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2006.10.7(その2)
森田実の言わねばならぬ[410]
マスコミを信用してはならない――日本のマスコミは政治権力と合体し国民を支配し圧迫する凶器と化した【16】
田村秀(新潟大学大学院助教授)著『データの罠――世論はこうしてつくられる』(集英社新書、2006年9月20日刊)を読む【4】
沖縄報道は「加工」されている
「人間は従順な動物である。どんなことにも馴れてしまう存在である」(ドストエフスキー)
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本書の第三章「偽装されたデータ?」のなかに「在日米軍の事件・事故は少ないのか?」という節がある。 著者は述べている。少し長い引用になるがお許しいただきたい(本書pp.133〜135)。
《世の中に氾濫するデータのなかには、いい加減なものや根拠が不明で評価できないものなどさまざまある。例えば、交通事故なども含めた事件の発生率では、沖縄の米軍のほうが沖縄県民より低い、との外務省沖縄担当大使の発言が、新聞記事となっていた。記事の全文は以下のとおりである。
「十六日に沖縄から離任する外務省の橋本宏沖縄担当大使は十四日の定例記者会見で、米軍の事件事故の増加傾向を認めながらも『最近では一人当たりの事件発生率では在沖縄米軍の方が沖縄県民より低くなっている』と発言した。大使は、沖縄県警の把握する数字や県民の人口などを基に計算したとしつつも具体的な数字は示さず、結論だけを述べた。また、米軍の事件発生率について『米軍キャンプの中の事件数は含まれていないが、傾向を把握し適切な措置をとる意味では重要だと思う』とデータの有効性を主張した」(日本経済新聞、二〇〇三年一月一五日)》
《反米感情の高まりを抑えたいという思惑――記事によれば、この大使は具体的な数字を示さず、結論だけを述べたとされている。近時、沖縄県における米軍人による死亡交通事故や婦女暴行等の凶悪犯罪が数多く報じられていることに対して、反米感情の高まりを抑えたいという思惑が働いたことは容易に想像できる。だが、冷静に考えてみると疑問点がいくつか浮かぶ。そもそも具体的な数字を示さずに、高いとか低いとかを論ずること自体、比較の名に値しないナンセンスなものである。さらに、この記事に書かれた大使の発言からも明らかなように、米軍キャンプの名嘉での事件・事故数は含まれていない。沖縄県民に関してはいつ、どこで起こした事件・事故であろうと統計に含まれているが、米軍人に関しては、キャンプ外での事件・事故しか含まれていないのである。》
そして田村氏はこう結論する。
《ここまでして同胞の沖縄県民ではなく、米軍をかばう外務省の姿勢はまさに対米追随外交そのものであり、情けないの一言に尽きる。》(本書p.136)
田村氏の指摘は正しい。田村氏の勇気ある正義の発言に敬意を表したい。
日本経済新聞の記事のなかに「反米感情の高まりを抑えたいという思惑」が働いたことは否定しがたいことである。日本経済新聞、産経新聞、読売新聞の3紙は「従米新聞」と言われているが、それにしてもひどすぎる。外務省の姿勢も卑屈そのものだ。恥を知るべきだ。
政府・外務省、大新聞社がこぞって従米主義に陥り、世論を誘導し、でっち上げのデータで日本国民をマインドコントロールしようとしているのだ。悪質である。われわれ国民は、マスコミによるマインドコントロールの罠にはまらないよう、心しなければならない。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C02961.HTML
森田実の時代を斬る―
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/TEST03.HTML
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