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推定無罪はNGワードか [どん底あるいは青い鳥。]
http://www.asyura2.com/0601/hihyo3/msg/507.html
投稿者 white 日時 2006 年 8 月 25 日 23:59:07: QYBiAyr6jr5Ac
 

□推定無罪はNGワードか [どん底あるいは青い鳥。]

 http://donzokoblue.blog55.fc2.com/blog-entry-123.html

2006/08/25

推定無罪はNGワードか

「ペドファイルはアジアを目指す」の典型のようにも思えるジョンベネ事件のカー容疑者。元妻が「ジョンベネが殺害された日には彼は現場から200km離れた自宅にいた」と証言し、その模様を撮影したビデオまであるというから「私がジョンベネを殺した」は十中八九容疑者の妄想であると思われる。

そんなのでどうして逮捕したのかも不思議であるが、この事件に携わる郡検事の言葉を伝える日本のニュースで「推定無罪」という単語の「あるなし」の違いが目についた。引用元はすべて8月18日のウェブ記事である。


「答えられません。捜査はまだ初期段階」。17日、コロラド州ボールダー郡で会見した郡検事は、容疑者逮捕で物的証拠などがあったのかを聞かれ、苦渋の表情。「容疑者は現時点では推定無罪だ」と強調し、事件解決の結論に安易に飛び付かないよう警告した。(SANSPO.COM)
http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200608/sha2006081901.html


海外の記事は以下のようになっている。


"John Karr is presumed innocent," she (Boulder District Attorney Mary Lacy) said, adding that investigators had "much more work" to do and urging people not to rush to judgment.(CNN.com)
http://www.cnn.com/2006/LAW/08/18/ramsey.arrest/index.html


ところが「カー」と「推定無罪」で検索をかけたところ「推定無罪」という検事の言葉を伝えた日本の記事は、他にはTBS News-iしかない。


「容疑者が合理的疑いの余地なく有罪と言えるまでは、推定無罪として捜査を続けます」(コロラド州の地方検事)(TBS News-i)
http://72.14.235.104/search?q=cache:T2avXOiLrd4J:news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3360275.html+&hl=ja&gl=jp&ct=clnk&cd=1&lr=lang_ja


他の新聞社のウェブ記事ではどうなっているか。


コロラド州の地元の検事は17日に記者会見したものの、「結論に飛びつかないように」と話し、容疑の細部の質問に一切答えなかった。逮捕にどれだけの根拠があるのか、メディアも測りかねている模様だ。(朝日)
http://www.asahi.com/international/update/0818/005.html
レイシー氏は…「証拠分析が現在も続いている。容疑者を逮捕した現在でも、やるべきことが多く残っている」とした。…また、ジョンベネちゃんの父親、ジョンさんの言葉を引き合いに出し、「結論や判定を急がず、憶測を避け、司法制度を十分に機能させるよう、気を配ってほしい」と、過熱する報道陣に自制を求めた。(産経)
http://www.sankei.co.jp/news/060818/kok023.htm
コロラド州ボルダー郡のマリー・レイシー検事は同日、会見を開いて「捜査はまだ初期段階」と強調した。(毎日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060818-00000030-mai-int
捜査に当たるコロラド州ボールダー郡のレイシー地方検事は記者会見で「完全かつ慎重な仕事をさせてください」と報道陣にくぎを刺した。(東奥日報)
http://www.toonippo.co.jp/tokushuu/danmen/danmen2006/0818.html


CNNでは「John Karr is presumed innocent」と真っ先に来ている「推定無罪」「無罪と推定される」を、日本の新聞がそのまま訳して伝えようとしないのはなぜなのだろう。「推定無罪」は禁句か何かなのか? 日本のメディアには何か、その言葉をストレートに伝えるのを憚る理由でもあるのだろうか。

確かに日本のメディアには、推定無罪という意識はない。だから鈴香事件みたいな報道も平気でできる。


過熱した事件報道、消えた「推定無罪の法理」
…浅野健一氏は、一連のテレビでの事件報道について「テレビ報道には、当局に捕まった市民に対し、裁判で有罪が確定するまでは無罪を推定されるという無罪推定の法理を尊重する姿勢が全くない」と批判する。
「…NHK、共同通信も含め、当局に捕まった瞬間から、被疑者を犯人と断定している。その後は、DNAが一致した、タイヤ痕がどうしたとか、殺害をほのめかし始めたなど捜査当局がリークした情報を裏取りもせずに垂れ流している。こうした情報源、情報の入手ルートが全く明示されず、『一致した』『分かった』などと書いて、根拠もなく捜査を神聖視する…」。
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2057917/detail?select_id=41


