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ホロコースト否定禁止、EUに拡大か 法制化の動きに波紋
http://www.sankei.co.jp/kokusai/europe/070118/erp070118000.htm
【ベルリン=黒沢潤】欧州連合(EU)内で、ナチス・ドイツによる第2次大戦中のホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の事実を否定したり、ナチスのシンボルである「カギ十字」を公の場で掲げたりすることを禁止しようという動きが出ている。一部の加盟国は「言論の自由」が制限されるとして反対姿勢を示しているほか、カギ十字を「平和」の象徴とするヒンズー団体も猛反発しており、法整備までには紆余(うよ)曲折がありそうだ。
この動きは、EU議長国のドイツが主導しているもので、15日のEU会合で正式に提唱された。
ユダヤ人約600万人の命を奪ったナチスを生んだドイツでは、ホロコーストの否定発言をしたり、公の場でナチス式の敬礼をしたりすることは懲役刑(最大3年)の対象となる。ヒトラーの著書「わが闘争」も出版禁止だ。類似の法律は、オーストリアやベルギーなど4カ国にもある。
EUでは今月、ルーマニアなどが新規に加盟したことで欧州議会(定数785)内で新たな極右会派が結成されたほか、ホロコーストを「神話」と語るイランのアフマディネジャド大統領が先月、ホロコーストを検証する国際会議をテヘランで開催したことから、ドイツはEUで明確な方針を打ち出したい考えだ。
欧州委員会のフラティニ副委員長(司法担当)もドイツに賛同。「こうした動きは、欧州に人種差別主義者の『安息地』はないのだという警告になる」と強調している。刑期については、各国に一任する構えだ。
加盟各国はホロコースト否定発言を厳しく非難することでは一致しているものの、英国など3カ国は「言論の自由」が制限されるとして法導入に慎重な姿勢を崩していない。英国では2005年、ヘンリー王子が友人宅の仮装パーティーでナチスの制服を着用し、物議を醸したことがある。
2年前にEU議長国だったルクセンブルクは加盟国に対し、ドイツと同様の働きかけをしたが、ベルルスコーニ・イタリア右派政権によって阻止された経緯がある。
「言論の自由」制限だけが反対の理由ではない。冷戦崩壊前、旧ソ連の衛星国だった東欧のEU加盟国は、ナチスのシンボルだけでなく、共産主義のシンボルも禁止すべきだと主張している。
EUのこうした動きは英国やオランダなど5カ国に拠点を持つヒンズー団体から猛反発を招いている。同宗教にとってカギ十字は5000年も前から「平和」を象徴するもので、団体幹部は「ヒンズー教の結婚式でカギ十字は最大の敬意が払われる。(米国の黒人差別主義者グループ)KKKが火を付けた十字架を持ち歩くからといって、十字架を禁止するつもりか」と憤慨している。
■ホロコースト否定禁止の動きに対するEU内の各国の立場
<法整備国>ドイツ、オーストリア、フランス、スペイン、ベルギー
<慎重国>英国、スウェーデン、デンマーク
(2007/01/18 02:33)