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□日テレの見識を疑う、小泉政権賛美番組 [PJニュース]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2467880/detail
日テレの見識を疑う、小泉政権賛美番組
【PJニュース 09月20日】− 日本テレビが製作した特別番組「小泉純一郎を知っているか?」が18日夜、放送された。番組は、小泉純一郎政権誕生、北朝鮮訪問、郵政解散などの舞台裏を描く再現ドラマと、間近に迫った自由民主党総裁選挙の候補者(麻生太郎・外務大臣、安部晋三・官房長官、谷垣禎一・財務大臣)を迎えて次期首相の政策を○×形式で問うインタビューから構成されていた。
再現ドラマは、小泉首相がいかにリーダーシップを発揮して諸問題に立ち向かったのかを中心とする内容で、自民党総裁の任期切れに伴う小泉総理の辞任を前に、マスコミに話題を振りまき続けた小泉首相を精一杯持ち上げた。また、総裁候補へのインタビューでは、「小泉流」を受け継ぐのか否か、踏み絵のようなインタビューが続いた。エンドロールでは、特攻隊員たちの絶筆を前に落涙する小泉首相の映像を流し「特攻隊員への思いが靖国参拝へとつながったのかもしれない」「次の首相は小泉劇場の続きをどう描くのか」と締めくくった。
現政権への賛美を繰り返し、次期政権に小泉政治の継承を強要するかのような内容。私は、このような番組を作った日本テレビの見識を疑う。
マスコミを含め、報道ジャーナリズムの責務は、第一に、政治の監視である。政治は、常に市民の側にあるわけではない。そもそも、市民の望むがままに政策を決定するのは政治ではなく、10年後、20年後の豊かな実りのために種をまくのが政治であり、将来のために市民を説得するのが政治である。その説得が論理的であるか、正当なものであるかを監視するのがマスコミの使命であり、現政権に対しては、批判的であってしかるべきである。
高い支持率を維持した小泉政権ではあったが、政権の評価は、在任中の支持率のみで評価されるものではないだろう。小泉政権が蒔いた種がいかに実ったのかを検証して初めて、政権の評価たりうるのではないだろうか。在任中に膨らんだ国債残高、格差社会の拡大、不安定な社会保障システム、アジア外交の行き詰まり、解決されなかった拉致問題など、次期政権に託された課題も多いが、長い時間をかけてこれらの「影」を真摯に評価することによって、小泉政権の「光」も見えてくるに違いない。その点で、小泉政権の政策の結果が何一つ見えていない時点での小泉礼賛番組は時期尚早で軽率である。
番組のインタビューの最後は、次期総裁候補に「私の内閣も日テレがドラマ化するはずだ」との質問であった。この質問の醜悪さに気づかないのであれば、日本テレビは政権の広報部へと成り下がる。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJニュースはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 林亮一【宮城県】
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2006年09月20日04時43分
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