こうした決めつけ報道を繰り返しているメディアとしては「推定無罪」という言葉が読者の間に根づくのは都合が悪い…という意識でも働くのか。


推定無罪は「何人も有罪と宣告されるまでは無罪と推定される」という立証責任の考え方に基づいた近代刑事法の基本原則である。…狭義では刑事裁判における裁判官の自由心証主義に対する内在的な拘束原理としての意味のみで用いられる。(引用元)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8E%A8%E5%AE%9A%E7%84%A1%E7%BD%AA


この「自由心証主義」というのは、決して「こいつがやったに違いない!」という「全体的な印象」などではなく、そもそもは個々の証拠の有効・無効の判断に関する話らしい。


自由心証主義とは、訴訟法上の概念で、事実認定・証拠評価について裁判官の自由な判断に委ねることをいう。(引用元)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%94%B1%E5%BF%83%E8%A8%BC%E4%B8%BB%E7%BE%A9


推定無罪の原則により、裁判は本来「被告は無罪」からはじまる。その上で個々の証拠が吟味され、それらに被告による犯罪があったと証明する力があるかどうかを裁判官が自由に判定し、クロを支持する証拠が十分にあれば初めて有罪と判断する…という流れなのだろう。

ところが日本の現状はどうしても最初から被告を有罪だと見做しているとしか思えない判決が多い。「被告は有罪という心証」からはじめて、その心証を完全に覆す証拠が出ない限りは有罪と判断する。「有罪の証拠」を探して曲解に曲解を重ねることもある。


石川さんの筆跡資料と脅迫状の間の「相違性」を指摘したのですが、私の主張が「類似性」を主張したことになっていたりと、裁判所は、論理を無視した「超論理」で私の証明を退けました。(「数学者が見た狭山裁判の疑問点は」より引用)
http://mytown.asahi.com/ishikawa/news.php?k_id=18000130601290001


日本の裁判にそうしたものが多いというのは、とうに意識されていることらしい。


残念なことに、自由心証ではなく恣意的心証による判決が稀でないのが、刑事訴訟法施行五〇年の現状である。(「自由心証は恣意的心証ではない」より引用)
http://www.rikkyo.ne.jp/~araki/naraki/gyouseki/mini/keiso50.htm


推定無罪の頭がしっかりあれば、恣意的心証による誤判のかなりの部分が防げるのではないだろうか。だが日本では、メディアの側にもそうした裁判の在り方を指摘しようという姿勢はない。それどころか「推定無罪」を注意深く隠して「こいつがやった」と騒ぎ立てる。


2009年から裁判員制度が導入されるが、「推定無罪の法理」を無視し、マスコミ報道による予断と偏見を持った裁判員に裁かれるのでは、刑事裁判の信頼性が問われる。
…「警察が逮捕=犯罪者=有罪認定」というまるで江戸時代並みの単純な考えがまかり通るならば、1967年に茨城県利根町で起きた布川事件の再来は避けられない。「推定無罪の法理」という法律の世界の常識を口にしただけで、「人殺しの味方」とレッテルを貼るのは問題がある。(引用元)
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2057917/detail?select_id=41


そういえば「なぜそんなヤツの弁護をするのか」といった幼稚な声に対して「弁護人がつくのは被告の権利だ」と諭すメディアもあまりない。日本の報道にはもしかして「国民の頭を未熟なままにしておきたい」という壮大な意図でもあるのだろうか。


