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http://www.tokyo-np.co.jp/00/hog/20060901/mng_____hog_____000.shtml
半径十−二十キロ程度を受信エリアとするコミュニティーFM局。地元密着型番組や、地震など災害時のきめ細かな情報発信で、地域の大切な“ライフライン”ともいえるが、採算性という壁に悩む局も多い。こうした中、経営スタイルの工夫や、局同士の連携強化で、生き残りを図る動きも始まった。「防災の日」の一日、いざという時に頼りになる身近なコミュニティーFMに周波数を合わせてみては−。(藤浪繁雄)
コミュニティーFMは一九九二年一月に制度化され、総務大臣の許可を得た局が全国各地で放送を流している。「bayfm」(千葉県)、「NACK5」(埼玉県)といった県域放送より出力が小さく、市町村などをエリアとする。八月二十五日に「RADIO BIRD」(鳥取市)が開局し、二百一番目の局となった。開局の動きは盛んだが、「当初の運転資金として最低でも一億円は必要」(関係者)との声もあり、スポンサー不足や資金難などで、閉鎖した局も五カ所あるという。
そんなコミュニティーFMが注目を集めるのが災害時だ。最近では、一昨年の新潟県中越地震の際、電気、水道など細かな生活情報を流し、住民の大きな力となった。その長所を生かすため、大半の局が加盟する「日本コミュニティ放送協会」は本年度、「全国防災安全委員会」を設置。災害時には近隣局が設備、人員面を支援する態勢を整えていく。費用は協会の資金で負担するという。
同協会の常務理事で、「いちかわFM」(千葉県市川市)の杉田英明社長は「防災無線を一から整備すると億単位の資金が必要。その点FMは効率的だし、しっかりした情報を提供できる。自治体の期待も大きい」と語る。災害時には番組を急きょ中断、自治体の防災担当セクションから直接情報を流す「緊急割り込み放送」ができる局も増えているという。
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とはいっても、災害時の対応だけではFM局は維持できない。九〇年代は「もうかる」というビジネス面の期待感から開局が相次いだが、最近は経営スタイルの変化も見られるという。地域メディアの実情に詳しい武蔵大学助教授の松本恭幸さんは「地域活性化のため、各地域の有志が中心となり、地元の出資者を集めて開局する例が増えた」と話す。「第三セクター型」ではなく、「NPO(民間非営利団体)型」が目立ってきたようだ。
放送作家の石井彰さんは「地域のつながりが求められている時代。受信エリアが十万人規模のFM局は、ちょうどいいスケール」と“地域の目”を説明する。ただ、特色のある番組づくりにおおむね悩んでいて、「一般市民に周波数を合わせてもらうためには、プロの技術が必要」と指摘する。
さらには、関東は空き周波数が少なく、新規開局が難しい。杉田さんは「地上テレビ放送が完全デジタル化する二〇一一年になればFM帯に空きが出る。そうなれば状況は改善すると思う」と、コミュニティーFM空白地域の減少を期待するが…。
独自番組の制作に悩む、コミュニティーFM界にあって、こうした局を“拠点”に活動する音楽ユニットも現れた。沖縄出身の二人組「キジ☆ムナ」で今春から、四十七都道府県すべてで出演するのを目標にコミュニティーFMを回っている。
棚原南夫(なお)と内田恵太はともに一九八四年生まれ。昨年上京し、自主CDの制作や路上ライブを展開している。今年四月から北海道の「FMアップル」(札幌市)を皮切りに、列島を南下中だ。各地の局で音楽観を語りつつ、楽曲を紹介する。
■拠点として活動 「キジ☆ムナ」
二人は「路上ライブの告知をすると、効果もすごく大きい」と話す。現在関東地方を回っていて、先日は「かわさきFM」(川崎市)の番組に生出演した。番組パーソナリティーの久野喜民さんは、武蔵小杉駅近くで度々路上ライブを開く二人に、「地域になじみがあるし、歌にパワーがある。応援したいですね」と評価する。
二人はあと一年かけて郷里の沖縄までたどり着く予定。「一回りしたら恩返しのつもりで、成長した姿を見せたいですね」と“コミュニティーFMの星”を目指す。
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