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>>およそ反省の無い記者会見だった。
「ボクが悪いのだから、起訴はしゃあない」と言いつつも、インサイダー情
報を利用したニッポン放送株の購入ではないことを強調、悪びれた様子はなか
った。
無理もない。村上世彰容疑者は法を犯したとは思っていない。罪を認めたの
は、東大同級生にしてパートナーの丸木強氏や滝沢建也氏を救うためである。
もっと正確に言えば、二人を残すことによってファンドを守るためである。
それがファンド出資者のためにもなるという“建前”が彼にはある。だから悪
びれない。
「(インサイダー情報を)聞いちゃっただけ」という村上容疑者の弁には、
それなりに説得力があった。
しかし逮捕後にマスコミは、検察からのリークを中心に「村上主導」の情報
を流すことによって、それを引っくり返す。
そんな報道の積み重ねによって、「一連のニッポン放送株事件の張本人は村
上容疑者」と、世論を誘導していった。いつもながらの「国策捜査」における
検察と一体となった事件報道である。それが悪いとはいわない。
村上容疑者の拝金思想や、上場企業を利用したマネーゲームには度し難いも
のがあり、経済事件に大きく舵を切った検察とともに、「企業秩序」のあり方
を問い、「市場の透明性」を求めるのもマスコミの役割である。
だが、「村上逮捕」が大物ヤメ検の則定衛弁護士を間に挟んだ検察と村上フ
ァンド側との「司法取引」によって成されたことは、報道すべきではなかろう
か。
村上容疑者は当初、絶対に容疑を認めないつもりだった。それは「証拠も残
しておらず、言質も与えていない」という自信からくる。
報道されている、「重要事項を村上容疑者が知った日」というのもあいまい
で、単なる雑談を「あなたはインサイダー情報を聞きましたね」と、検察が決
め付けているに等しい。
「共謀罪」のようなもので、調書への村上容疑者のサインがなければ、公判
はとても維持でなかったろう。では、なぜ村上容疑者は調書にサインしたのか。
それは、主要メンバー3人の逮捕が、ファンドの崩壊を意味するからである。
ファンドは出資者と細かく契約を結ぶが、その際、登録しているファンドマネ
ージャーが「死亡、事故、事件などで業務を遂行できな場合は自動的に解約」
されることになっている。
村上ファンドの場合、登録ファンドマネージャーは村上、丸木、滝澤の3名。
つまり検察の“脅し”のように主要メンバーが逮捕されると、その時点で村上
ファンドは崩壊、当然、村上銘柄は暴落し、それがファンド側の不祥事による
ものだから莫大な損害賠償請求訴訟を起こされる可能性があった。
「カネ儲けは悪いことですか?」
会見でそう問いかけた村上容疑者は、カネに執念を燃やした人である。ゆえ
に、シンガポール行きは、報道のような「検察捜査を察知して」というもので
はなく、節税が第一の理由だった。
村上容疑者が日本脱出を決め、シンガポールで事務所と住居を探していたの
は、まだ「村上捜査」が行なわれる前の、今年3月のこと。
05年はニッポン放送株や阪神電鉄株で莫大な成功報酬(ファンドマネージ
ャーは含み益が出ていれば値上がり分の約20%を報酬と受け取るのが通例)
をあげている。
そのために、日本より税金の安いシンガポールに移転、ファンドに蓄えた成
功報酬を、かの地で引き出すのが狙いだったと思われる。
もちろん熱狂的な阪神ファンなどによる脅迫で、日本が住みづらくなってい
たという事情もあろう。そうして「天下の嫌われ者」になってまでも稼いだカ
ネである。
不祥事で検察を辞めたとはいえ、「交渉能力」の点では使い勝手のいい則定
弁護士が、「私に任せてくれれば、君ひとりで終結させてやる」といえば、村
上容疑者は受け入れるしかなかった。
こうして事件はつくられる。それが「国策捜査」というものであり、そこま
でやるのが検察という組織である。
また、この時期の着手には、6月末で勇退する松尾邦弘検事総長が、とりわ
け経済警察への志向を強めていた人なので、その「花道」にしたいという検察
中堅幹部の思惑もあったという。
そうした実態を明かさず、検察のシナリオに沿って報道するのはマスコミと
しての責任放棄であり、「悪しき情報開示」を行ったという意味で、ホリエモ
ンや村上のウソと同じくらいに罪深い。>>