▽この記事に対するコメント

メディアが裏づけを取らずに聞いたことを受け売りし、それを聞いた人たちが自分で考えずに鵜呑みにするのは、上に立つ誰かにとってその方が便利だから、ということもあるかもしれませんが、単に人間があんまり発達してない動物だからという理由の方が大きいような気がします。渦中の人がもし自分だったら、デマカセとも思えるあやふやな報道で全国の人から「あの人はああだこうだ」と思い込まれることがいかに辛いか、ちょっと考えれば分かりそうだけど分からない。
鈴香さんも同様、彗星の事件のマリーナ・バイさんも同様。あの人の告訴状には、ホロスコープに関する発言は法的手続きのための形だけのものしかありませんでした。彼女が書いた他の文章でも同じです。でも「私のホロスコープが歪んで商売上がったりだ、賠償しろ」と強調した、と報道され、ロシアのメディアから流れた文章が世界中のメディアでそのままコピーされて流されました。私はかなり徹底的に探したのです。それで「おかしいなあ」と思っていたら、ご本人から「私はそんなことは言ってない」と伺いました。まあ、ロシア語の告訴状まで探して翻訳して読み、わざわざ本人に問い合わせるなんてのは余程の物好きのすることだとは思いますが、それくらいしないとメディアにだまされるのが現実であるようです。
鈴香さんの場合は、ご本人のまとまった発言がないし、彗星の件とは性格が違うので同じ方法で考えるわけにはいきません。でも、やっぱり何かおかしいなあ、と思うので、せめて裁判で有罪が確定するまでは無罪の市民として扱ってくれるように願っています。無断で家を取り壊すなんてのも、暴挙ではないでしょうか。あれは結局どうなったのでしょう。秋田県警に彼女の心身の基本的な健康に留意して下さるよう手紙を書きました。みんなに忘れ去られて推定有罪とされて実はもしかして無実だったら。。。少なくとも、私は鈴香さんでなくてよかった、と思うので、せめてもの応援です。
posted by 葉子 | 2006/08/25 | [edit]


▽関連記事

□ジョンベネちゃん事件は終わらない!容疑者供述で深まる謎 [サンケイスポーツ]

 http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200608/sha2006081901.html

ジョンベネちゃん事件は終わらない!容疑者供述で深まる謎

 1996年に起きた米コロラド州の美少女、ジョンベネ・ラムジちゃん=当時(6)=殺害事件で、タイで逮捕された元教諭、ジョン・マーク・カー容疑者(41)が「薬物を飲ませて性的暴行をした」と供述していることが18日、分かった。しかし検視では遺体から薬物は検出されておらず、アリバイでも“食い違い”が浮上。注目を浴びようと犯人に名乗り出た可能性も指摘されており、米捜査当局は慎重な姿勢を示している。

容疑者が逮捕され、発生から10年ぶりに全容解明に向かうとみられたジョンベネちゃん殺害事件。しかし、事件の闇はまだまだ深いままだ。
「答えられません。捜査はまだ初期段階」。17日、コロラド州ボールダー郡で会見した郡検事は、容疑者逮捕で物的証拠などがあったのかを聞かれ、苦渋の表情。「容疑者は現時点では推定無罪だ」と強調し、事件解決の結論に安易に飛び付かないよう警告した。
容疑者について疑念が生じているのは、供述の信憑性だ。AP通信がタイ警察高官らの話として報じたところによると、カー容疑者は「薬物を飲ませ性的暴行をした」と供述。誘拐を試みたが、うまくいかず首を絞めたとも話したという。また事件当日、ジョンベネちゃんを学校で車に乗せ、家まで連れて行ったともしている。
事件は96年12月26日早朝に発覚した。母親が自宅階段で、子供を誘拐したとして身代金11万8000ドル(約1370万円)を要求する脅迫状を発見。数時間後、自宅地下室で、ひもで首を絞められ死んでいるジョンベネちゃんが見つかった。
検視結果では、遺体から薬物は検出されておらず、体液も付着していなかった。事件当日はクリスマス休暇で、学校は休み。さまざまな面で供述に矛盾が生じる。ジョンベネちゃんの父親はカー容疑者について「まったく聞き覚えがない」としており、どうやって自宅の地下室に入ったのかについても謎が残る。
カー容疑者の前妻はテレビで「クリスマスシーズンはアラバマ州で一緒にいた」と証言。父親は「模範的な息子。事件に非常に興味があり、それに関する本を書きたがっていただけ」とデンバー・ポスト紙に語った。
カー容疑者は01年、児童ポルノを所持していた罪で訴追され、教員免許をはく奪されて離婚。その後、日本の大阪など世界各地を転々とし、タイには過去5年間で5回入国している。
今年5月にはバンコクの小学校で教職を得たが「生徒を脅かす行為があった」として1カ月で免職。今回は、子供に再び被害が及ぶことを懸念しての緊急逮捕だったようだ。郡検事は「捜査が不十分でも、公衆に危険が及んだり逃走の可能性がある場合、逮捕する場合がある」と説明した。
APによると、この事件について著書のある作家は「事件に深い関心のある容疑者が、自分を事件の登場人物だと妄想しているのではないか」と推測。CNNは「世間の注目を浴びようとでっち上げたのでは」との見方を取り上げた。
捜査当局はカー容疑者のDNAと、ジョンベネちゃんの指のつめに残っていた、犯人のものとみられるDNAを照合する方針。物的証拠が事件解決のカギとなる。

