらごめんなさい)と違うところは、呼びかけの対象国が
「軍隊を持っているとはいいながら、その軍隊を隣接国とのいざこざ(本格的戦争など出来ない軍事力であるから)や国内治安部隊として活用している程度の国」
である、ということであり、
かつ、軍縮でなく完全なる軍備ゼロを最終目標としているところですね。
また、「(丸腰国家)クラブへの加盟は軍隊の即時廃止を意味しない。軍隊を廃止するのは安保理から保障を勝ち取った後である。」
というのもポイントですね。極めて現実的なやり方だと思います。
【良心党・愚考さん】
>人類の歴史を振り返れば分かるように時代は変遷して来ました。
>これはなにを物語るかといえば、「現実的でない」新たな思想・思潮が現われて、その時代の現実を塗り替えて来たことを物語っているのです。
>詰り、現実的でないと想った新たな思想・思潮が現実には起こり続けて、人類社会は変遷して来たのです。
【如往さん】
>「現実によって現実を批判することはできない。理想によってこそ現実は批判できる。」(矢内原忠雄)
【heart】
現実と理想との関係について、同感です。
最近ある人と話をしていて考えついたのですが、理想を常に持ちつつ、現実をしっかり見て現実の中からこれという芽を見つけ、それを理想の方向に育てていく、というスタンスでいきたいと思っています。
如往さんが「政治的には良心党・愚考さんと同じ構えと方法を貫きたいと考えています」とのことですが、私もたぶん同様のスタンスだと思います。大先輩相手にこんなことを言うのもちょっと気がひけますが。
【良心党・愚考さん】
>右翼左翼などと言う言葉を嬉々として使い、自分は中道だとして、自分の位置付けに走っているような論説は殆ど読む価値がない、と常日頃から想ってます
>(論説はその論説で十分に説明着くはずですから、それ以上のものを飾りとする必要はないのです)。
【heart】
なるほど。そうですね。
私も以前は、右翼、左翼というレッテル貼りをする傾向がありました(特に右翼の方)。
でも阿修羅でいろんな意見を見るようになってからは、そうでもなくなりました。
自分と近い意見か否かは気にしますが、右か左か真ん中(真ん中なんて人はまずいないと思いますしそれが実質どういう立場なのかわかりませんが)なんてことは本質ではないですね。
【如往さん】
>マハトマ・ガンディーの時代には向かうべき敵や働きかけるべき味方がはっきりしていましたが、今日では敵はより強大になり味方はかぎりなく離散して不透明になっています。
>確かに情況は困難さを増すばかりです。
【heart】
マハトマ・ガンディーの時代のことはわかりませんが、今の時代はかなり混迷してますね。
味方がそんなに離散しているのかどうかはよくわかりません。
yu-min-yuさんが管理板で書いていらっしゃいましたが(http://www.asyura2.com/0601/kanri10/msg/583.html)、
「反戦と格差是正」については、ある種の人たちは皆共通認識を抱いているのではないかと思います。また、反グローバリゼーション(ないしオルターグローバリゼーション)を考えている人は世界中にいると思いますし、その点において十分結集できる気がします。
【如往さん】
>「当事者意識の喚起を働きかける」ための「仕掛け」
【heart】
多くの人の当事者意識の欠如は私も最近強く感じています。
仕掛けがなくても当事者意識を持てる人はいいですが、そうでない人には「仕掛け」がないとだめなのかもしれませんね。
【如往さん】
>私は現在プルードン流のFederalism(連合主義)を視野に入れたAssociation(協同体)論の構築や実現のための「仕掛け」について探究してゆきたいと考えています。
私も今更ながらアソシエーションなるものに興味を抱いています。
気付いたらアソシエーション論者と同じような考えをもつようになっていたので。
如往さんの研究のこと、また追々聞かせてくださるとありがたいです。
もちろん私自身でも勉強しますが。
お二人とも、どうもありがとうございました。