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田植えで忙しい中越地震被災地の新潟県旧山古志村(現・長岡市)の種芋原地区住民ら。18世帯、46人が住むこの地区への新聞宅配はない。(撮影:小田光康、5月24日)
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2026218/detail
【PJニュース 05月31日】− 中越地震の被災地、新潟県の旧山古志村(現・長岡市)種芋原地区で、震災のあった04年10月から現在まで、新聞の宅配が途絶えていることが31日、PJニュースの調査で明らかになった。長岡市によると5月22日現在、種芋原地区には18世帯46人の住民が暮らしている。現在でも市の通行許可が必要だが、同地区へは幹線道である国道352号線が復旧している。しかし、地元紙の新潟日報や、全国紙の朝日新聞や読売新聞、毎日新聞の各販売店による宅配はなされていない。
日本新聞協会(会長:北村正任・毎日新聞東京本社社長)は、新聞の宅配制度は全国一律に知る権利を守るためにあると主張する。そして、新聞の再販制度や特殊指定があるからこそ宅配制度が維持できると持論を展開する。だが、これら政府の保護政策にかかわらず、すでに宅配制度がほころび始めていることが浮き彫りになった。現在、公正取引委員会で議論されている、新聞の値引き販売を禁ずる「特殊指定」の撤廃問題にも波紋を呼びそうだ。
種芋原地区への新聞の配達は現在、同地区まで毎日往復している元住民によってまかなわれている。仮住まいするJR只見線越後広瀬駅周辺から、約10キロ、車で約20分の距離をボランティアで届けている。種芋原地区を担当する新潟日報の販売店は「種芋原まで直接行ける道はまだ開通していないため、宅配が出来ない状況だ。届けるにしても相当遠回りをしなければならない」と話した。
共同通信は今年、「新聞宅配−公取委の特殊指定見直し」 と題した特集記事を組んだ。その中で、「大地が震える中、吹雪が窓をたたく中、情報を待っている人がいた。道路が裂かれても、体が凍えても、一軒一軒のポストに新聞を届ける人がいた。地震や豪雪を乗り越え、紙に刷った情報を伝えてきた新聞の戸別配達(宅配)」と、豪雪地帯の中越地震被災地でも、宅配制度が機能していることを強調した。そのうえで、新聞の特殊指定が撤廃されれば、「過疎地での値上げや、宅配取りやめという状況も予想される。全国一律の『知る権利』が危機にさらされていることに懸念の声が広がっている」などと主張した。
公取委の職員は「新聞協会からは『中越地震で被災地の新聞宅配が続けてこられたのは、新聞の再販制度と特殊指定があったからこそだ』との説明を受けました。この見解は事実とは異なるのでしょうか」と首をかしげる。さらに「被災地だからこそ、新聞を値下げするなどして、被災者に尽くすことも考えられます。けれども、新聞社は特殊指定があるからか、それをしませんでした」と特殊指定の弊害を指摘した。
種芋原地区の住民は「新聞が来たとしても、朝早く届くわけではありません。テレビがあるので情報に不自由することはありません。山古志村でも今では携帯電話やインターネットが通じるので、それで新聞記事はチェックできます。知る権利が危機に?そんなことはありません」と語った。【了】
2006年05月31日12時21分