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□「日本核武装」論とマスコミ [JANJAN]
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マスコミ料理教室15 「日本核武装」論とマスコミ 2006/11/04
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メディアに突きつけられた3つの選択肢
「北朝鮮の核」を機に暴発した「日本核武装論」は、日本の政治とメディアに次のような重大な「三択」を突きつけている。
(1)「米国の核の傘」の下で憲法を変え、集団的自衛権を自由に行使するのか、
(2)国是「非核三原則」をかなぐり捨て「独立した核国家」を目指すのか、
(3)憲法9条の理想と精神を世界に伝え、国際平和を生み出す努力をするのか
『産経』のコラム「産経抄」は【「中川発言」という瓢箪(ひょうたん)から駒が出たようだ。自民党の中川政調会長による「核保有の議論はあっていい」の一言が千里を走る】(10月19日付)と書いた。
それもひとつの「主張」ではある。インターネット上には「月刊核武装論」と題するサイトまであるほど「非戦」「非核」の戦後コンセンサスは崩れている。中川昭一・自民党政調会長があえて核武装議論を仕掛けたことは、イラク自衛隊派兵以来、急速に進む日本の「臨戦体制」作りが新たな段階に突入した証左だ。
議論において「過激論」は、耳障りがよく、刺激的で分かりやすい。時として議論の主導権を握ることがある。戦争放棄の憲法や、「核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませず」非核三原則の国是を、「平和ボケの権化」「醜い国の象徴」のように切り捨てる主張が勢いを増す今日のマスコミ論壇の中では、【核保有の問題をもてあそぶかのような発言は慎むべきだ】とする『朝日』社説(20日付)のような主張は、「メッセージ性が弱い」と切り捨てられる。「私は非核論者だが議論はすればいい」という中川発言の意図は「瓢箪から駒」ではなく、周到に練られた「世論作りの一環」だからだ。
豹変する政治家・安倍晋三
危険な政治家・安倍首相の最大の問題は、「一貫性のない発言」である。歴史観、憲法・国防・外交といった基本政策について、これほど発言が豹変する政治家も少ない。2002年5月、小泉内閣官房副長官をしていた安倍首相は、早稲田大学での講演で「日本核武装論者」をぶち上げている。
「自衛のための必要最小限度を超えない限り、核兵器であると、通常兵器であるとを問わず、これを保有することは、憲法の禁ずるところではない」と言い切った。だが、総理になったとたんに「中川発言」が問題化すると、「非核三原則の原則は、一切変更がないと申し上げておきたい」(10日、衆議院予算委員会答弁)と君子豹変した。
政治家が過去の自分の発言を、十分な説明をせずになし崩し的に変えるのは豹変どころか「詐欺」である。「タカ派政治家・安倍晋三」の思想と行動を支持してきた支持者はどう思っているのだろうか。『読売』が【ブレーンたちの間に戸惑い】(22日付)と書いているが、「戸惑い」程度ですむ話ではない。安倍ブレーンは君子豹変を厳しく批判すべきだし、「安倍さん、あなたは何をしようとして総理になったのか」「総理になったとたんに主張を変えるなら総理なんて辞めてしまえ」と問い詰めるべきだと思う。
「醜い国」のビーンボール
安倍首相と歴史観を共有する中川昭一・自民党政調会長が花火を上げたことは、安倍首相の「美しい国」のかたちを指し示している。「安倍ブレーンの1人」といわれる中西輝政・京大大学院教授が編著書『「日本核武装」の論点―国家存立の危機を生き抜く道』(PHP研究所)の中で「日本核武装の現実的な手順について」考察、「核タブー意識が強い日本国民の意識を変えるために大いに議論を進めること」を主張している。中川発言は当然その路線上にあるはずだ。君子豹変した安倍首相に対する「ブレーン」からのビーンボールかもしれない。
改憲論議もそうだが、今後の「核武装論議」の行方でも鍵を握るのはマスコミの主張である。「日本核武装」を主張するのも結構。核武装に反対するのも結構。マスコミ、とりわけ世論形成に影響力がある全国紙は、読者に社論を公開し、対立する社論を持つ新聞と真正面から議論をすべきだろう。言論の世界で「日本核武装論」を交わすことは何ら問題がないし、仮にそれが中西教授の「思う壺」となったとしても、政治家やそのブレーンと称する人たちの思惑議論よりはよほど意味がある。
冒頭に書いた「三択」のどの道を選ぶのか、第4の選択肢があるのか――『朝日』も『読売』も腰をすえて考えて欲しい。「北朝鮮は再実験をするのかどうか」を追いかけるより、数百倍、意味があるはずである。
(松尾信之)
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