★日本でも英語教師

カー容疑者が、クビになったバンコクの小学校で面接を受ける際、日本の学校での英語教師経験を履歴書に記載していたことがわかった。AP通信によると、同校関係者はカー容疑者の第一印象が良かったといい、「清潔で履歴書も信頼できるものだった」と話した。
カー容疑者は海外で教職を得ようと、国際的求人サイトに登録。ネット上に公開されていた履歴書によれば、01年まで米国の小学校で教師を務めた後、アジアや欧州、中南米を転々。02年にはソウルで子供向け英会話教室で勤務した。時期は不明だが、大阪に滞在していたとも記していた。

★電子メールがきっかけ

カー容疑者が逮捕されるきっかけは、4年前から米コロラド大のマイケル・トレーシー教授と交わした数百通の電子メールだった。
事件に関する同教授の3つの著作に、カー容疑者が興味を持ち交流が始まったという。メールには「これまで明らかになっていなかった内容を多く含まれていた」(関係者)ため、捜査当局は今年6月に教授から直接話を聞いた後に動きだしたという。同教授は「(メールで)心に引っかかる部分があり、検察に通報した。カー容疑者が犯人かどうかはわからない」としている。


□ジョンベネちゃん殺害、メールが捜査端緒 [TBS](キャッシュ)

 http://72.14.235.104/search?q=cache:T2avXOiLrd4J:news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3360275.html+&hl=ja&gl=jp&ct=clnk&cd=1&lr=lang_ja

ジョンベネちゃん殺害、メールが捜査端緒
 10年前、アメリカ・コロラド州でジョンベネちゃんが殺害された事件です。逮捕されたジョン・カー容疑者がある大学教授に送ったEメールが、逮捕につながる捜査の端緒だったことがわかりました。

 ボルダーの検察当局は17日午前、容疑者逮捕を受けての記者会見を開きましたが、前日のタイでの記者会見とは対照的に、捜査の中身については一切明らかにしませんでした。

 「容疑者が合理的疑いの余地なく有罪と言えるまでは、推定無罪として捜査を続けます」(コロラド州の地方検事)

 こうした中、地元の複数のメディアは、コロラド州立大学のある教授に対してカー容疑者が送ったEメールが捜査の端緒だったと伝えました。

 この教授はジャーナリズム論を専攻していて、ジョンベネちゃん事件のドキュメンタリーを制作中でしたが、カー容疑者とメールを交わすようになり、複数回のやりとりの中で、次第にその内容を不審に思うようになり、捜査当局に情報提供したということです。

 このメールについて捜査当局は、犯人にしか知り得ない情報が含まれていると判断、カー容疑者周辺の捜査を進めたものとみられます。

 ところで、容疑者逮捕の報を受け、現場周辺の住民たちには安堵の表情が広がりました。

 「ずっと事件を追いかけている人がいて良かった。犯人だといいけど・・・」(近所の住民)
 「とてもショックで驚きました。10年たっていきなり『解決』だなんて」(近所の住民)

 しかし、中には、なお被害者の両親への疑念を口にする人もいて、発生から10年、事件が地域社会に深い傷跡を残していることを印象付けました。
(18日10:18)


□米メディア、ジョンベネ事件の続報は慎重 [朝日新聞]

