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□【SUNDAYウォッチ】危ういほど過熱!北朝鮮報道 [JANJAN]
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【SUNDAYウォッチ】危ういほど過熱!北朝鮮報道 2006/10/16
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先週のテレビニュースは、ワイドーショーも含めて朝から晩まで北朝鮮報道一色に近かった。“北の金さん”の注目度は安倍さんをはるかに凌いだ。国連の制裁決議が採択された昨日(日本時間15日)、ほとんどの局の「日曜ニュース特集」は『北朝鮮特番』と化した。日本のマスコミ報道と世論は「熱しやすく冷めやすい」とよく指摘される。危うさを覚えるほどの“熱狂報道”だった。
■報道2001(フジテレビ)
●北朝鮮核実験と国連制裁
ゲスト:麻生太郎外相/小此木政夫・慶応大学教授/青山繁・独立総合研究所々長
9日、北朝鮮が「核実験を行った」と発表した。極微量の放射能が検出されたとはいえ、実験は成功したのか、それとも失敗だったのか、いまだ判然としていない。
(核実験だったのか)確証はない。常識的には核実験はやったけれども、部分的にしか成功しなかった。半分位しか爆発しなかった。2回目をめぐって外交合戦になっている〜小此木氏〜
部分成功。ごく限られた爆発だった。持っているプルトニウムも限られているので、政治効果を計って2回目の実験を行う〜青山氏〜
中国と共に鍵を握るアメリカの出方はどうなるのだろうか?
去年あたりからはっきりしてきた。血を流さないで金正日体制を排除することで、決まっている。麻薬、ニセ札、ニセたばこ、秘密口座は、金正日が軍部に(金品を)渡すための資金源となる。これらのしめつけに乗ったのが中国だった〜青山氏〜
制裁決議を受けて日本で問題になってくるのが「船舶検査」である。相手船舶が拒否することも、十分に考えられる。強制力、この場合武力を伴っての検査である臨検は可能なのか?
麻生外相は―
船舶検査はできる。給水はできる。撃たれて(米軍に)水だけ渡して、ハイそれだけというわけにはいかない。法律を改正するのか、最前線は米軍にやってもらうのか、考えなければならない・・・としながらも、(海事は)P3C哨戒機を持っているので、どこに行っても追跡できる・・・と武力行使につながる臨検には慎重な姿勢を示した。
制裁決議は、北朝鮮に対する禁輸を国連加盟国に義務づけた。北朝鮮の国民を餓死などに追い込みはしないかとの懸念がJanJanのご意見板にもあった。
小此木教授は「すべてを禁輸しようというわけではない。そこらを間違ってとらないでほしい」と冷静に受け止めるよう視聴者に促した。
●緊急安全保障会談
タイトルからしてこの番組らしかった。
ゲスト:小池百合子・首相補佐官と韓国、米国の安全保障担当者を衛星中継で結び討論した。
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番組評価
ゲスト:★★★
MC回し:★★
映像と演出:★★
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■関口宏のサンデーモーニング(TBS)
●北朝鮮核実験と国連制裁決議
レギュラー評論家陣のコメントは以下の通り―
核とミサイルを持てばアメリカは攻撃できない、と北朝鮮は思っている。核もミサイルも持たざるを得なくなったのは金融制裁のせいだ。アメリカが…ということを何度も強調している。北朝鮮は賭けに出ている。挑発をエスカレートさせてくるだろう〜辺真一・コリアリポート編集長〜
(北朝鮮の核保有を認めてしまったら)恐怖の均衡、という言葉があてはまる〜浅井信雄・国際政治学者〜
国際社会がこれ(北朝鮮の核保有)を許しちゃったら、やった者が勝ちになる。国際社会が一枚岩になってあたらなければならない〜幸田真音・作家〜
今回は特別コメンテーターに軍事アナリストの小川和久氏を招いた。
「パキスタン、インドは米国にとって使い途がある。だが北朝鮮は厄介もの」―米国が北朝鮮の核保有を許さない背景を述べたものだが、米国のご都合主義を上手に言い当てている。
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番組評価
ゲスト:★★★
MC回し:★★★
映像と演出:★★★
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■日曜特集(NHK)
●北朝鮮にどう向き合うか
ゲスト:麻生太郎外相/森本敏・拓殖大学大学院教授/小島朋之・慶応大学教授/平岩俊司・静岡県立大学教授
「北朝鮮のねらい」「制裁決議の背景」「6カ国協議」「米国の思惑」「中国の思惑」「日本の対応」などを聞いた。
武力行使につながる臨検について麻生外相は、以下のように語りフジテレの「報道2001」同様慎重な姿勢を示した―
臨検は海上封鎖。北朝鮮から見れば宣戦布告となる。臨検に参加するのか、後方支援に徹するのか、法体系を整備する必要がある。オーストラリアやアメリカに連絡して不審船を追いかける方法もある。
日本独自の制裁については「もし2度も3度も(核実験を)やるようであれば、考えなければならない」と含みを残した。
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■サンデープロジェクト(テレビ朝日)
●北朝鮮制裁決議を受けて
ゲスト:麻生太郎外相/小池百合子・安全保障担当首相補佐官/森本敏・拓殖大学大学院教授/鈴木勝也・前日朝国交正常化担当大使
司会の田原総一朗とゲストとのやりとりは以下(要約。意味がとおるように所々言葉を若干変えています)―
田原:こんな弱いもの(制裁)で効果があるのか?
