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□【SUNDAYウォッチ】村上を持ち上げた「インサイダー放送」 [JANJAN]
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【SUNDAYウォッチ】村上を持ち上げた「インサイダー放送」 2006/06/12
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月曜日の「村上代表逮捕」で幕が開けた先週は、「W杯開幕」「豪憲君殺害事件」「殺人エレベーター」など硬軟とりどりのニュースがテレビ画面を飾った。「日曜ニュース特集」では「村上インナーサークル」VS「反村上」だったテレビ報道を「インサイダー放送」と自己批判する局もあった。
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■報道2001(フジ)
サッカーW杯特番でお休み
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■関口宏のサンデーモーニング(TBS)
●豪憲君殺害事件、彩香ちゃん死亡事件
鈴香容疑者が自供始めた、と事実経過をサラッと。
●殺人エレベーター
メンテナンス会社の責任にするシンドラー社。日本国内、世界各地でトラブル相次ぐ。
レギュラー評論家と司会者のコメントは以下―
・日本ではシェア1%のところを無理して入ってきたんでしょうかね(関口宏)。
・エレベーターはタテの鉄道。入札にまかせると松の枝ぶりも悪くなる(造園家・涌井雅之)。
・メンテナンス会社は、シンドラー社に設計図を見せてくれと言ったが断られた(国際政治学者・浅井信雄)。
・安ければいいというのは、マンション偽装と似ている(評論家・大宅映子)。
毎年のようにメンテナンス会社が変わっている。事故、トラブル情報はひきつがれなかった。事例をフリップ(ボード)で示した。
●村上ファンド代表逮捕
堀江被告同様、村上容疑者についてもマスコミは時代の寵児と持ち上げてきた感がある。レギュラー評論家の慶応大学教授・金子勝のコメントがふるっていた。
「この問題で、テレビに出てコメントしているのは村上のインナーサークルと敵対勢力。利害関係者がやりあっている。『インサイダー放送』だ」
これを受けた司会者のコメントもまたツボを突いていた。
「私たちテレビ屋さんがこの問題をよくわかっていないのがよくない」
●ザルカーウィ殺害
浅井信雄(国際政治学者・元読売新聞記者)によれば、ザルカーウィは一部のテログループの責任者であって、イラクのテログループの最高責任者ではない。
ザルカーウィを殺害してもイラクでのテロは鎮静化しない、というのが本コーナーの趣旨だった。
●大沢親分と張本のスポーツご意見番
「シンドラー社に喝ーッ!」大沢親分の声が聞こえてくるようだった。
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番組評価
ゲスト:★★★★
MC回し:★★★★
映像と演出:★★★★
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■徳光のザ・サンデー(日本テレビ)
●豪憲君殺害事件、彩香ちゃん死亡事件
ご近所の証言、鈴香容疑者の半生、供述の検証などを延々1時間以上続けた。「秋田殺人事件特番」と化した、といえば相当に力が入っているように聞こえる。だが何のことはない。ワイドショーの映像をかき集めてつなぎ合わせただけだ。
「かわいそうな彩香ちゃん」「鈴香容疑者の好ましからざる過去」を強調し過ぎの感が否めなかった。視聴者は果たしてここまで感情的で、のぞき趣味なのだろうか。
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番組評価
ゲスト:★
MC回し:★
映像と演出:★
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■日曜討論(NHK)
●どう見る村上ファンド事件
ゲスト:経済評論家・内橋克人/企業買収コンサルティング会社社長・安田育夫
慎重な言い回しに終始して釈然としないコメントが目につくNHKだが、本コーナーは単刀直入でわかりやすかった。