 http://www.asahi.com/international/update/0818/005.html

米メディア、ジョンベネ事件の続報は慎重

2006年08月18日10時46分 米コロラド州ボルダーで96年12月26日にジョンベネ・ラムジーちゃん(当時6)が絞殺された事件の容疑者がバンコクで逮捕されたことについて、米テレビはトップニュースとして取り上げながら、この段階で事件解決とまで言えないと慎重な姿勢もみせている。
 コロラド州の地元の検事は17日に記者会見したものの、「結論に飛びつかないように」と話し、容疑の細部の質問に一切答えなかった。逮捕にどれだけの根拠があるのか、メディアも測りかねている模様だ。
 容疑者がこれまで全く捜査線上に浮かんでいなかったことや、過去にジョンベネちゃんの両親に疑惑の目を向けた過熱報道があったことも、メディアの慎重姿勢の背景にあるようだ。
 検察の記者会見で明らかになったのは、逮捕が緊急のものだったということぐらい。ジョン・カー容疑者(41)がバンコクで小学校低学年の教員として採用される可能性があったことが影響したと報道されている。
 容疑者は報道陣のカメラの前でジョンベネちゃんの死にかかわったと認めたものの、「偶発的だった」とし、話の内容も遺体の発見状況と必ずしも一致しないようだ。報道では容疑者はコロラド州に住んだことがなく、別れた妻が事件当夜には別の場所にいたと話しているともいう。
 こうしたことから、テレビ各局は容疑者を「本命」と結論づけるには多くの疑問が残ると伝えている。容疑者はジョンベネちゃんや別の少女が殺された事件について調べていたと伝えられ、関心を抱くあまり直接かかわったと名乗り出た可能性も指摘されている。


□ジョンベネちゃん事件「全面解決遠い」 逮捕で会見 [産経新聞]

 http://www.sankei.co.jp/news/060818/kok023.htm

ジョンベネちゃん事件「全面解決遠い」 逮捕で会見  
【ロサンゼルス=松尾理也】1996年に米コロラド州でジョンベネ・ラムジちゃん=当時(6)=が殺害された事件で、捜査を指揮している同州のマリー・レイシー地方検事は17日、記者会見を行い、「今後やらなければならないことが山積している」と述べ、全面解決はまだ遠いとの認識を強調した。
 AP通信などによると、レイシー氏はコロラド州の捜査担当者がバンコクに派遣されていることを認めたものの、逮捕されたジョン・マーク・カー容疑者(41)の取り調べについては具体的な説明を避けた。その上で、「証拠分析が現在も続いている。容疑者を逮捕した現在でも、やるべきことが多く残っている」とした。
 また、ジョンベネちゃんの父親、ジョンさんの言葉を引き合いに出し、「結論や判定を急がず、憶測を避け、司法制度を十分に機能させるよう、気を配ってほしい」と、過熱する報道陣に自制を求めた。
 また、レイシー氏は「内偵が終了する前に容疑者を逮捕しなければならない理由があった」として、カー容疑者が逃亡したり、別の犯罪を犯す危険性があったことをほのめかした。
(08/18 09:47)


□<ジョンベネちゃん事件>米検事「捜査はまだ初期段階」 [毎日新聞]

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060818-00000030-mai-int

<ジョンベネちゃん事件>米検事「捜査はまだ初期段階」
 【ロサンゼルス國枝すみれ】米MSNBCテレビによれば、米捜査当局はジョンベネ・ラムジーちゃん殺害容疑でジョン・マーク・カー容疑者(41)を逮捕したが、17日時点で正式な司法手続きの開始を意味する刑事訴追はしていない。コロラド州ボルダー郡のマリー・レイシー検事は同日、会見を開いて「捜査はまだ初期段階」と強調した。
 ジョンベネちゃんの下着には容疑者の体液が付着していた。また、自宅に身代金を要求する手書きの手紙が残されていた。今後の捜査はDNA検査、筆跡鑑定により、同容疑者とこれらの物的証拠が結びつくかどうかが焦点となる。
 レイシー検事は物的証拠の詳細については明らかにせず、「公衆に危険が及んだり、逃走の可能性がある場合、捜査が十分終わらないうちに逮捕する場合がある」と説明。容疑者がバンコクのインターナショナルの小学校で教職についたため、子供への新たな危害の可能性があるとみて緊急逮捕した模様だ。
 カー容疑者の供述には物的証拠と食い違う点もある。同容疑者は逮捕後、捜査官に「(ジョンベネちゃんに)薬物を与え、性行為をした」と供述したが、遺体から薬物は検出されていない。
 捜査当局はバンコクにいる同容疑者の口内の粘膜を採取し、DNA検査を行っている。帰国後も再検査を行う予定だ。
(毎日新聞) - 8月18日11時2分更新


