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(回答先: 【新聞ウォッチ】ため息…米国トヨタ社長のセクハラ訴訟(Response.) 投稿者 提供人D 日時 2006 年 5 月 21 日 20:33:20)
●JANJAN
セクハラは日本企業の文化なのか 2006/05/12
報道によれば、日本人の元秘書からセクハラ(性的嫌がらせ)問題で民事訴訟を提訴された北米トヨタ自動車の大高英昭社長が、辞任を発表した(8日)。元秘書は、出張の際に体をつかまれるなどの嫌がらせを繰り返しうけ、会社にも状況を訴えたが、会社が適切な対応をとらなかったとして、トヨタ、北米トヨタ、大高氏の3者に1億9000万ドルの損害賠償を求めている。
米国でセクシャルハラスメントという言葉が登場したのが1978年、日本にセクハラという言葉が入ってきたのは1989年、そして男女雇用機会均等法でセクハラ防止が義務付けられたのが1999年。セクハラという言葉が日本に入ってきたばかりの頃は、浮気や酔った上での「おふざけ」は男の甲斐性で、それに目くじらをたてる女性は大人ではないという雰囲気が強かった。女性は企業戦士に公私共に仕える存在ということか? それが日本の文化だというなら、情けない。
日本人がセクハラという概念を学んでから16年が過ぎたのに、同じようなことが繰り返される。私も在米の日系企業で日本人社長の秘書として働いており、同じような立場の友人も多い。セクハラは許せないという気持ちは強いが、ちょっとしたことで騒ぎたてて会社で問題を起こしたくないという本能が刷り込まれている。特に外国で自分の稼ぎを頼りに生活をしていれば、雇用の維持は重要なのだ。
それにつけこんでいるとは思わないが、セクハラまがいの言動を耳にすることは少なくない。日系企業で日本から派遣されてくる幹部社員にとって、駐在生活というのは慣れるまで楽なものではない。単身赴任で来る人も多く、言葉や文化の違いで日常生活もままならず、話す相手も限られてくる。身近に日本語でいろいろ世話をやいてくれる人がいれば甘えが出てきて、それがエスカレートする。
米国だと社内でもロリーや、キャッシーといったようにファースト・ネームで社員を呼ぶ。日本人社員のことも、女性なら明美とか、由美子とか呼ぶわけだ。ある日本人の駐在員男性が「飲み物持ってこさせたりすると、バーみたいな感じで、いいんだよね」と言ったのを耳にしたことがある。次に何が起こるかは、すぐに想像できる。
アメリカだと社員は仕事が終われば自分の家庭に戻っていくので、飲みに行く機会もない。業績をあげて早くに日本に戻りたいとあせり、家族がくればきたで、アメリカ生活に慣れない家族の世話でさらにストレスをためる。単身赴任だと、一人で家に帰って寂しい気持ちになる。私の友人は仕事にかこつけて、社長が自宅に夜の11時頃、毎晩のように電話してくるとこぼしていた。会社に訴えても、現実問題としてアメリカ人幹部が日本人社長に社長本人のセクハラについて強いことなど言えるわけがない。
秘書がアメリカ人だったら、同じように振舞うのだろうか? 日本人の女性ならそれに耐えてあたりまえと思っているのだろうか? 日本企業も掛け声ばかりで本人の自覚に任せるだけなら、実質セクハラを許容しているのも同じだ。セクハラを生まない環境づくり、駐在員教育を徹底すべきだ。ここまで放置し続けるのは、これが日本の企業文化だとしか思えない。そうであれば、本当に情けない。
(片瀬ケイ)
http://www.janjan.jp/column/0605/0605114195/1.php