村上ファンド立ち上げの際手伝ったという安田氏は次のように指摘した―村上容疑者はミスを強調していたが、すべての仕掛けをつくった人で、資金調達をした人だ。設立時は日本を変えたいと言っていた。変節したのは海外のクライアントから「日本を変えるなんてことよりも利回りを上げてくれ」と言われてから。
内橋氏の指摘は以下―ロイヤルティ(企業への忠誠)、滅私奉公など改めなければならない日本経済の問題点は多い。欠点を改善しないままグローバル化してしまった。歪みの二乗が今回の事件だ。
50年近く日本経済を見つめてきたという内橋氏は、「規制改革の落とし子だ」と重ねて強調した―我々は規制の組み換えを主張してきた。新しいものには新しい規制がいる。そう言うと改革を妨げるのかと非難された。
内橋氏は(村上ファンドやライドドアを)「時代の寵児のごとく持ち上げたマスコミに責任がある」と何度も何度も繰り返した。よほど腹に据えかねていたのだろう。
●少子化がなぜ止まらないのか
川崎二郎・厚生労働相に聞いた。
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番組評価
ゲスト:★★★
MC回し:★★★
映像と演出:★★
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■サンデープロジェクト(テレビ朝日)
●これでいいのか終盤国会
ゲスト:逢沢一郎(自民)、枝野幸男(民主)、高木陽介(公明)、小池晃(共産)、辻元清美(社民)
小泉首相は「教育基本法」「防衛省設置」「共謀罪」「国民投票法」といった重要法案を抱えながら会期延長をしないことを早々と宣言した。延長しない理由・背景は何か。与野党担当者に田原が迫った。
最初から盛り上げるねらいか。司会の田原総一朗は、野党の“斬り込み隊長”辻元氏(社民)に先ず水を向けた。
「どんどん規制緩和していった結果こうなった。規制緩和を進めたオリックスの宮内会長は村上の後ろ盾だった。小泉さんはメッキがボロボロ落ちるから早く国会を閉めたい」。辻元氏らしい舌鋒だった。
逢沢(自民)が「今国会は行革国会だった……」と言い返すと、田原は「一般論にしないで」と制した。
先送りになった法案のうち「防衛省設置」に田原がこだわった。「省」への昇格条件として公明党が次のような3条件をつけているからだ。
・憲法9条の範囲内での活動
・集団的自衛権の行使は認めない
・防衛予算の拡大を防ぐ
明らかに政府や自民党が進めている方針とは矛盾する。これを見直すということは日米間の政策をも大変更しなくてはならなくなる。自民が公明案をのむはずがない。何より外務省はテンテコ舞だ。次期政権も認めるはずがない。
「防衛省法案」は自・公連立を股裂きにしかねない。「多国籍軍に参加するのか」と迫る田原。「参加しない」と答える高木。額に油汗にじませる高木議員の表情が印象的だった。
「ここから国会が始まるのに、終わっちゃう」。田原の締めの言葉が事態を象徴しているようだった。
●村上ファンドの功罪
与謝野馨・金融財政担当相に聞いた。
内容はTBS「サンデーモーニング」、NHK「日曜討論」と同じく村上ファンドのインチキを批判するものだった。
ただ25%の経営者が、村上ファンドを評価するという日経の世論調査を紹介した。M&Aに詳しい弁護士の永沢徹氏は「これまでの経営者が株主を大事にしてこなかったという反省があるのでは」とコメントした。
【電視解剖】
最後に田原が総裁選について聞いた。ある月刊誌で与謝野氏出馬説が出ていることに触れて。「後ろ盾は中曽根さん?」
岸井成格・毎日新聞編集委員によれば、今どこに行っても与謝野氏の名前が出るという。福田元官房長官が出馬しなかった場合、ベテラン議員が与謝野氏を推すというのだ。
当の与謝野氏は「困っちゃう。家に帰れない」とテレながらも顔をピンク色に上気させていた。テレビカメラは見逃さなかった。9月の総裁選のダークホースとして躍り出る可能性は捨てきれない。何でもポスト小泉に結びつく今日この頃である。
●続いてサッカーW杯。日本初戦の相手であるオーストラリアの強さを探る映像リポート。
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番組評価
ゲスト:★★★
MC回し:★★★★
映像と演出:★★★★
(竹谷昇)