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先日、サンデープロジェクトで「貯蓄残高がゼロの人は23.8%」という数字が示された。
格差が広がっていると実感する人は「87%」と言う数字も示された。その後、平均給与収入は1995年時点では大手・中堅・中小企業でそれぞれ、722万・552万・425万であったものが、2004年ではそれぞれ、732万・500万・367万というデータが出され、更に1995年時点の正規社員とパート社員はそれぞれ、3779万人・1001万人だったものが、2005年の7月では3372万人・1650万人に変化している。
まあ、このデータから判断すれば、約4人に1人が「預貯金ゼロ」で、正規社員という意味での「雇用は確実に悪化していて」、更に大手企業以外の職業の人の給与収入は大幅に悪化していると分析するしかなく「当然ながら格差社会になっている」と約9割の人が実感するのは当たり前だろうと思う。
それに対し、自民党の中川政調会長は「数字のマジックで、1995年と2004年というような比較ではそうなっているが、小泉総理になってからは、少しずつではあるが改善している。最近は景気も回復しているし、87%の人が本気で格差が広がり悪くなっていると考えているのなら、5割を越えるような内閣支持率がある訳がない。」というような主旨の反論を行った。
それに対し、社会民主党と共産党は反論のデータを見せようとしたが、時間の関係でうやむやにされて、何となくだが「実感には乏しいが、景気は確実に回復し、収入もこれから増えるはず」との流れで、小泉行革は「これから、効いてくる」との印象で終わった。という感じであった。
確かに、最近のマスコミの発表では「景気は回復基調・労働者賃金は上昇の兆し」というデータが使われる事が多い。
で、少し、データを当たってみる事にした。
http://www.saveinfo.or.jp/kinyu/stat/data2005/data2005-02a.pdf
を見ていもらいたい。とりあえず、2ページ目を見ると「中央値」なる数字があるのに気づく人は気づくと思う。
これが、マスコミの数字のトリックを解く鍵である。
2004年のデータでは「一世帯あたりの金融資産保有額は平均1022万円である。」
オイオイとKは思う。日本人は、まだ、そんなに裕福なのかよ。という思いがする。で、その横に「中央値430万円」との数字がある。
その次の表の下(3ページの下部)に「ひと口メモ」があり、そこに中央値の説明がある。簡単に言えば「平均値は一部の超高所得者が数値を引き上げてしまうので、別に中央値を示した」と言う事である。
仮に賃金10万円の人が9人いて、9910万円の人が1人いれば、平均給与は1000万円であるが、実際には9割の人が食うや食わずで苦しんでいる。と言う事になる。
USENの宇野社長はライブドアの株をフジテレビから自前の資金で買い取った。
95億円と言う事であるが、親からの会社を引き継いで巨額な資金を持っていたと言うわけではない。親から会社を引き継いだ時には、違法な電柱の使用などで「実質的には300億円の負債があったのと同じ状況だった」のだそうである。
宇野氏の手腕は大した物であり、決して揶揄する気はないが、少なくとも「あの若さで、親から会社を引き継いでから、今までに約395億を稼いでなければ、計算が成り立たない」と言う事だけは確かである。
前に、元ホリエモンの右腕だった投資家が23億円で「宇宙旅行の権利を買った」ということもあったが、このような超高額所得者を「平均値に組み込んだ場合にはデータとして実体を示していない」のだろうとKは思う。
時間のある人は「暮らしと金融なんでもデータ」をじっくりと読んで研究してもらいたい。
http://www.saveinfo.or.jp/kinyu/stat/stat-00.html
大元のデータは概ね2004年くらいまでだが、TOPページ下部の方に平成15年度末〜17年度末までのデータもあるようである。
ちなみに個人預貯金残高は平成15年から17年3月までの推移では654兆・円655兆・円648兆円となっていて、15〜16年では横這い、17年3月では「減っている」
中川政調会長は「どんな数値を基にして、小泉内閣になってからは改善してきている」と発言したのかは不明だが、僅かに「都市部・大企業」は上向き加減の所もあるが、それは「労働者のタダ働きの犠牲に依存し、パート労働者・中小零細企業などを泣かせ、地方を切り捨て、海外の低コストの地域に生産拠点の移転を行う(見方を変えれば日本を見捨てて)。」という手法によって、為されたものであり、一部の会社・一部の人に「富が集中しただけ」である。平均値は若干上がったとしても、その恩恵にあずかれる人はごく少数であり、大多数の庶民の暮らしは全く良くなっていない。
定率減税の廃止、中古家電の販売規制、等の政策は貧乏人を直撃してデフレに逆戻りになるとKは予測するが、更に「消費税アップ」となれば、それこそ「首吊りか、犯罪に賭けるという選択を選ぶ人が増える」に違いない。
防衛力強化・国連常任理事国入り、集団的自衛権の確立も良いが、その前に「国民が生きられる国にしてくれ!」とKは考える。
国民がこぞって、海外脱出を考えるような国ならば、守る価値などない。