□ジョンベネちゃん殺害事件で容疑者逮捕/犯人扱いの両親苦悩の日々 [東奥日報]

 http://www.toonippo.co.jp/tokushuu/danmen/danmen2006/0818.html

ジョンベネちゃん殺害事件で容疑者逮捕/犯人扱いの両親苦悩の日々
 米国民の高い関心を集めながら、一九九六年の発生以来未解決で迷宮入りかとみられていたコロラド州の少女ジョンベネ・ラムジちゃん=当時(6)=殺害事件が、タイ・バンコクでの米国人元教諭逮捕という形で急展開した。この十年間、メディアから「犯人扱い」され、過熱報道の標的となって苦悩の日々を送ったジョンベネちゃんの両親。母親のパッツィーさんは疑いを晴らすことなく、今年六月、四十九歳の若さで病死した。一方で米テレビやタブロイド紙は相変わらず大々的な報道を連日続けている。

 ▽静かな抵抗

 「妻と私が受けたようなメディアの憶測を避けるため、限られたコメントだけにしたい」

 ジョン・マーク・カー容疑者(41)が逮捕された十六日以降、ジョンベネちゃんの父ジョンさんは短いコメントを発表しただけで、地元テレビの一回のインタビュー以外取材に応じていない。「容疑者」として自分たちを追いかけ回し、容疑者が逮捕されるや態度を変えたメディアへの静かな抵抗とみられている。

 クリスマス翌日の九六年十二月二十六日、ジョンさんが自宅地下室でジョンベネちゃんの遺体を発見、直後からジョンさんとパッツィーさんに疑いの目が注がれ始めた。

 ジョンベネちゃんが複数の美少女コンテストで優勝、母親も美人コンテストの女王、父親も会社経営者という家族構成を背景に、事件は連日大々的に報道された。

 捜査当局も二人が「容疑の傘の下」にいると言明。前妻らの殺害事件に絡むアメリカンフットボールの元スター選手、O・J・シンプソン氏の民事訴訟とも時期が重なり、過熱報道は増幅した。

 ▽冷静報道も

 「ジョンベネ犯逮捕」。十七日の米タブロイド紙には大見出しが躍り、テレビは事件の続報をひたすら流し続けている。

 その点では十年前と何も変わっていないともいえるが、一方で、かつての過熱報道を反省するかのように、カー容疑者の供述に疑問を投げかける冷静な報道も見られる。

 ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は「逮捕で新たな疑問浮上」との見出しで、いくつかの疑問点を指摘した。

 一つは、カー容疑者の元妻が米テレビに対し、同容疑者がジョンベネちゃん事件に異常な関心を示していたことは認めつつ、事件当時コロラド州から離れたアラバマ州で一緒にいたと証言していることだ。

 また、カー容疑者は「彼女が死んだ時一緒にいた」と話した。だが、どうやってジョンベネちゃんの自宅地下室に入ったかの説明はない。そもそもジョンさんらが疑われたのは、外部から侵入した形跡が薄いということが一つの理由だった。

 捜査に当たるコロラド州ボールダー郡のレイシー地方検事は記者会見で「完全かつ慎重な仕事をさせてください」と報道陣にくぎを刺した。

 ▽アジアを転々

 ラムジ夫妻が苦しんでいる間、カー容疑者は何をしていたのか。

 AP通信によると、カー容疑者は二〇〇二年二月から二カ月間、ソウルの英語学校で教師として勤務。また、日本の学校で教えていたと履歴書に記載していたとする情報もある。

 タイ捜査当局によると、カー容疑者は今年五月にバンコク市内の有名私立校の教諭に採用されたが「生徒をおびえさせる行為がある」としてわずか一カ月で免職となった。

 捜査幹部は「カー容疑者は数年前から米国に戻っていない。東南アジアを中心に転々としていたようだ」と語る。昨年六月からバンコクに滞在していた。

 地元紙記者は「バンコクでは未成年を売り物にした性産業が社会問題になっている。少女に興味があるカー容疑者には居心地の良い場所だったのだろう」と指摘した。


□数学者が見た狭山裁判の疑問点は [朝日新聞]

 http://mytown.asahi.com/ishikawa/news.php?k_id=18000130601290001

数学者が見た狭山裁判の疑問点は

2006年01月29日
  金沢大大学院助教授・半沢英一さん (56)

  ◆「超論理」筆跡の確率論無視 ◆

 埼玉県狭山市で1963年、当時16歳の女子生徒が誘拐・殺害された「狭山事件」で、無罪を訴えたが、無期懲役の判決を受け、確定した石川一雄さん=仮出獄中=と弁護団が、今春にも第3次の再審請求をする予定だ。かつて脅迫状の筆跡鑑定書を提出した金沢大大学院助教授の半沢英一さん(56)に経緯を振り返ってもらい、数学者の立場から見た判決の疑問点について話を聞いた。

