★阿修羅♪ > マスコミ批評3 > 246.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
□何故、その推察が出るのだろう? [ウソ、大げさ、紛らわしい]
http://orehadonkaku.seesaa.net/article/20047285.html
2006年06月30日
何故、その推察が出るのだろう?
中高校生:不眠4人に1人、成人を上回る 10万人調査
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060630k0000m040153000c.html
中学・高校生の4人に1人が不眠を訴えていることが、日本大医学部の兼板佳孝助手(公衆衛生学)らの研究で分かった。10万人規模の調査で思春期の子どもの不眠の実態が明らかになるのは初めてで、不眠の割合は大人を上回った。大津市で開催中の日本睡眠学会学術集会で30日発表する。
研究は、厚生労働省の研究班(主任研究者、林謙治・国立保健医療科学院次長)の調査の一環。04年12月〜05年1月に、全国の中学131校、高校109校を無作為に抽出し、在校生に最近1カ月の睡眠状況や生活習慣、精神的健康度を質問した。回収数は約10万人(回収率64.8%)。
不眠としたのは(1)なかなか寝付けない「入眠障害」(2)夜中に目が覚める「夜間覚醒(かくせい)」(3)朝早く目覚めて再び眠るのが難しい「早朝覚醒」−−の3項目のうち一つ以上が当てはまった場合。その結果、不眠の割合は23.5%で、成人3030人を対象にした調査(1997年)の21.4%を上回った。
入眠障害は14.8%で、成人の8.3%より6.5ポイントも高い。逆に、夜間覚醒は11.3%(成人15%)、早朝覚醒は5.5%(同8%)で、成人より低かった。
不眠が多いのは▽男子▽精神的健康度が低い▽朝食を食べない▽飲酒習慣あり▽喫煙習慣あり▽部活動に不参加▽大学進学希望なし−−などと答えた生徒だった。【根本毅】
▽教育評論家の尾木直樹・法政大教授の話 悩んで寝付けないのは思春期にはあることだが、あまりに不眠の割合が高く、大変な事態だ。日本の中高生は、携帯電話のメールの普及で、友人づきあいがバーチャル化している。それが、大人が思っている以上のストレスになっているのではないか。
とりあえず、本文である中高生に対する調査とその概要、成人を対象にした調査との比較については良いとする(成人についての調査が古過ぎないだろうか? とか、調査規模が違い過ぎる、とか気になる部分は多々あるのであるが)。
それよりも疑問を感じるのは最後の尾木直樹氏の解説である。一言で言うのならば、この調査で何故その結論が出るの? ということである。
少なくとも、この記事にあるのは、睡眠障害を持っている中高生が23%ほどいる、ということ。その中で、特に入眠障害がある生徒の割合が高い、ということ。そして、そのような生徒たちは男子が多い、精神的健康度が低い…などといった傾向が見られた、ということだけである。ここでわかるのは、それだけである。
一方、尾木氏の解説はその原因が、「友人づきあいのストレスが原因」であり、しかも、「携帯電話、メールなどの普及でバーチャル化したから」というもの。一体、どういう根拠があって、そのような結論に達したのだろうか?
この結論に達するためには、いくつかのステップが必要にならないだろうか?
まず、睡眠障害を訴えた生徒たちが、友人づきあいにストレスを感じている、という調査結果が必要になる。次に、携帯電話、メールが普及する前と比較して友人づきあいにストレスを感じている人が増えている、という調査結果も必要だろう。ところが、そのような点については全く考慮されていない。
そもそも、この記事を見る限り、この調査を持って、「子供達に睡眠障害が増えている」という結論を出すことすらできない。なぜならば、時系列での調査が無いためである。「昔は、睡眠障害を抱える子供が少なかったはずだ」という前提は確かなのだろうか? 「凶悪な少年犯罪が増えている」という昨今言われている前提は、統計を見る限り間違いであるのと同じで。
調査の詳細を見れば、もっと色々とわかるのかも知れない。しかし、この記事を読む限りは、尾木氏の想像だけで全てが語られている、という印象しか持てない。