森本氏:(北は)核は廃棄しない。だが核の拡散は防げる。よくこの決議を中国が飲んだなと思う。日本海に米軍が入ってくるのを中国は嫌っていたからだ。米中間でディール(取引き)をした可能性がある。
田原:ライス国務長官が18日来日するが、何を話し合うのか?
森本氏:船舶検査をどのタイミングでやるのか。金正日のレジーム(体制)チェンジ。核が(他国に)渡るようなことがあればアメリカはすぐに手を打つが、それまでは真綿で締め上げる。(米政府の)「奥の院」はホワイトハウスと国防総省。太平洋艦隊には必要な司令が出ている。
森本氏は現役の幹部自衛官時代にワシントン駐在武官を務めた経験もあり、米政府の軍事動向に詳しい。
北朝鮮がもし軍事行動を起こせば、在日・在韓米軍が報復攻撃に出、完膚なきまでに叩きのめされるのは目に見えている。北朝鮮とて自滅するような道は選ばない―こうした仮説が対北強硬派、柔軟派を問わずに結構ある。
日朝国交正常化大使とKEDO(韓半島エネルギー機構)大使を務めた鈴木勝也氏が鋭い指摘をした。以下鈴木氏のコメント―
これで北の核問題が片付くとは思わない。金正日には「滅びの美学」がある。「北朝鮮が崩壊する時には地球を壊す」と言っている。行政(関係各国政府)の側もそれに気を付けないといけない。
―鈴木氏が日本側の最高責任者として北朝鮮で軽水炉型原発を建設していたKEDOは、「トロイの木馬だ」として平壌から煙たがられていた存在だった。それだけ内部に入っていた。鈴木氏は「金王朝」の体質をよく知る人物である。鈴木氏のコメントには耳を傾ける必要があろう。
コーナーも終盤にさしかかった時だった。視聴率を意識してか、田原が得意の挑発を繰り出した。
アメリカの核を日本に持って来てもらうのはどう?
麻生外相:非核三原則がある以上それはできない。日米安全保障条約のもとに、米国が日本を守る約束を(私が)取り付けた。
森本氏:その議論は早い。
軍人ほど武力行使には慎重になる、と言われる。それを証明するような森本氏のコメントだった。口実を見つけて核武装に走りたがる政治家も危険だが、「安倍ネオコン政権はきっと核武装する」と幻影を膨らませるのも、同様に危うい。後者ほど世論操作に乗りやすいからだ。マスコミも「売らんかな」で双方をセンセーショナルに扱う。
「北朝鮮核問題」は、危機管理と報道のあり方を考えるのに良い機会ではないだろろか。
●日本はどう対処すべきか
ゲスト:中川昭一・自民/斉藤鉄夫・公明/松本剛明・民主/小池晃・共産/阿部知子・社民
以上各党の政策責任者に聞いた。
「日本は核武装すべきか」といったテーマも設定され、「サンデープロジェクト」は「朝まで生テレビ」と化した。
●北朝鮮核実験の真相
映像リポート
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番組評価
ゲスト:★★★★
MC回し:★★★★
映像と演出:★★★★
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■徳光のザ・サンデー(日本テレビ)
●北朝鮮核問題
●元木大介(元巨人軍)が落合・中日監督にインタビュー
番組の冒頭、徳さんがいつもの調子で切り出した。「(核実験で)北朝鮮が孤立するのか、国際社会が硬化するのか(ちょっとピンぼけ)。我らが元木大介が中日・落合監督に日本シリーズ直前の心境を聞きます」
どの局も北朝鮮報道まっしぐらであるのに、元木の落合監督へのインタビューを同列・同等に持ってくるのが、いかにもこの番組らしかった。徳さんの能天気ぶりが微笑ましく感じられた日曜の朝だった。
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番組評価
ゲスト:★★
MC回し:★★
映像と演出:★★
(竹谷昇)
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