 ――裁判にかかわるきっかけは

 冤罪事件だった弘前大学教授夫人殺人事件で、検察側の立証に使われた確率論の間違いについて論文を書きました。その論文を見た狭山事件再審弁護団から筆跡に対し意見を求められ、第2次再審請求の棄却決定に対する異議申し立ての補充書として、00年3月、「狭山事件脅迫状と石川一雄氏筆跡の異筆性」と題する鑑定書を提出しましたが、鑑定書を含む異議申し立ては02年1月に東京高裁で棄却されました。

 ――鑑定書では、脅迫状の筆跡は石川さんではない、と確率論を使って主張されていますね

 重要な証拠となった脅迫状は、「つ」→「ツ」など、ひらがなに対しカタカナ当て字が使われていたり、「し」→「知」というように万葉仮名も使われています。「刑札」(警察)といった漢字の誤用はありますが、文字自体の誤記はない、などの特徴があり、国語力の低さを偽装した可能性があると言えます。

 例えば、脅迫状に書かれた「な」の5文字すべてが右肩環状連筆です。右肩環状連筆とは、「け」の第2、第3筆、「す」「な」の第1、第2筆が連続して丸く書かれる文字を指した造語です。

 私は石川さんが書いた2年分の文字写真一覧を作成しました。その中に「な」は154文字ありました。そして、その中で右肩環状連筆といえるものは、可能性のあるものを含めて最大で9文字でした。

 ――つまり、当時の石川さんは「な」の第1筆と第2筆を離して書いており、「な」を右肩環状連筆で書く頻度は154分の9しかなかったということですか

 そうです。確率を使うと、政治や思想的な立場などいっさいの主観に関係なく、客観的かつ厳密に証明できます。書き癖は常に現れるわけではないので、確率を問題にしました。

 仮に石川さんが脅迫状を書いたとすると、脅迫状に右肩環状連筆の「な」が5文字あり、確率pの事柄が2回続けて起きる確率はpの2乗、3回続けて起きる確率はpの3乗という「確率の積の法則」から導くと、154分の9の5乗の確率である事象が起きたことになります。

 この確率を計算すると、0・000000681725という非常に小さい数字になり、石川さんが脅迫状を書いたとは考えにくいのです。

 ――だが、裁判所は異議申し立てを棄却しています

 石川さんの筆跡資料と脅迫状の間の「相違性」を指摘したのですが、私の主張が「類似性」を主張したことになっていたりと、裁判所は、論理を無視した「超論理」で私の証明を退けました。

 脅迫状に現れる文字は「え」の場合、カタカナを使わず、「え」または「江」で記され、「つ」はすべてカタカナの「ツ」が使われています。

 石川さんは当時、「え」を「エ」と書くカタカナ当て字の癖があったことを資料で示しましたが、63年からその書き癖が消えたことを根拠に、裁判所は、石川さんの当時の書き癖とは言えないと判断しました。一方で、同じ時期に「つ」を「ツ」と書く癖が消えており、同じように考えれば、書き癖と言えないとなるはずですが、その事実は気にせずに、石川さんが脅迫状を書いた根拠としています。こうしたダブルスタンダード(二重基準)は、「表が出たら私の勝ち、裏が出たらあなたの負け」と言っているのと同じです。

 ――今後の見通しは

 狭山事件をめぐっては、かなり政治的なバイアス(偏見)がかかっていると思わざるを得ません。弁護側は新証拠に依存するだけでなく、こうした「超論理」の構造を明らかにしていく必要があると思います。
(聞き手・平野圭祐)

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 ● 狭山事件と脅迫状 ●

 女子高校生が行方不明になった後、自宅に身代金を要求する脅迫状が届いた。被害者は3日後に遺体で見つかり、石川さんは別の事件で逮捕・起訴された後、この事件の容疑で逮捕され、犯行を自白した。石川さんは一審で死刑判決を受けた後、二審で否認に転じ、無実を主張。二審は無期懲役を言い渡し、最高裁で確定した。その後、2度の再審請求も棄却された。

 脅迫状の文面は、「刑札には名知たら小供は死」(警察に話したら子どもは死)など、文字の誤用が多く、裁判では、石川さんが脅迫状を書いたかどうかが大きな争点となった。石川さんは94年に仮釈放された。

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